イベント音響・配信周り対応時のおはなし(イベント担当者向け)

イベント音響・配信周り対応時のおはなし(イベント担当者向け)

Clock Icon2024.05.18 13:40

こんにちは!佐藤です。 今回は、イベント運用の裏方仕事・音響と配信周りをテーマにお話ししたいと思います。
出来る限り専門用語や難しい表現は避けて説明していきたいと思いますので、現在イベントに関わっている方、今後イベントの企画運営に携わる方に是非読んでいただきたいと思います。

はじめに

まず皆さんに質問です。
例えば大型の商業施設で週末などに行われているトークイベントなどをイメージしていただいて、その音響や映像管理の設定準備にかかる時間と人数はどれくらいか想像出来ますでしょうか。

「マイクはスピーカーに接続すればいいので音量調整すればOK、30分くらいかな」
「投影物は事前に作っておけば流してもらえるのですぐ出来るのでOK、30分くらい」
「そんなに大きな会場ではなければ30分くらいで出来ますよね?」
「調整する裏方さんが1人くらいいれば良いのですぐ出来る!」

多くの人がそう思っているかもしれません。

正解は、30分じゃ足りないのです!

です。
大きな声を出してすみませんが、本当にこれを伝えたくてこの記事を書いているのでご了承ください。
「大分大変だろうな、でも何やってるのか分からない」という方にもおすすめの記事です。

イベント規模や開催時期によっても準備期間は変わってきますが、50名程度の小規模でも1週間前、規模が大きくなれば1ヶ月~1ヶ月半の準備期間が必要となります。
そしてもうひと言お伝えするならば「イベントの企画段階で共有してくれると物凄く嬉しい!!」です。
イベント担当者の方は、ノベルティや会場予約、登壇依頼、集客・告知など色々なタスクの締切に追われているのは重々承知なのですが、音響・配信周りは本番ギリギリのタイミングで声をかけられる事が稀にあります、

からの自己紹介

とは言え、そんな事を言っているお前は誰だと思われる方も多いと思いますので、改めて短く自己紹介をさせてください。
グループ会社のアノテーション株式会社 コーポレートゾーン所属の佐藤です。
普段の業務は

  • 総務業務(主にインフラ・物理・情シス修行中)
  • FM業務(オフィス移転・立上げ)
  • 自称:コミュニケーションビルダー(上記2業務+αの観点で、社員の皆さんが「業務に集中出来る」環境を提供し、円滑的かつ偶発的なコミュニケーションを促進するなどの話は長くなるので別記事にて投稿します)

を行っています。
音響・配信周りに関わったのが2023年4月に自社の本社が日比谷オフィスへ移転し、オフィスでのイベントやセミナーの開催が多くなり声がかかった事がきっかけです。
前プロジェクトの関係で出遅れて日比谷オフィス配属となり、2023年8月頃になります…

「イベント開催の際にスピーカーの接続や投影方法のやり方をみんなが簡単に出来るように手順化してください」

と依頼されたのが始まりでした。
当時の私も「マイクをスピーカーにさして、映像と配信はPCからちゃちゃっとやればいいんですよね」側の人間だったもので簡単に手順化すればいいや、という気持ちでいました。

実際に初めて見ると本当に内容が濃く深い本当に沼のような内容が多く本当に複雑でした。
ここからぼくの音響・配信人生が始まりました。
とは言え1年目なのでまだまだ初心者の大きな第一歩です。

音響・配信の準備(前提のおはなし)

では実際に音響・配信周りで準備しなければならない事を説明していきたいと思います。
今回の説明の前提としまして

  • やや大きめな規模のセミナー:オフラインとオンライン配信のハイブリット配信
  • オフラインとオンライン登壇のハイブリット登壇
  • 後半にディスカッションパートあり
  • イベント担当者は音響・配信周りの知識がない

上記のイベントを想定します。

では、この条件で前日に突然主催者側から準備依頼が舞い込んだとします。

正直、このボリュームでは前日の対応は難しいですが、一旦イベント担当者とお話をします。


可能な限り本番までに出来る事・今からでは出来ない事を提案して担当者と認識を合わせていきます。
加えて後述はしますが、イベントまでに必要な準備期間(今回であれば1ヶ月前くらい)をお伝えした上で「100%に近づける努力はするけど、100%を提供する保証は出来ない」をお伝えします。

もうひとつ、私の性格の話になってしまうのですが
「石橋を壊れるまで叩き続け、壊れなかったらOK」
「石橋が壊れた時の代替案は最低5個考えておく、【出来ません】はZ案の最終手段」

という性格をしております。
実際の音響・配信周りの進め方から若干異なる場合がございます、ご了承ください。

音響・配信の準備(実際の動き)

準備はいつでも3STEP

①まずはイベント協力の依頼が来た段階で対応する事(早ければ早い方が良い!!)

