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S3 Intelligent-Tieringで新しい階層としてArchive Access階層とDeep Archive Access階層が追加されて、さらにコストを最適化できるようになりました。
何が嬉しい?
S3 Intelligent-Tieringは、アクセスパターンに基づいてコスト効率の高いストレージ階層に自動で移動してくれる機能です。アクセス頻度を読めないときに設定することで、運用負荷を上げることなくコストを最適化できます。
これまで、高頻度アクセス階層と低頻度アクセス階層の2階層が用意されていました。
アップデートによって、Archive Access階層とDeep Archive Access階層の2つが追加され、さらにコストを最適化できるようになりました!
コスト(2020年11月11時点、東京リージョン)
S3 Intelligent-Tieringの各階層別の料金は以下の通りです。
ストレージ階層 | 1GBあたりの料金 |
---|---|
高頻度アクセス階層 | $0.025 * |
低頻度アクセス階層 | $0.019 |
Archive Access階層 | $0.005 |
Deep Archive Access階層 | $0.002 |
なお、通常のストレージクラスの料金は以下の通りです。Archive Access層とDeep Archive Access層はそれぞれ、S3 GlacierとS3 Glacier Deep Archiveと同じ料金であることがわかります。
ストレージクラス | 1GBあたりの料金 |
---|---|
スタンダード | $0.025 * |
スタンダード IA | $0.019 |
One Zone IA | $0.0152 |
S3 Glacier | $0.005 |
S3 Glacier Deep Archive | $0.002 |
注意として、 S3 Intelligent-Tieringはオブジェクトの監視とストレージクラスの移動に対して料金がかかります。予めアクセスしない、基本的に取り出すことがないとわかっているオブジェクトに対しては、これまで通りGlacierをライフサイクル設定いただく方が、余計なコストはかかりません。
S3 Intelligent-Tiering Storage | 料金 |
---|---|
モニタリングおよびオートメーション | オブジェクト 1,000 件あたり 0.0025USD |
パフォーマンス
Archive Access階層はS3 Glacierストレージクラスと同じパフォーマンスで、Deep Archive Access階層はGlacier Deep Archiveと同じパフォーマンスです。
ストレージ階層 | パフォーマンス相当 |
---|---|
高頻度アクセス階層 | スタンダードストレージクラス |
低頻度アクセス階層 | スタンダードストレージクラス |
Archive Access階層 | S3 Glacier ストレージクラス |
Deep Archive Access階層 | S3 Glacier Deep Archive ストレージクラス |
仕様・留意事項
- Archive Access階層とDeep Archive Access階層は片方または両方を設定可能
- Archive Access階層は90〜730日、Deep Archive Access階層は180〜730日で移行までの日数を設定
- 両方設定する場合、Deep Archive Access階層の日数 > Archive Access階層の日数 とする
- バケット、プレフィックス、オブジェクトタグ単位で設定可能
- Intelligent-Tieringのオブジェクトはアクセスされると高頻度アクセス階層に移動
- 128KB未満のオブジェクトは高頻度アクセス階層に保存されます
- Intelligent-Tieringは最低30日間の請求が行われます
やってみた
Archive Access階層の設定をやってみます。
マネージメントコンソールから、S3バケットの[プロパティ]タブをクリックします。Intelligent-Tiering Archive 設定で[設定を作成]をクリックします。
設定名を入力し、スコープを選択します。スコープでは、プレフィックスとオブジェクトタグを設定することができます。ここではスコープは設定しないまま進めます。
アーカイブ設定で、Archive Access階層とDeep Archive Access階層を両方設定します。ここでは、90日でArchive Access階層、180日でDeep Archive Access階層に移行されるように設定しています。
[作成]をクリックすると、設定できていることを確認できました。
さいごに
Archive Access階層とDeep Archive Access階層の設定をできるようになり、よりコストの最適化をできるようになりました。
Intelligent-Tieringは手軽に設定できますが、モニタリングやストレージクラスの移動にコストは発生します。基本的にアクセスが発生しないことがわかっているオブジェクトについては、従来のライフサイクル設定も検討いただくといいかと思います。