Keynote「今あえてのスクラム」セッションレポート #scrumosaka

2020.06.27

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

Scrum Fest Osakaとは?

2020年6月26(金)・27日(土)にScrum Fest Osakaがオンラインで開催されました。 Scrum Fest Osaka 2020@ONLINEは以下のようなイベントです。クラスメソッドではシルバースポンサーとして協賛を行いました。

Scrum Fest Osakaはスクラムの初心者からエキスパート、ユーザー企業から開発企業、立場の異なる様々な人々が集まる学びの場です。この2日間を通じ、参加社同士でスクラムやアジャイルプラクティスについての知識やパッションをシェアするだけでなく、ここで出会ったエキスパートに困りごとを相談することもできます。

CX事業本部の阿部です。

6/26から開催されているScrum Fest Osakaに参加しています。 本日のDay2にのぞむ前に、昨日のキーノートのレポートブログを書きます。

Keynote「今あえてのスクラム」

本記事は、Keynoteセッション「今あえてのスクラム」をレポートします。

スピーカー

株式会社アトラクタ 永瀬美穂氏

セッション概要

2年目にして大きなチャレンジをすることになったスクラムフェス大阪とその参加者のために、今だからこそ伝えたいことがあります。

スプリントを回すことに心血を注いでいませんか? 小さな改善を積み上げることに追われていませんか? しみったれて硬直したプロセスやツールの話ばかりしていませんか?

このキーノートは、スクラム実践者がアジャイリストであり続けるために必要な態度について思いを巡らせる時間にしましょう。

スライド

レポート

苦手に挑戦する意義を見直す

キーノートは株式会社アトラクタの永瀬美穂氏によるものでした。

永瀬氏は、この依頼を受けたとき、オンラインでの基調講演に対して「うっ」ってなったとのこと。 しかし、アジャイルの先達が言っていた「自分の置かれた環境で自分の経験を活かしてどう反応するかだ」を思い起こして、ちょっとした「うっ」ってなるのは成長のチャンスと捉え直したとのことです。

その体験から、先が見えないことに対する恐れはあるが、それを乗りこなしていくために筋トレを続きてきたのでは?と問題提起します。

アジャイルとイノベーション

続いて、アジャイルなやり方がイノベーションに繋がるのは困窮して苦肉の策が当たったから、と指摘します。

意思決定のための問題ドメイン分類であるクネビンフレームワークを引用し、私たちが直面する課題とスクラムが得意とする問題領域を提示します。

スクラムは経験主義的なプロセスなので、この中でも非秩序系が得意です。

スクラムとは何か?を見つめ直す

この非秩序系が得意なスクラムをやりながら、私たちは予見的、経験的になりすぎていないか?というのが永瀬氏の指摘です。

例えば、エンジニアの「安全に倒す」って範囲が狭すぎないか?であったり、ふりかえりで「プロブレムに対するトライ」を出すことであったり。 アンコントローラブルに対する防御的な反応を示しているのだと思います。

スクラムは経験主義的なプロセスで、その混沌をコントローラブルにしようとするフレームワークだと指摘します。

これを全て否定するわけではないが、「そんなに因果関係は単純なのか?」と問いかけ、予見的、経験的に因果関係を探っていくのではなく、実験をしてみよう、と提案します。

もし、冒険が苦手な人であれば、その対応方法としてそれが得意な人と組むと良い、当人同士の普通がずれてる人と組むのは可能性を広げるとのことでした。

アジャイルネイティブがいる時代に

まとめ

スクラムのイテレーションを回すことで満足していないか?という強い問いかけから始まるイベントとなりました。 良い意味で参加者に自身が今ここにいる意義を問い直し、煽る内容だと感じました。

同じ話を聞いて同じ感想を持つことの危機感については、かなり頷きながら聞いていました。

先の世代が同じ苦労をする必要はないですね。新しい世代は新しい課題に取り組むべきです。それができなければ前の世代の怠慢だと思います。

これからDay2ですが、今日も楽しみにしています。