スクラムフェス大阪2021でベトナムトラックオーナーやってみた
はじめに
こんにちは、グローバル事業部兼アジャイルコーチの藤村です。2021年6月25日、26日にオンラインで開催されたスクラムフェス大阪2021で、ベトナムトラックオーナーを担当しましたので、イベントレポートしたいと思います。ベトナムトラックオーナーは去年に引き続き2回目となります。
スクラムフェス大阪とは
以下、イベントページからの引用です。
Scrum Fest Osakaはスクラムの初心者からエキスパート、ユーザー企業から開発企業、立場の異なる様々な人々が集まる学びの場です。この2日間を通じ、参加社同士でスクラムやアジャイルプラクティスについての知識やパッションをシェアするだけでなく、ここで出会ったエキスパートに困りごとを相談することもできます。
2020年は、2019年と同じく関西大学梅田キャンパス KANDAI MeRISE で開催を目指していましたが、COVID19に絡む社会情勢を鑑み、スポンサー様、チケット購入いただいた参加者のご理解をいただき、オンライン開催とさせていただくことにいたしました。地方スクラム/アジャイルコミュニティのご協力をいただき、セッション数を大幅に拡大しました(並行19トラック、約100セッション)。多数の並行セッションがありますので、参加者限定ですが、最低一ヶ月程度、録画視聴をできるように致しました。
オンライン開催&マルチトラック方式では思いもかけず、大変ご好評いただきましたので、今回も同様の開催方式と致します。
今年で3回目となるスクラムフェス大阪ですが、去年はコロナ禍でのオンラインカンファレンスの先駆けとなり、今年も並行19トラック、約100セッションという、かなり大規模なオンラインイベントになってます。
私とスクラムフェス大阪
スクラムフェス大阪2019では、応募したプロポーザルを採択頂いたため、大阪に行って登壇してきました。
今まで数多く登壇してきましたが、この時の登壇は私にとってベストバウトの一つです。会場との一体感がとても気持ち良かった!
スクラムフェス大阪2020は、こちらのページに経緯が書かれている通り、COVID-19の影響でオンライン開催となりました。
2020年、COVID-19の影響で大きなカンファレンスの開催が難しくなる中、 スクラムフェス大阪はオンライン開催をする決定をしました。 しかし同時に気がついたのです。だったら日本中の地域やコミュニティにも 声をかけて、一緒に盛り上がろう……。
東京のスクラムギャザリングを遥かに上回る数のセッションが集まりました。 スクラムのワークショップやノウハウ、企業での経験談と苦労話はもちろん、 チーム論、モブプログラミング、XP入門、ユーザビリティ、心理学、 スタートアップ、地域のエンジニアコミュニティ、オフショア、書籍、 ありとあらゆる学びと実験が集まります。
その中で、Scrum Fest Osaka実行委員の方から、「地域コミュニティの一つとして、ベトナムトラックやってみない?」とお声がけ頂いたのがきっかけで、ベトナムトラックオーナーを担当しました。
そして今年もスクラムフェス大阪2021のオンライン開催が決まり、同様にScrum Fest Osaka実行委員の方から、「今年もベトナムトラックやってみない?」とお声がけ頂いたので、喜んで引き受けさせて頂いたのが経緯となります。
ドラフト会議
スクラムフェス大阪はプロポーザル方式でセッションが決まるのですが、今年はプロ野球のドラフト会議のような方式でセッションを採択しました。その経緯については、実行委員のかわぐちさんの記事をご参照ください。
実際にドラフト会議を実施した結果はこちらです。スーパーアジャイルコーチである藤原さんのセッションは、別のコミュニティとの抽選の結果勝ち取ることが出来ました。ドラフト会議、めっちゃ楽しい。
最終的にベトナムトラックで採択されたセッションは以下となります。
ベトナムトラックレポート
Hiroshi KURABAYASHI - ベトナムでやり直すソフトウェア開発
セッション概要
セッションスライド
ざっくりまとめ
- 日本に帰ってこいと言われたので辞めた
- 16年勤めた会社を辞める覚悟がすごい
- 日本の当たり前品質ってなに?
- 当たり前品質の期待が高すぎる?
- ベトナム子会社は正当な評価をされない
- 元々は外注費削減、人員不足解消が目的
- 達成できているにも関わらず、売上・利益にフォーカスして値上げ…
- ベトナムには伸びしろしかない!
- Strategyは3A
- AGILE
- ASSETS
- AUTOMATION
- Reviewで喧嘩、翌日囲まれた、どうなる?
- 日本とベトナムの開発コストは近々逆転する
- 2025〜2027年
- ベトナム人経営者たちは日本を見ていない
- ビジネスモデルをピボットしている
- 国内スタートアップに投資している
- 面白いことしかやらない
「ベトナムには伸びしろしかない!」ってのは本当にその通りだと思います!
