[SORACOM Technology Camp 2018 レポート] 通信モジュール内蔵デバイス制作のための心構え #soracom
こんにちは、菊池です。
本日(2018/04/26)、大崎ブライトコアホールで開催されている、IoTプラットフォームのラーニングイベント、SORACOM Technology Camp 2018に参加しています。
この記事は、トラックBセッションの2つ目、「通信モジュール内蔵デバイス制作のための心構え」の聴講レポートです。
スライドはこちら。
セッション概要
IoTで無くてはならないもの。それが "Things" すなわちモノです。Arduino や Raspberry Pi といったプロトタイプ向けデバイスが入手しやすくなった現代において、試作デバイスを作るというハードルは極めて低くなったと言えます。 しかしながら、IoTを本格的に業務や生活に役立てようとしたときに立ちはだかるハードルが「量産化」です。 試作と量産の違いはどこにあるのか?量産に役立つ試作品の作り方は?量産出荷後のアフターフォローは?IoTビジネスに直結するノウハウを余すところなくご紹介します。
株式会社ソラコム 事業開発マネージャー 高橋 範 /taka
レポート
アジェンダ
- ソラコムの提供するリファレンスデバイスと意図
- 「量産化」のための心構え
- エコシステムの活用
ソラコムの提供するリファレンスデバイスと意図
- IoTとは
- ものやことをデジタル化する技術
- SOrAcomはIoTの面倒なことを解決
- その1つとして
- SORACOM Air
- 各種デバイス群
- Wio 3G SORACOM Editionの発表
- グローバルむけ3G/GSMモジュール搭載
- チップ型SIMを搭載
- 技適も通っている
- Wio LTE(国内向け)からの変更点
- MCUを高性能化/メモリ容量増
- バッテリーコネクタ変更
- グローバルむけユーザコンソール内で販売
- 注意事項:解約(Terminate)すると再度利用することができません。
- 扱いとしてはデバイス付きSIMのイメージ
- 不要な時は「利用中断中」を検討
リファレンスデバイス
- Wio LTE JP Version
- Wio 3G SORACOM Edition
- 日本むけ3G USBドングル
- グローバルむけ3G/GSMドングル
- PCI Express Mini Card型
- グローバルむけ/日本むけ
- アンテナ同梱の開発ボード
使い方
- ビジネスのスケールに合わせる
- 開発時:Mini PCIe + 開発ボード
- 試作時:Mini PCIe
- 量産時:実装タイプ
なぜSORACOMがWioを提供するか
- セルラー搭載型マイコンボードでプロトタイピングの敷居下げる
- オープンな製品を提供することで、IoTのプロトタイプから量産への障壁を下げるように
- CADデータ、図面が公開されている
- Wio + Groveモジュールの構成はそのまま量産できる
- 回路図等を元に、必要な形で生産できる
- 情報がオープンなためカスタマイズコストが低い
「量産化」のための心構え
ここから「通信モジュール内臓デバイス政策のための心構え」ということでSeeedの坪井さんにバトンタッチ
- Groveシリーズといったマイコンボードを作成している
- 「オープンソースハードウェア」と言われる製品
- 試作サービス(Fusion)を提供
Fusion
- オープンソースのデータを元にFusionで試作ができる
- 回路図/基板データが公開されている
- CADが操作できない/したくないソフトウェアエンジニア
- -> ODMサービス CADを必要しない、カスタマイズした試作をするサービス
- 抑えるポイント
- Seeed製品で既にPoCができていること
- 予算感
- 筐体の要・不要
- 納期(2ヶ月〜)
- 数量(部材調達)
- 個別のソフトウェア開発は原則していない
- 想定しているユースケース(保証の範囲、品質レベルに関わる)
- サポート体制、使用場所(認証の要否に関わる)
試作と量産は違う
- 1個と100個では違う
- ハードの量産は「ノウハウ」。これくらいなら問題ないという「感覚」
- 今の大手メーカーは失敗が許容される時代に失敗して「ノウハウ」を積み重ねることができた
- 例えば、部品の距離や間隔
量産に役立つ試作
- 量産したいものにできるだけ近づける
- バッテリ運用なら、できるだけ省電力に
- 同じ部品を使う
- 供給安定性を常に意識しながら部品を選定
- よい部品でも、10000個手に入る部品でなければ意味がない
- 要は「再現性」が大事
量産サービス:Propagate
- 抑えていただきたいポイント
- Seeed製品で既にPoCができていること(実現可能なモノであること)
- 予算感($20,000 - )
- 筐体の要・不要
- 納期(3ヶ月〜)
- 数量(部材調達)
- 個別のソフトウェア開発は原則していない
- 想定しているユースケース(保証の範囲、品質レベルに関わる)
- サポート体制、使用場所(認証の要否に関わる)
ここから、ソラコム高橋さんに戻ります
施策と量産の違いはどこにあるの?
- 製品のコストを下げるために同じ規格の商品を大量に作る
- 「プロトタイプ」を作ることはとても重要
- どういうこと?
- 部品には「ばらつき」がある
- そのまま「量産」すると品質がバラバラになります
- どうするか?
- 例えば、マイコンを追加することでコストは上がるが歩留まりはよくなる
- 他にも「製品・部品のライフサイクル(提供期間)」「動作環境」等を意識する必要もある
- 出荷後のアフターフォrーは?
- 利用シーンを意識しておく 人が操作するか、無人・遠隔地か
- 設置環境がオフィスとは違う 電源の瞬断や電圧低下があることも
- セルラー通信は「手軽」だが「確実」ではない
- 冬は通信できるのに夏は通信できない(樹木の葉が影響)
- 毎日、同じ時間に通信できないことが多い -> フェリーが通るため
- ベストプラクティスガイドとして公開
エコシステムの活用
- SORACOM Inventory のPublic Beta開始!
- LWM2Mでデバイス管理ができる
- ビジネス上の困りごともSORACOMで
- SORACOM Partner Space
- それぞれ得意な領域をカバーするパートナー
- 次のステップは?
- SORACOMやクラウドを使う
- いますぐ使い始めることができます。
- ムック本で自習
- イベントへの参加
まとめ
ITシステムの開発とは異なる、デバイス開発・量産の考慮点がとても参考になりました!