[アップデート] Amazon S3 Storage Lens に 34 個のメトリクスが追加され、より広い観点で分析が出来るようになりました

2023.01.06

いわさです。

Amazon S3 Storage Lens を使うことで、S3 オブジェクトの利用状況を可視化しコストの最適化を行うことが出来ます。

S3 Storage Lens には、無料のメトリクスと有償の高度なメトリクスという形で大きく 2 種類のメトリクスが用意されていました。
上記記事にて一覧化されていますが、これまでは無料のメトリクスが 15 個、高度なメトリクスは 14 個で合計 29 個のメトリクスが提供されていました。

最近ではなく少し前のアップデート情報になりますが、2022 年 11 月中旬に以下のアップデートにて無料のメトリクスと高度なメトリクスで合計 34 個のメトリクスが追加され、最大で 63 個のメトリクスが提供されるようになりました。

本日は何が追加されたのか項目の確認と、変更された UI や設定方法を確認してみましたのでご紹介します。

追加されたメトリクスの確認

これは従来からですが S3 Storage Lens のダッシュボードの新規作成・編集画面で使用するメトリクスを選択することが出来ます。

無料のメトリクス

無料のメトリクスを選択した場合は以下のように提供されるメトリクスの一覧が確認出来ます。

無料のメトリクスは本日時点で 28 個提供されるようになりました。

高度なメトリクス

ちょうど 2022 年 10 月下旬に高度なメトリクスを有効化したダッシュボードを作成していました。
従来は以下のような形で、高度なメトリクスとレコメンデーションを利用するか選択し「アクティビティメトリクス」を明示的に指定する形でした。

これまでは 14 個の高度なメトリクスが提供されていました。

今回のアップデートで設定方法が少し変わりました。
次のように高度なメトリクスとレコメンデーションの機能としては、高度なメトリクスを使用するかどうかを選択し、追加で高度なメトリクスのカテゴリを選択する形となります。

高度なメトリクスの利用を選択した際のデフォルトでは、「アクティビティメトリクス」のみが選択された状態になっていました。
追加で「詳細なステータスコードのメトリクス」「高度なコスト最適化メトリクス」「高度なデータ保護メトリクス」を選択することが出来ます。

これら全てを追加することで、高度なメトリクスとしては 21 個追加されて 35 個提供されるようになりました。

メトリクス一覧

本日時点の無料のメトリクスと高度なメトリクスの一覧をまとめておきます。
太字は今回新たに追加されたメトリクスです。

無料のメトリクス

MPU の未完了オブジェクトは 7 日を超えるものだけの割合を確認できるようになりました。
7 日経過すればさすがに削除しても良かろうというところでしょうか。
また、レプリケートされたオブジェクトについては、送信元と送信先の 2 つが確認出来るようになっています。

  • 概要メトリクス
    • ストレージの合計
    • オブジェクト数
  • コスト最適化メトリクス
    • 旧バージョンのバイト数
    • 旧バージョンのオブジェクト数
    • 削除マーカーのオブジェクト数
    • 削除マーカーのストレージバイト数 [New]
    • 不完全なマルチパートアップロードのバイト数
    • 不完全なマルチパートアップロードのオブジェクト数
    • 未完了のマルチパートアップロードのバイト数 (7 日を超える期間が経過したもの) [New]
    • 未完了のマルチパートアップロードのオブジェクト数 (7 日を超える期間が経過したもの) [New]
  • データ保護メトリクス
    • 現行バージョンのバイト数
    • 現行バージョンのオブジェクト数
    • バージョニングが有効なバケット数 [New]
    • 暗号化されたバイト数
    • 暗号化されたオブジェクト数
    • レプリケートされたバイト数
    • レプリケートされたオブジェクト数
    • レプリケートされたストレージバイトの送信先 [New]
    • レプリケートされたオブジェクト数の送信先 [New]
    • レプリケートされたストレージバイトソース [New]
    • レプリケートされたオブジェクト数のソース [New]
    • オブジェクトロックのバイト数
    • オブジェクトロックのオブジェクト数
    • MFA の削除が有効なバケット数 [New]
    • SSE-KMS が有効なバケット数 [New]
  • アクセス管理メトリクス
    • Object Ownership バケット所有者によって強制されたバケット数 [New]
    • Object Ownership バケット所有者が優先するバケット数 [New]
    • Object Ownership オブジェクトライターバケット数 [New]
  • イベントメトリクス
    • イベント通知が有効なバケット数 [New]
  • パフォーマンスメトリクス
    • Transfer Acceleration が有効なバケット数 [New]

