Amazon RDS for Oracleのサポートとアップグレードについて
はじめに
こんにちは、yokatsukiです。先日立て続けに、
Amazon RDS for OracleのサポートはAWS、Oracleどちらが担当するの?
という確認事象が発生しました。確かによくある質問だと思いますので、簡単ではありますが共有したいと思います。
確認
早速確認してみました。参照したのは、Amazon RDS よくある質問のページです。
BYOL: このモデルでは、アクティブな Oracle サポートアカウントを継続してご使用いただけます。Oracle データベースの特定のサービスリクエストに関しては、直接 Oracle にご連絡ください。アクティブな AWS Premium Supportのアカウントをお持ちの場合は、Amazon RDS の特定の問題については、AWS Premium Supportにご連絡ください。Amazon Web Services と Oracle には、両方の組織からの援助が必要な場合のために、マルチベンダーサポートプロセスがあります。
ライセンス込み: このモデルでは、アクティブな AWS Premium Supportのアカウントをお持ちの場合は、Amazon RDS と Oracle データベース両方の特定のサービスリクエストに関しては、AWS Premium Supportにお問い合わせください。
Q: Amazon RDS for Oracle はどのようにサポートされていますか?
どうやらBYOLでは、Oracle Databaseの部分とRDS固有の部分を切り分けて、それぞれのサポートに問い合わせる必要があるようです。一方、Standard Edition Oneで選択できるライセンス込みのモデルの場合、全てをAWSサポート(AWS Premium Support)に問い合わせできるようです。
アップグレード(バージョンアップ)について
ついでにサポートと共にアップグレードも気になる人は気になると思うので確認しました。ちなみにここで言うアップグレードとは、PSR(Patch Set Relase)の適用レベルではなく、11g → 12cのようなメジャーバージョンアップの事を指しています。PSR適用レベルの変更は、管理コンソールからいつでも実施することが可能です(※データベースのシャットダウンが発生します)。
Oracleはサポート契約の中にバージョンアップの権利を含んでいるので、サポート契約を締結している場合は、アップグレードの為の追加費用は発生しません。ただし、アップグレード前のライセンスとアップグレード後のライセンスが重複して使われないように気をつける必要があります。参考リンク
Oracle Databaseは、様々なアップグレードの方法を取ることができます。
- DataBase Upgrade Assistant(DBUA)
- コマンドライン・アップグレード
- フル・トランスポータブル・エクスポート/インポート
- トランスポータブル表領域
- Data Pump(expdp/impdp)
- 旧エクスポート/インポートユーティリティ(exp/imp)
しかし、Amazon RDS for Oracleではソフトウェアのインストールができない、データファイルの操作ができない等の制限があるので、残念ながらこれらの機能の大部分は使えません。現実的には、旧来のexp/impもしくはData Pumpを使ったエクスポート/インポートになります。
RDSにおけるデータの移行方法については、AWSのドキュメントや、OTN(Oracle Technology Network)のドキュメントを参照なさってください。
まとめ
サポート
RDS Oracleのサポート窓口は、結論として以下になります。非常にシンプルですね。
- ライセンス込みの場合はAWS Premium Support
- BYOLの場合は、利用者がOracleサポートとAWS Premium Supportで切り分け
アップグレード
アップグレードに関しては、以下がポイントです。
- アップグレード料金はサポート契約に含まれる
- PSR適用レベルは管理コンソールから実施
- メジャーバージョンアップレベルは新データベース作成&データ移行で対応
いずれも、トラブルを未然に防ぐ意味でシステムの要件に応じて適切な契約を結んでおくことは、言うまでもないと思います。 それでは、また。