  • 担当者からイベント全体の流れをヒアリング(タイムスケジュールがあるとベスト)
    • 登壇者の環境(リモート登壇など)は決まり次第決定事項に書き加えていきます
    • 合わせて当日に登壇者の方が事前リハ可能かを確認・依頼をしておきます
  • 担当者から本番イメージを聞き出す
    • ここが物凄く大切で、双方でイメージ認識のズレが少なければ少ないほど運営側の突発的な依頼や変更が少なくなります
    • 逆に「こういう事も出来ますよ」という突発的な依頼を事前に提案出来るのも安心です。予防策大切。
  • イベント全体の動きと担当者イメージから必要な要件をまとめて、配線図を構築する

上記は依頼のタイミングにもよりますが、イベントの企画段階では大枠は決まっているけど細かい部分はふわっとしている場合が多いので、ある程度のデッドラインを決めてヒアリングを進めていきます
ここで重要なポイントは会場のレイアウトと一緒に配信チームの場所も確保する事、複数カメラの運用の場合は画角とレイアウト(特に参加者の座席とカメラが干渉してしまうなど)を綿密に調整する必要がある、という所です。
連携不足が原因で手直し・調整し直しで色んなメンバーの工数が増えてしまうのは物凄くもったいないので、決定事項から粒度の高い話をしていく事をおすすめします。ここも担当者との細かい連携が必要になってきます。

②配線図の構成での疎通リハーサルを行う(本番1週間~3日前くらい)

配線図はあくまで「机上の空論」です。

※図:ひよっこ1年生が頑張っている配線図

特に、通常とは異なった機材を使用する場合、異なったシチュエーションでの登壇・セッションを想定される場合は必ず全体疎通の確認を行います。
機械という物は本当にわがままで「想定では出来るけどやってみたら出来なかった」という事が稀に良くあります。 そして音響・配信周りあるあるなのですが「そのメーカーとあのメーカーの相性悪いよ」問題も上乗せされます。
マイク1本変えただけでも、音室や音割れ、ノイズが混じってしまうという事もよくあります。

加えて先述の通り、「社内イベントでの音響・配信の簡素化と手順化」も同時平行で自分のミッションになっています。
そのミッション対策として

「原状復帰までを手順化する」(初期状態に戻しておくまでが手順)

の運用をしております。全部の機材が初期位置にいなければどんなに手順化しても出鼻から心折られる僕の経験則からの手順です。

つまり、初期位置→本番用に機材を追加・変更する→原状回復までのシミュレーションが疎通リハーサルの目的となります。
ここで問題がなければ③へ。
何かしらトラブルがあった場合は担当者と「再現出来るところまで再現する」の認識を握り合います。
「ディスカッションのマイクはリレー形式に変更」「(カメラ位置調整のために)登壇スケジュールの変更を依頼」「(懸念される箇所の確認のため)休憩時間の変更」などを提案と共有、担当者の方の腑に落ちるところへ持って行く必要があります。

③事前リハーサル(前日・本番前)

本番前に事前リハーサルを行います。
配線や設定周りは疎通リハーサルと同内容になりますので省略します。

事前リハーサルで確認する3つの事

登壇者マイクチェック(←重要)
登壇者PCと接続チェック(←重要)
担当者のイメージに合っているか確認(←超重要!)