高度なメトリクス

高度なメトリクスについては従来のアクティビティメトリクスについてはそのままで、追加された 3 つのカテゴリが全て新規メトリクスになっています。
詳細なステータスコードが分析出来るようになったことでエラーが発生し続けているバケットを特定出来るようになりました。

  • アクティビティメトリクス
    • すべてのリクエスト
    • GET リクエスト
    • PUT リクエスト
    • HEAD リクエスト
    • POST リクエスト
    • DELETE リクエスト
    • LIST リクエスト
    • リクエストを選択
    • スキャンされたバイトを選択
    • 返されたバイトを選択
    • ダウンロード済みバイト数
    • アップロード済みバイト数
    • 4xx エラー
    • 5xx エラー
  • 詳細なステータスコードのメトリクス
    • 200 OK ステータスカウント [New]
    • 206 Partial Content (部分的なコンテンツ) のステータスの数 [New]
    • 400 Bad Request (不正リクエスト) エラーの数 [New]
    • 403 Forbidden (禁止) エラーの数 [New]
    • 404 Not Found (見つかりません) エラーの数 [New]
    • 500 Internal Server (内部サーバー) エラー数 [New]
    • 503 Service Unavailable (サービス利用不可) エラーの数 [New]
  • 高度なコスト最適化メトリクス
    • 移行ライフサイクルルール数 [New]
    • 有効期限ライフサイクルルール数 [New]
    • 旧バージョンの移行ライフサイクルルール数 [New]
    • 旧バージョンの有効期限ライフサイクルルール数 [New]
    • 不完全なマルチパートアップロードのライフサイクルルールの中止の数 [New]
    • 有効期限切れのオブジェクト削除マーカーのライフサイクルルール数 [New]
  • 高度なデータ保護メトリクス
    • 同一リージョンレプリケーションのルール数 [New]
    • クロスリージョンレプリケーションルール数 [New]
    • 同一アカウントレプリケーションルール数 [New]
    • クロスアカウントレプリケーションルール数 [New]
    • 無効な送信先レプリケーションルール数 [New]
    • すべてのサポートされていない署名リクエスト [New]
    • すべてのサポートされていない TLS リクエスト [New]
    • すべての SSE-KMS リクエスト [New]

設定変更が必要か

無料のメトリクスについては自動で新しいメトリクスが取得出来るようになっていることを確認しました。
無料のメトリクスの追加メトリクスについては設定変更不要で既に利用出来ます。

高度なメトリクスについては設定済みダッシュボードがなく確認できていないのですが、追加されたカテゴリはデフォルトでは選択されておらず明示的な選択が必要であることと、冒頭のアップデート情報内にて以下の記述がありました。

13 個の新しい無料メトリクスと 21 個の新しい高度なメトリクス (アップグレードで利用可能になる) を含む

よって、高度なメトリクスについてはダッシュボードの編集から明示的に追加のカテゴリの有効化が必要と思われます。

本日時点の東京リージョンの利用料金は以下となっており、モニタリングオブジェクト数に依存していてメトリクス数には依存していないので高度なメトリクスが有効化されていれば既定で有効化されていても良い気はしますが。

  • S3 Storage Lens 無料のメトリクス 0.00USD
  • S3 Storage Lens の高度なメトリクスと推奨事項 モニタリングされる 100 万個のオブジェクトあたり 0.20USD/月

さいごに

本日は Amazon S3 Storage Lens の追加メトリクスについて確認してみました。
これまでよりも S3 Storage Lens で得られる情報の幅が広がったので、これまで利用していた方も、まだ未使用だった方も是非活用を検討してみてください。