Auroraのバックアップの課金体系についてまとめてみた

Auroraのバックアップの課金体系についてまとめてみた

Clock Icon2024.03.12

こんにちはカスタマーソリューション部のこーへいです!

Amazon Aurora バックアップストレージの使用状況を確認するではAuroraのバックアップに関する料金について詳細に記述されています。

Auroraには大きく自動(連続)バックアップとスナップショットの2種類のバックアップ(バックトラックは今回は対象外で)がありますが、ドキュメントを読むだけでは難しい箇所もあると感じたので今回バックアップの課金体系についてわかりやすく解説します。

絵でまとめ

自動バックアップについて(こちらの例を元に図おこし)

手動スナップショットについて

Auroraのバックアップについて

大きく自動バックアップと手動スナップショットの2種類が存在します。

それぞれの役割についての理解は上記記事がわかりやすいです。

自動バックアップとは

Aurora は、クラスターボリュームを自動的にバックアップし、バックアップ保持期間中、復元データを保持します。Aurora の自動バックアップは連続的かつ増分的であるため、バックアップ保持期間内の任意の時点にすばやく復元できます。

Aurora DB クラスターのバックアップと復元の概要より

指定した日時にまで(1~35日)データベースの状態を元に戻すことができる機能です。

Auroraを構築するときのここで設定する部分です。

手動スナップショットとは

データ保持期間を超えたバックアップを保持する場合は、クラスターボリュームの中にもデータのスナップショットを作成できます。

Aurora DB クラスターのバックアップと復元の概要より

自動バックアップの保持期間を過ぎても特定のポイントに戻したい場合は、手動スナップショットを取得し保存する必要があります。

手動スナップショットとは何ですか?
手動スナップショットは、次の条件のいずれかが当てはまるスナップショットです。
ユーザーによって手動でリクエストされた
AWS Backup などの自動バックアップサービスによって撮られた
保持期間外に保存するために自動システムスナップショットからコピーされた

よくある質問より

手動スナップショットの定義は上記となります。

料金について

バックアップストレージコストを知る

Amazon Aurora の料金より

バックアップ(自動バックアップと手動スナップショット)にはバックアップストレージコストと呼ばれるバックアップのストレージ量に関する料金が発生します。

東京リージョンでは2024年3月時点で、毎月USD0.023/GBかかります。

ここで勘違いしてはいけないのは、自動バックアップのストレージ量まるごとが課金対象ではないということです。例えば手動スナップショットは取得しておらず、自動バックアップの総量が235GBという状況の場合、235*0.023=約5.4ドルかかる訳ではありません。

実際の費用を計算するために無料使用量の概念を抑える必要があります。

無料使用量を知る

Aurora では無料のバックアップ使用量も用意されています。この無料使用量は、(VolumeBytesUsed Amazon CloudWatch メトリクスで表される) 最新のクラスターボリュームサイズと同じです。

上記のメトリクスを確認すると実感しやすいですが、要は現在Aurora DB クラスターで使用されているストレージ量がそのまま無料使用量として計算されるということです。

例として、自動バックアップの総量が235GBで、Aurora DB クラスターで使用されているストレージ量が200GBの場合だと、無料使用量もそのまま200GBとなるので課金対象のバックアップストレージが235-200の35GBが課金対象となる。

つまり35*0.023=約0.805ドルが課金されるという計算です。

参考:バックアップストレージ使用量の計算

手動スナップショットを取得する場合

Aurora は、自動バックアップ保持期間内のすべてのスナップショットについて無制限の無料ストレージを提供します。手動スナップショットが保持期間外になると、毎月 GB 単位で請求されます。

スナップショットストレージより

例として自動バックアップ期間を7日間としている場合、手動スナップショットは作成から7日間は無料で保持でき、7日目以降はスナップショットの容量に応じてバックアップストレージコストが追加されるということです。

で、私の環境は料金がいくらかかるの?

うちの環境ではいくら請求されるのってばよ!という方に向けてしっかりとAWSは以下のメトリクスを用意してくれています(参考)。

下記のメトリクスを確認すれば、環境別の料金も算出可能です。

  • TotalBackupStorageBilled
    • 特定のクラスターのすべての請求対象のバックアップ使用量
    • つまり、最終的にこちらのメトリクスがあればバックアップストレージコストを算出できる
  • BackupRetentionPeriodStorageUsed
    • 自動バックアップを保存するために現時点までに使用されたバックアップストレージの量
    • Aurora が提供する無料利用枠のバックアップ使用量は差し引かれていないことに注意
  • SnapshotStorageUsed
    • 自動バックアップの保持期間を超えて手動スナップショットを保存するために使用されたバックアップストレージの量
    • つまり手動スナップショットを取得している場合に考慮するメトリクス
  • VolumeBytesUsed
    • 自動バックアップにおける無料使用量
    • 現在Aurora DB クラスターで使用されているストレージ量

その他抑えておくと良さそうなところ

  • 保持期間が1日だけの自動バックアップについても料金はかからない

まとめ

自動バックアップも手動バックアップも本来そこまで料金体系は難しくないですが、どちらも無料で使用できる枠や期間があるため少し難しくなっています。

絵に起こしたことで割と思考が整理されたのでよかったです。

参考

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