Tableau Serverのインプレースアップグレード手順のご紹介!

2022.01.24

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちは、まつおかです。
今回はTableau Serverのアップグレードを実施した際の手順をご紹介します。
Tableau Serverのアップグレード方法として、本番環境とは別に新しいインスタンスを立ち上げ新バージョンのTableau Serverをインストールし、本番のコンテンツを移行した上で本番環境を新しいインスタンスに切り替える ブルーグリーンデプロイメント という方法があるのですが、今回は大きな変更のない同じバージョン内でのLog4j 脆弱性の対応バージョンへアップグレードということもあり、運用中のインスタンスを更新する インプレースアップグレード を実施しました。

バージョン

  • アップグレード前:2020.4.8(ビルド番号:20204.21.0818.1952)
  • アップグレード後:2020.4.13(ビルド番号:20204.21.1217.2244)

Tableau Serverはこちらからダウンロードが可能です。
たくさんのバージョンが並んでいますが、現在は各バージョンにおいてLog4j 脆弱性の対応がされているもののみダウンロード可能な状態となっています。
まずはこちらからアップグレード対象バージョンのインストーラーをダウンロードしてください。

ちなみに、今回アップグレード対象のTableau ServerはAWS EC2上のWindows Serverにインストールされているものとなります。

手順

アップグレード手順は以下となります。
手順数が少ないので楽勝っぽいですが、ちゃんと手順を踏めば楽勝です!

  1. バックアップ取得
  2. Tableau Server停止
  3. アップグレード
  4. Tableau Server起動

では順に見ていきましょう!

1. バックアップ取得

まずはアップグレード時に必須となるバックアップを取得します。
バックアップはtsmコマンド(maintenance backup)を使用し取得することができます。

今回アップグレード対象のTableau Serverでは、バックアップとログのクリーンナップを実施するスクリプトを用意し、タスクスケジューラにて毎日定時に起動されるよう仕込んでありましたので、このスクリプトを手動で実行しバックアップを取得しました。
取得したバックアップがAWSのS3にアップロードされるというステキスクリプトです!

さらに今回は、念には念をということでTableau Serverのバックアップに加えインスタンスのスナップショットも作成してから挑みました。

2. Tableau Server停止

Tableau Serverアップグレード時、新しいバージョンをインストールした後アップグレードスクリプトを実行して完了となります。
インストール自体はTableau Serverを起動した状態で実施が可能なのですが、アップグレードスクリプト実行時はServerの停止が必要となります。停止していない場合は途中で停止するよう通知があるのですが、あたふたしないためにもインストール前に停止しておくことオススメします。
Tableau Serverの停止は2種類の方法があります。

  • TSM Web UIで停止する場合
    画面右上のプルダウンから停止することができます。

  • コマンドラインで停止する場合
    以下のコマンド(tsm stop)を実行することで停止することができます。

    C:\Users\Administrator>tsm stop

3. アップグレード

さていよいよアップグレードです。
と言ってもなんてことない、事前にダウンロードしていたアップグレード対象バージョンのインストーラーを実行すればOKです。
・・・なのですが、1点注意点としてServerのハードウェアが最低限の推奨事項を満たしているか事前に確認しておく必要があります。

満たしていない場合はインストーラー実行後に「最小システム要件満たしてないよー」といったメッセージが出てインストールを中止することになります。無理に実行されることはありませんので、その点はご安心ください。

私も検証中に要件を満たしておらずメッセージが出たことがあったのですが、こんなときもAWSのEC2で構築したインスタンスは簡単にディスクサイズを増やせて超便利!(ただ、一度変更すると次回変更できるまでに6時間空ける必要がありますので、ちゃんとサイズを確認してから変更しないと私みたいに作業が次の日まで持ち越しみたいなことになりますw)

ハードウェアの最小条件を満たした上で、インストーラーをダブルクリックし実行します。

しばらくすると先程も少し触れた、アップグレードスクリプトの実行のメッセージが表示されますので、「アップグレードスクリプトを自動実行します」にチェックを入れOKをクリックします。

するとスクリプト実行画面が表示され何やらいろいろログが流れます。ここは少し長くてちょっと心配になるポイントですがとにかく待ちます。
今回はインストーラー実行からスクリプト実行確認メッセージが出るまでが約3分、その後スクリプトが終わるまでに30分程度かかりました。

実は検証中、スクリプトのログが文字化けしていてプチパニックになりました。。。
おそらくWindows Serverの言語設定によるものだと思うのですが、何が表示されているのかもわからず焦りましたが、英語はちゃんと表示されるのでエラーが起こっていれば読み取れるはずです(今となってはそう思える)。文字化けが起きても落ち着いて処理が終わるのを待ちましょう!

こんな感じでスクリプトは実行されます。

処理が完了すると最後に以下のメッセージが表示され、TSMへのサインイン画面が表示されますので、サインインしてください。

Tableau Server has been upgraded to version 20204.21.1217.2244.
If the TSM sign in page does not open automatically, open a browser and go to: https://localhost:8850 to sign in to TSM.

4. Tableau Server起動

最後は停止していたTableau Serverを起動します。
停止時と同様、TSM Web UIもしくはコマンドラインから起動してください。

  • TSM Web UIで起動する場合

  • コマンドラインで起動する場合

    C:\Users\Administrator>tsm start

Tableau Serverの起動も少し時間がかかります。
焦らず騒がず待ちましょう!

正常に起動したことを確認できたら、あとはダッシュボードの閲覧など問題なく動作しているかの確認をし、作業は終了となります。

さいごに

以上、Tableau Serverのインプレースアップグレードの手順についてのご紹介でした。

Server触るとかコワイですよね。。。
でも大丈夫。
ちゃんと手順を踏んで行えば、きっとうまくいきます!