まずはマイクチェックですが、社内報告会などを経験してきまして声のボリュームの調整という課題と改善を経験してきました。(ex:登壇者の声が小さいのでマイクの音量を上げたら次の登壇者でビリビリ音割れする、逆も然り)
加えて、リハーサルと本番で声量が異なる方もいらっしゃいます。かく言う私も、通常は喉声(小さめで通りづらい声)、マイクを持つと腹式(大きめで声圧が強い)に変わる人間なので何も言えないのですが、いかに「本番っぽい環境を作るか」に重きを置いています。
この辺りの課題につきましては、直近ですと2024年4月末に社内にて全社報告会が行われ、ほぼ完全に改善されました。
細かい調整などはまた別途ブログにて書きたいと思います。

とは言え、登壇者の声量や声質の確認、マイクの持ち方・ON/OFFなどをレクチャする重要なタイミングです。
加えてリモート登壇の場合は登壇PC側の設定に大きく依存するため、こちらも重点的にリハを行います。

続いて登壇者PC接続チェックです。
機材によっては事前に登壇者PCへドライバのインストールをお願いしたり、OSのバージョンによって登壇者PCと機材の相性が悪くなる問題を事前に解決しておきます。 「登壇慣れしてるんで大丈夫です」「いつものですよね、大丈夫です」という方がまれよくいらっしゃるのですが、完全にフラグなので重点的にリハを行います。
「いつもの登壇会場」は存在しません。毎回が初めてです。
登壇される皆様も面倒くさがらずご協力をお願い致します。

そして最後に「担当者のイメージに合っているか確認」です。
このタイミングで
「登壇の合間にBGM流したいね」
「カメラの画角ちょっと変えたい」
「あ、夜景映すカメラも欲しいよね」

というジャストアイデアがまれよく発生します。

ここは当日準備のスケジュールも把握しつつ必ず行っていきたい工程です。イベント担当者の方はイベント当日物凄く忙しいです、ある程度会場の土台が完成したらすぐに捕まえて確認しましょう。担当者の「落ち着いたら行きます」は嘘です。すぐに捕獲してください。
あくまでも担当者(依頼者)のイメージがゴールであって、
機材全部がノーミスで動きました何もトラブル起きませんでした無問題
というのは大前提条件(出来て当たり前)となります。

私が直前の依頼を拒むのは、この担当者とのイメージの握り合いの期間が全くないのが一番大きな理由です。
音響・配信というのは、あくまで大前提条件(トラブルがない)があり、その上乗せでより担当者のイメージに近いものを体現することで初めて評価されます。
「次も音響・配信をお願いしたい」と「この担当者の大体の好みと良し悪しの感覚が掴めた」のwin-winな関係を構築する事も出来ます。
最後の最後まで、担当者のイメージを体現する事を大切にしていきたいですね。

本番

本番にやることは微調整とトラブル対応


※写真:ガチガチに空気になっているぼくです。

本番時はタイムテーブルと進行状況を見つつ、事前の運用をただただ行っていきます。
もう本番中は空気と同化するレベルで存在感を消して無心にトラブルがない事だけを祈って動きます。
ここまで事前に準備してきた事・手順を黙々とこなし、トラブルが起きた際はイベントへの影響がミニマムになる動きをするのみとなります。
複数名体制での運用の場合は「音響・配信チームへの本番時タイムスケジュール」と「イベントに干渉しない連携方法」の共有も必要になります。
ここも「いかにイベントに干渉しないで」チーム感の連携がスムーズに行くような提案が出来るように場数を増やしたいと思います。

トラブルシューティングに関しても同様に、場数を踏むしかない、という感想です。
どんなに機材の説明書を頭に叩き込んでも、どんなにリハーサルを充実させても、トラブルは必ず起きます。
正直頭が真っ白になった状態で「何をどうしよう」の判断はつきません。手順書のFAQなど読む余裕もありません。
1年間かけて、ようやく「あ、このトラブルって大体この機材が原因だよね」レベルの感覚が掴めるようになったくらいです。
「トラブル発生時こそ、冷静に落ち着いて」は経験値で上げていきましょう。
逆に「この中に音響に詳しいお客様はいらっしゃいませんか?!!」という場に居合わせた時に颯爽とカッコ良く登場出来るので、知識を持っているだけでも便利です。

本番終了・撤収

迅速に、かつ丁寧に後片付けはしっかりと

大体のイベントではイベント終了後に懇親会やライトトークの場へ転換されます。
先述の通り、原状回復までが音響・配信担当の仕事です。
イベント終了後は、配信側に気を付け配信を終了し、迅速に後片付けを行います。
機材回り、特にマイクやカメラなどの配線は踏まれたり雑に抜かれる可能性が高いため最速で片付けていきます。

