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[アップデート] S3 VectorがGAして、東京リージョンでも利用可能になりました #AWSreInvent
こんにちは、筧(@takaakikakei)です。
AWS re:Invent 2025で、S3 VectorのGA(一般提供)が発表されました。一般提供に伴い、待望の東京リージョンでも利用可能になりました。
公式ドキュメント
S3 Vectorとは
まずおさらいですが、S3 Vectorは、Amazon S3にネイティブでベクトル検索機能を追加した、低コストでスケーラブルなベクトルストレージサービスです。従来、AWS上でRAGを構築する場合、検索エンジンとしてAmazon OpenSearch ServelessやAmazon Kendraなどを利用することが多く、比較的コストが高くなりがちでした。2025年7月頃にS3 Vectorがプレビュー版として登場し、コストや手軽さの観点で注目を集めましたが、東京リージョンは未対応でした。今回のGA版では、機能が大幅に強化されただけでなく、待望の東京リージョンにも対応しました。
GAで強化されたこと
主要な項目を以下にまとめます。日本語版ドキュメントがまだプレビュー版だったため、英語版ドキュメント(GA版)の情報を元に比較を行っています。本番環境でもかなり利用しやすくなっている印象です。
| 項目 | 倍率 |
|---|---|
| ベクトルインデックスあたりのベクトル数 | 40倍(5,000万→20億) |
| 1秒あたりの書き込みリクエスト数 | 200倍(5→1,000) |
| メタデータキーの合計数 | 5倍(10→50) |
| QueryVectorsの上位K件結果 | 3.3倍(30→100) |
- プレビュー版

- GA版(英語ドキュメントを翻訳)

以下に、各種制限等の詳細をまとめます。
リソース
| 項目 | プレビュー版 | GA版 | 変更点 |
|---|---|---|---|
| アカウント内のAWSリージョンあたりのベクトルバケット数 | 10,000 | 10,000 | 変更なし |
| ベクトルバケットあたりのベクトルインデックス | 10,000 | 10,000 | 変更なし |
| ベクトルインデックスあたりのベクトル数 | 最大5,000万 | 最大20億 | 40倍に増加 |
ベクトル仕様
| 項目 | プレビュー版 | GA版 | 変更点 |
|---|---|---|---|
| ベクトルあたりの次元値 | 1〜4,096 | 1〜4,096 | 変更なし |
| ベクトルあたりのメタデータ合計 | 最大40 KB | 最大40 KB | 変更なし |
| ベクトルあたりのメタデータキーの合計数 | 10 | 50 | 5倍に増加 |
| ベクトルあたりのフィルタリング可能なメタデータ | 最大2 KB | 最大2 KB | 変更なし |
| フィルタリング可能なメタデータキー | 10 | 10 | 変更なし |
スループット制限
| 項目 | プレビュー版 | GA版 | 変更点 |
|---|---|---|---|
| 1秒あたりの書き込みリクエスト数 | 最大5 | 最大1,000 | 200倍に増加 |
| 1秒あたりに挿入/削除されるベクトル数 | - | 最大2,500 | 新規追加 |
| リクエストペイロードサイズ | 最大20 MiB | 最大20 MiB | 変更なし |
API制限
| 項目 | プレビュー版 | GA版 | 変更点 |
|---|---|---|---|
| PutVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 | 最大500 | 最大500 | 変更なし |
| DeleteVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 | 最大500 | 最大500 | 変更なし |
| GetVectors API 呼び出しあたりのベクトル数 | 最大100 | 最大100 | 変更なし |
| QueryVectors リクエストあたりの上位K件の結果 | 最大30 | 最大100 | 3倍以上に増加 |
| ListVectors ページあたりのベクトル数 | 最大1,000 | 最大1,000 | 変更なし |
| ListVectorBuckets ページあたりのバケット数 | 最大500 | 最大500 | 変更なし |
| ListIndexes ページあたりのインデックス数 | 最大500 | 最大500 | 変更なし |
| 並列リストのセグメント数 | 最大16 | 最大16 | 変更なし |
対応リージョンの拡大
プレビュー版では5リージョンでの提供でしたが、GA版では14リージョンに拡大しました。待望の東京リージョンも追加されています。その他の対応リージョンについては、以下の公式ドキュメントをご参照ください。
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
S3 VectorのGAにより、東京リージョンでのRAG構築がさらに手軽かつ低コストになりました。個人的には、利用者が任意のファイルをアップロードして個人専用のRAGを構築するような仕組みが作りやすくなるのではないかと期待しています。今後積極的に利用して、S3 Vectorのユースケースを見つけていきたいと思います。
それではまた!
参考
プレビュー時の記事








