[レポート]第4回 流通・小売・消費財業界 ユーザー会(Meetup) #tableau

2019.02.07

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DI部の川崎です。
Tableauの業界カットのミートアップシリーズ、「第4回 流通・小売・消費財業界 ユーザー会」が開催されましたので、レポートいたします。

アジェンダ

Tableauマッピング ソリューション特集

  • (1) ソリューション:Tableauで簡単エリアマーケティング (ゼンリンジオインテリジェンス/長尾さん、ゼンリンデータコム/山田さん)
  • (2) ハンズオン:Tableau マッピング機能ハンズオン (Tableau Japan/芦谷さん)
  • (3) 事例:Tableau Conference 2018 New Orleansより - 流通・小売・消費財セッションのダイジェスト (伊藤忠テクノソリューションズ/小塚さん)
  • (4) 懇親会

発表資料

既にミートアップの議事録が「Tableau Community Forums」にアップされています。発表資料も掲載されていますので、そちらからご覧ください。(ページ末尾に発表資料の掲載があります)

第4回 流通・小売・消費財業界 ユーザー会 議事録 (2019/01/30)

(1) ソリューション:Tableauで簡単エリアマーケティング

ゼンリンジオインテリジェンス 長尾さんのセッション

  • 会社紹介
    • ゼンリングループ
      • ゼンリンジオインテリジェンス
        •  5つの分野
          • サポート&アウトソーシング
          • クラウドサービス
          • データベース
          • ソフトウェア
          • アドバタイジング

  • 丁寧にフィージビリティを行った

  • アウトソーシング業務のステップ
    • 事前打ち合わせ→データのお預かり→分析仕様打ち合わせ→データ分析→レポートのご納品

  • 店舗ごとの商圏レポート作成
    • 店舗が100も200もあると大変
    • フィルタ切り替えで対応できるようになり、喜ばれた

  • エリアマーケティングの柱は大きく2つ
    • 出店計画
      • 出店計画を作成する際の商圏分析
    • 販売促進
      • チラシ
      • お客さんがどのあたりからきてる?
  • これまでは、GISがないとできなかった

  • エリアマーケティングの主要な分析は、階層構造になっている
    • 詳細な背景地図
    • ジオコーディング
    • 統計データ利用
    • 高度な空間演算

  • 当初、バージョン8.0の頃は、相当大変だった
  • 10.2
    • 空間データ
      • シェープファイル
      • マップインフォ
  • 2018.2
    • 7桁郵便番号
  • 2018.3
    • ESRIジオデータベース
    • 非常に進化

  • データの取得
    • 有償で販売
    • 無償のオープンデータ

  • 事例:漫画喫茶の出店
    • 漫画喫茶の出店計画担当者になった想定で、実際のTableauでできるエリアマーケティング手法を紹介
    • ターゲット層:30~40代男性
    • エリア:八王子、多摩地域、と仮定

  • 2種類のターゲット層
    • もともと住んでる人(静的な統計データ)
      • 国勢調査
    • 移動して来た人(動的な統計データ)
      • 携帯電話の位置情報

 

  • ターゲットエリア選定
    • 八王子、多摩エリアのターゲット人口が多いエリア
    • 二重軸で見る

  • 二重軸で、ターゲット層の居住地域と、既存店舗を重ねて表示し、新規出店の候補地を分析
    • 30~40代が多く住んでいる地域
      • メッシュの色塗りマップで表示
    • 既存店舗
      • ポイントデータで表示
  • ターゲット層の多い八王子には、多数の店舗が存在
  • 一方、多摩センター駅付近は、店舗が少ない

  • Tableauで、手軽に位置情報を活用した分析が可能に

ゼンリンデータコム 山田さんのセッション

  • 移動して来た人(動的な統計データ)の分析

  • 携帯GPSデータから推計される、時間帯別人口推計
    • 生きているGPSデータ
  • 早朝から深夜までの推移

 

  • ターゲット層(男性、30〜40代)の、ターゲット時間帯(9時〜21時)でのエリア分布
    • 画面右側に「サンリオピューロランド」があり、その周辺が赤く(=人口が多い)なっているが、親子連れやカップルが多いであろうことを考慮すると、多摩センター駅の南側のエリアが候補ではないか
  • このように生きているGPSデータを基に、鮮度が高い仮説を立てることができる