原状回復で一番多いトラブルが「見た目綺麗に戻したのに配線がダメになってる・見えない箇所の配線が切れている事」です。
参加者の方が自由に動き回ってしまう前に重要な配線周りは立ち入り禁止にするか最速で片付けておきます。
ここで疎通リハーサルの原状復帰までのシミュレーションが役立ちます。
色々準備が大変ですが無駄な事なんてなかったんだの精神で乗り切りましょう。

参加者やその他への録画データの共有も、コーディング作業(映像データ化)が終わり次第即時共有対応します。
イベントの熱は開催された日にピークになります。
参加できなかった方向けへの発信までがイベントです。
ここまで気を抜かずに頑張りましょう。

懇親会へ:担当者フィードバック

懇親会へさらっと参加し、担当者へフィードバックを貰います。
担当者の方は大体参加者の方と話し込まれている事が多いため、懇親会などでじっくりフィードバックを貰う事は出来ませんが。もう一度言います、イベントの熱は開催された日がピークです、少しだけでも良いのでフィードバックを貰いましょう。

ざっくりと「ありがとう」「お疲れさまでした」は定型文の平均点、「また次もよろしくね」「最高だったよ」を言って貰えて80点

だと思っています。
あと、懇親会は飲みすぎ注意です。

まとめ

楽しく活気のある仕事です!

長々と書いてしまいましたが、ひとつのイベントの流れとしての説明をさせていただきました。
正直、準備や当日の対応など大変な面が多いですが、達成感と充実感、加えて全力で楽しい!と思える業務です。
自己紹介の際に「沼にハマる前は」と表現しましたが、音響もカメラも配信も出来る事は無限大、あとは環境と時間と相談となります。本当に色んな事が実現出来るのでずっとワクワク出来ます。
ついでに「トラブル耐性が高い精神力」が身に付きます。
「やべぇ…これはやべぇ」から「やばいな、これはB案の切り替えで解決出来るので物理対応と共有で乗り切ろう、対応と共有どっちが先か…一緒にやればいっか」くらいの精神力になります。なにもこわくなくなります。

音響・配信周りもイベント運営の重要なタスクのひとつです!!

音響・配信周りは完全なる裏方仕事になるため、中々認知度も低いです。
イベントの際に当初の想定タスクに入っていなかったり、特に初めてのイベントなどでは「その担当必要ですか?」くらいの認知度です。
とは言え、音響・配信周りは「音を出す・映像を流すだけではなく、イベントのイメージを体現化させられますよ!」と大きな声で叫びたい気持ちでこの記事を書きました。
「音響・配信というのは、あくまで大前提条件(音が出る・映像がきれいに切り替わる・配信側も問題ない)が出来るのは当たり前、その上乗せで担当者のイメージに近いものを提案・体現することでイベントのレベルアップ・満足度の高いイベントの運営に貢献する事が出来ます。
一緒に最高のイベントを開催するため、この記事を頭の隅に置いて、いつかイベントを企画・担当する立場になった際には「そういえば音響・配信周りは誰に相談しようか」と思い出してもらえれば嬉しいです。
「石橋は叩くものではなく、渡るものです」
石橋を叩きまくるのは渡ってくれる人がいるからです。
イベントがなければ音響・配信周りの業務は不要になります。逆にイベントがあるからこそ音響・配信周りの必要性が保たれています。
少しだけでも裏方仕事の理解を広められ、一緒に最高のイベントを完成されればと思います。

長文を読んでいただきありがとうございます。

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社はクラスメソッドグループのオペレーション専門特化企業です。サポート・運用・開発保守・情シス・バックオフィスの専門チームが、最新 IT テクノロジー、高い技術力、蓄積されたノウハウをフル活用し、お客様の課題解決を行っています。当社は様々な職種でメンバーを募集しています。「オペレーション・エクセレンス」と「らしく働く、らしく生きる」を共に実現するカルチャー・しくみ・働き方にご興味がある方は、アノテーション株式会社 採用サイトをぜひご覧ください。

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