Kazuho Onojima - 1500人、110以上のプロジェクトが並走するグローバル企業で品質改善活動に取り組んでいる話
セッション概要
セッションスライド
ざっくりまとめ
- ガッツリ現場に入るPAO
- 110プロジェクトを横断で品質改善
- 各ロール(BrSE、Dev、QA)の課題を改善
- 言われたことを疑う!
- 直訳ではなく意訳
- 見える化、定量化、情報の信頼度を重視
- GIST Planning
- とはいえ結局は思いやりが重要
- 帰国時の温かいメッセージ
科学的分析手法を取り入れながらも、異文化コミュニケーションも重視する、両軸の考え方にとても共感しました。
Sakano Nao / Takeshi Fukasawa / yasuyuki kamitokusari - 【パネルディスカッション】オフショア×スクラム=モダンオフショアの取り組み
セッション概要
所感
- ここが楽しいモダンオフショア
- ベトナム開発パートナー
- ベトナムでのチームビルディングという名の飲み会
- 上下関係じゃなく、フラットな関係
- 仲間として思えた
- コミュニケーションが楽しい
- クラスメソッド
- 現地に頻繁に行ける
- 国境を超えての信頼関係
- ベトナム開発パートナー
- ここが辛いよモダンオフショア
- ベトナム開発パートナー
- 言語の違い、文化の違い
- 個人の自律性が求められる
- 特に辛いことはない
- コロナの影響で出張で来れなくなった
- クラスメソッド
- クライアントとベトナム開発パートナーとの間の期待値のズレ
- ベトナム開発パートナー
- 実録
- The 喧嘩
- ベトナムメンバーとクラスメソッドメンバーで、Slack上でヒートアップしたことがあった
- チームの体制と言語
- 英語はお互い得意ではなかった
- 使い分けたほうが、円滑にまわる
- 日本とベトナムでの温度差のギャップ
- 代理POが、クライアントから言われているからではなく、自分の言葉で伝えてくれた
- The 喧嘩
こちらの図のように、私の方で試行錯誤しながら推進していたモダンオフショアの進め方を、去年から今年にかけてスクラムで開発をはじめた3プロジェクトに水平展開してました。その際のそれぞれのスクラムチームのスクラムマスター3人と、ベトナム開発パートナーのCEO、PMOメンバー、代理POの計6名がパネルディスカッション形式でお話ししてくれました。
ベトナム人のCEOが「クラスメソッドのメンバーを仲間として思えた」と言ってくれたり、代理POが「辛いのはコロナで出張に来てくれなくなったこと」って言ってくれたのを聞いて、思いはしっかり伝わっていたんだなと思い、ぐっとこみ上げてくるものがありました。やってて良かったモダンオフショア!
Fujihara Dai - アジャイルコーチ、スーパーアジャイルコーチ、ウルトラアジャイルコーチ、それぞれの10年
セッション概要
セッションスライド
所感
- アジャイルリーダーシップ
- チームを勇気づける!
- 結局人を育てないと続かない
- コーチも失敗する
- ゴール設定が超重要
- 充電期間を経て、アジャイルテスティングに取り組もうと思った
- コーチはまた呼ばれたらダメ
- とりあえずスクラム問題
- とりあえずやってみようの弊害
- 技を覚えるとかけがち
- とりあえずやってみようの弊害
- 関係性を築けなければ失敗
- システムが完璧であれば、われわれの仕事はなくなる
- 自分の仕事をなくしていく
- ベストプラクティスは変わっていく
- 追いかけ続けることが重要
- 銀の弾丸はきっとある、撃ちまくる!
- 他人を変えるのは難しい
- けど、変わることを信じている
- あと何回「楽しかった」と言えるか
私自身、アジャイルコーチを担う上で、とても参考になりました。「コーチはまた呼ばれたらダメ!」
Discordの様子
この写真のように、セッションの合間にベトナムトラック登壇者やベトナムオフショア実践者でお話しするような場も生まれていました。やりたかったのは、まさにこのような場作りだったので、来年以降ももっと盛り上げていきたいと思ってます!
私の思い
去年、今年と、スクラムフェス大阪のベトナムトラックオーナーを務めさせてもらったことを、私自身大変光栄に思っています。他のトラックとは違い、私の方でベトナムアジャイルコミュニティを運営しているわけではありません。また、ベトナムでのアジャイル開発、スクラムの実績の面でも私なんかよりも豊富な実績、経験をお持ちの方も多数いらっしゃいます。決してこの分野の第一人者では無い私がすべきことは、ベトナムとのアジャイル開発実践者と日本のアジャイルコミュニティの架け橋になることだと勝手に考えており、そのような機会を与えて頂いているスクラムフェス大阪の実行委員の皆さんには本当に感謝しても感謝しきれません。
これからも一実践者として、またベトナムと日本の国をまたいだコミュニティの架け橋として、引き続き盛り上げていきたいと考えています。
さいごに
来年は、コロナの状況が落ち着いていたら、ぜひベトナムからお届けしたいと思います!