[アップデート] S3 VectorがGAして、東京リージョンでも利用可能になりました #AWSreInvent

[アップデート] S3 VectorがGAして、東京リージョンでも利用可能になりました #AWSreInvent

2025.12.04

こんにちは、筧(@takaakikakei)です。

AWS re:Invent 2025で、S3 VectorのGA(一般提供)が発表されました。一般提供に伴い、待望の東京リージョンでも利用可能になりました。

公式ドキュメント

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/12/amazon-s3-vectors-generally-available/

https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/amazon-s3-vectors-now-generally-available-with-increased-scale-and-performance/

S3 Vectorとは

まずおさらいですが、S3 Vectorは、Amazon S3にネイティブでベクトル検索機能を追加した、低コストでスケーラブルなベクトルストレージサービスです。従来、AWS上でRAGを構築する場合、検索エンジンとしてAmazon OpenSearch ServelessやAmazon Kendraなどを利用することが多く、比較的コストが高くなりがちでした。2025年7月頃にS3 Vectorがプレビュー版として登場し、コストや手軽さの観点で注目を集めましたが、東京リージョンは未対応でした。今回のGA版では、機能が大幅に強化されただけでなく、待望の東京リージョンにも対応しました。

GAで強化されたこと

主要な項目を以下にまとめます。日本語版ドキュメントがまだプレビュー版だったため、英語版ドキュメント(GA版)の情報を元に比較を行っています。本番環境でもかなり利用しやすくなっている印象です。

項目 倍率
ベクトルインデックスあたりのベクトル数 40倍(5,000万→20億)
1秒あたりの書き込みリクエスト数 200倍(5→1,000)
メタデータキーの合計数 5倍(10→50)
QueryVectorsの上位K件結果 3.3倍(30→100)
  • プレビュー版

CleanShot 2025-12-03 at 12.56.20@2x.png

  • GA版(英語ドキュメントを翻訳)

CleanShot 2025-12-03 at 12.57.05@2x.png

https://docs.aws.amazon.com/AmazonS3/latest/userguide/s3-vectors-limitations.html

以下に、各種制限等の詳細をまとめます。

リソース

項目 プレビュー版 GA版 変更点
アカウント内のAWSリージョンあたりのベクトルバケット数 10,000 10,000 変更なし
ベクトルバケットあたりのベクトルインデックス 10,000 10,000 変更なし
ベクトルインデックスあたりのベクトル数 最大5,000万 最大20億 40倍に増加

ベクトル仕様

項目 プレビュー版 GA版 変更点
ベクトルあたりの次元値 1〜4,096 1〜4,096 変更なし
ベクトルあたりのメタデータ合計 最大40 KB 最大40 KB 変更なし
ベクトルあたりのメタデータキーの合計数 10 50 5倍に増加
ベクトルあたりのフィルタリング可能なメタデータ 最大2 KB 最大2 KB 変更なし
フィルタリング可能なメタデータキー 10 10 変更なし

スループット制限

項目 プレビュー版 GA版 変更点
1秒あたりの書き込みリクエスト数 最大5 最大1,000 200倍に増加
1秒あたりに挿入/削除されるベクトル数 - 最大2,500 新規追加
リクエストペイロードサイズ 最大20 MiB 最大20 MiB 変更なし

API制限

項目 プレビュー版 GA版 変更点
PutVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 最大500 最大500 変更なし
DeleteVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 最大500 最大500 変更なし
GetVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 最大100 最大100 変更なし
QueryVectors リクエストあたりの上位K件の結果 最大30 最大100 3倍以上に増加
ListVectors ページあたりのベクトル数 最大1,000 最大1,000 変更なし
ListVectorBuckets ページあたりのバケット数 最大500 最大500 変更なし
ListIndexes ページあたりのインデックス数 最大500 最大500 変更なし
並列リストのセグメント数 最大16 最大16 変更なし

対応リージョンの拡大

プレビュー版では5リージョンでの提供でしたが、GA版では14リージョンに拡大しました。待望の東京リージョンも追加されています。その他の対応リージョンについては、以下の公式ドキュメントをご参照ください。

https://docs.aws.amazon.com/AmazonS3/latest/userguide/s3-vectors-regions-quotas.html

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございます。

S3 VectorのGAにより、東京リージョンでのRAG構築がさらに手軽かつ低コストになりました。個人的には、利用者が任意のファイルをアップロードして個人専用のRAGを構築するような仕組みが作りやすくなるのではないかと期待しています。今後積極的に利用して、S3 Vectorのユースケースを見つけていきたいと思います。

それではまた!

参考

プレビュー時の記事

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/07/amazon-s3-vectors-preview-native-support-storing-querying-vectors/

https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/introducing-amazon-s3-vectors-first-cloud-storage-with-native-vector-support-at-scale/

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