 

  • 単に店舗ごとの売上を比較するだけでなく、
    • 売上が高い店舗でも、大量のターゲットの存在があれば、まだ売上の余地がありそう
    • 低い売上でも、ターゲットが少ない中で、よくがんばっている
  • 商圏分析の最適化

  • まとめ
    •  静的データと動的データの両方を使うことで、最適なエリアマーケティングが可能に

 

(2)ハンズオン:Tableau マッピング機能ハンズオン

はじめに

  •  はじめに
    • 辞書で「map」を調べると、1 地図、2 図解、3 写像、、
      • 狭義のmap=「地図」
      • 広義のmap=「図解」

  • 「tableau map」で画像検索
    • 眺めてるだけでも、可能性を感じられる

今回のハンズオンは、マップ機能を体系的に理解できるような内容を目指した。

Visual Vocabulary

に、Spatial (空間)のカテゴリがある。

  • Spatial のリンクを開くと、
    • 色塗りマップ
    • シンボル(記号)マップ
      • ロゴ、アイコンを表示する
    • 様々な表現が、とても参考になる

Tableau マップ機能 どこまでご存知ですか?

  • Tableauの「マップ」メニュー
    • 体系をお伝えして、スキルの底上げのお手伝いをしたい
      • バックグランドマップ
      • 背景イメージ
      • ジオコーディング
      • マップレイヤー
  • 主要な機能を網羅できるように、できるだけかぶりがないように、テキストを作成した
  • 「マップ」のWebinarもご利用いただける

トピックス

  • ハンズオンA
    • 基本中の基本の部分と、二重軸
    • 二重軸は、レイヤー的に重ね合わせ
  • ハンズオンB
    • バックグランドマップ
      • デフォルトのマップは、味気ない
      • ゼンリンさんのマップ
        • カーナビ向けも提供されていて、見た目がカッコいい
        • 有料/無料の選択肢、差し替えて利用可能
  • ハンズオンC
    • 背景イメージ
      • 単に緯度経度でなく、カスタム座標系
      • 流通小売消費財のケースでは、店舗の中、倉庫の中の回遊状況
      • IoT的な、人の動線、物流の可視化
      • 本格的に話すと、軽く1〜2時間の尺になるボリュームがある
  • ハンズオンD
    • ジオコード
      • 奥が深い
      • 都道府県のマッピング、市町村、何丁目
  • ハンズオンE
    • 空間データの結合
      • 最近のアップデートで、空間データに対応
  • ハンズオンF
    • 日本のジオコーディングデータの更新と追加
      • 長らく、7桁の郵便番号に対する要望が強かった
  • ハンズオンG
    • ヒートマップ
      • 重なりがわかりづらいプロットに対応する
      • 2018.3 で対応
  • 時間の関係で、E〜Fは割愛させていただく
  • 資料は後ほど共有します

すべての始まりは、座標データから

  • 左は、サンプルVizの「ゴジラ」、緯度経度のデータを使用
  • 右は、「背景イメージ」機能を利用した例

  • 実は、Tableau Publicの内容が埋め込まれている
    • 緯度経度ではない、動線(球の動き)
    • スポーツIoTの事例
    • データを取りやすい、ゴルフ、テニスなどは盛り上がってる
  • 卓球も、データが取れていて、この例のように可視化できる
    • カスタム座標系

ハンズオンA 地理的役割と二重軸表現

  • ここから、実際にハンズオンスタート

  • A1 地理的役割によるジオコーディング(都道府県、市区町村)
    • おまじない「地理的役割」
    • 「都道府県」のフィールドを右クリックして、「地理的役割」なし→「都道府県/州」に変更
      • 地球儀のマークが表示される

  • シェルフに「都道府県」をドロップ
    • 「経度(生成)」「緯度(生成)」
    • 地理的役割「都道府県」の緯度経度データを、Tableauが内部で持ってる
  • 全部の地名のデータを持てるわけではない
    • 不足する場合は、ジオコーディングの各種サービスをご利用ください
  • 「市区町村」のはまりどころ
    • 地理的役割としては、「郡」を選択する
    • 色塗りマップで、適切に表示されるようになる

  • 「1ヶ所が不明」(画面右下)
    • 場所の編集
      • 「松前町」が「あいまい」(北海道と愛媛県の両方に「松前町」が存在するため)
    • 都道府県と市区町村を階層として設定すると、「不明」を除去し、きれいに整理できる
  • ジオコーディング完成
  • Tableau 2018.2
    • 7桁の郵便番号が表す日本全国 14万を超える地点を視覚化可能に
    • ポイントデータ
    • ビルのフロアにも対応
  • A2 マップの種類(ポリゴン/色塗りマップ、ポイント/記号マップ)

  • 左側:記号マップ
  • 右側:色塗りマップ

  • A3 マップ上の基本表現(シンボル、サイズ)
    • TIPS
      • 記号マップ
        • 色を選ぶ、不透明度下げる、枠線
        • サイズを変更する
      • きれいにわかりやすく
  • A4 マップ上の基本操作(選択、ズーム、パン、検索、測距、地図のオプション)
    • 地図を表示しただけでは分析にならないので、売上を重ねてみます。

  • 各種ツールのご紹介
    • ズームエリア、パン、矩形選択、円形選択、投げ縄選択
      •  ズームイン、ズームアウト
        • マウスのホイールで拡大、縮小
      • 矩形選択、円形選択
        • オブジェクトを選択する
        • 円の大きさ
          • 距離が表示されるので、100キロ圏などの選択が可能
          • 距離を表示する方法 → 地図のオプション「マップスケールの表示」オプションでも表示可能
        • 投げ縄ツール
      • 元のスケールに戻りたい(元に戻したい)場合 → マップをリセットする
        • マップをリセットする(fix map/ reset map)

  • A5 二重軸による擬似レイヤー表現(都道府県の売上+市区町村の売上)

  • Ctrlキー(Windowsの場合。MacはCommandキー)を押しながら、「緯度(生成)」を右側にコピー
    • 疑似レイヤー
  • 個別にマークを調整
  • 右の「緯度(生成)」をクリックして「二重軸」を選択
    • 重なりの順序に注意

マップ活用のための機能要素

  • ハンズオンB バックグランドマップ
  • ハンズオンC 背景イメージ
  • ハンズオンD ジオコーディング

ハンズオンB バックグランドマップ

  • バックグランドマップ
    • 「オフライン」
      • あるレベルまでは、オフラインの地図データを持っている
      • 非常手段としては使える
    • とはいえ、デフォルトのOpenStreetMap前提

  • OpenStreetMapのオプション設定
    • 「マップレイヤー」メニュー
      • スタイル:暗い
        • コントラストが高く見やすい
      • 境界
      • 海岸線
      • 街路
  • ゼンリンさんの地図データは、足で稼いでいらっしゃるだけあり、高品質
    • 有償サービスの価値がある
  • [マップ]-[バックグランドマップ]-[マップサービス]メニュー
    • [追加]-「WMSサーバー」/「Mapboxマップ」
      • WMSサーバー(URL指定)
        • WMS:Web Map Service
      • Mapboxマップ

  • Mapboxマップ(2種類)
    • Mapbox GL マップ ←新しい
    • クラシック
  • クラシックはプリセットから選択
    • 例:Pirates (海賊風地図)

  • Mapbox GL マップ
    • Mapboxのアカウントが必要(無償/有償、フリーミアムモデル)
      • 可能性が広がる地図のバリエーション
      • 奥深く、面白い
  • マップソースのインポート
    • [マップサービス]-[インポート]
      • TMS(Tableau Map Service) 構成ファイルを作成
      • 例:国土地理院.tms
        • おなじみの地理院地図

国土地理院.tmsの内容:

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
 <mapsource inline="false" version="8.1">
 <connection class="OpenStreetMap" port="80" server="http://cyberjapandata.gsi.go.jp" url-format="/xyz/std/{Z}/{X}/{Y}.png" />
 <layers>
 <layer display-name='Base' name='base' show-ui='false' type='features' request-string='/' />
 </layers>
 </mapsource>
  • 日本のデータレイヤー(統計データ)は未提供

ハンズオンC 背景イメージ

  • ハンズオン用データセットの中のサンプル
    • 画像ファイルと、hyperファイル
    • 「First 100 Goals.hyper」ファイルをTableauのウィンドウにドロップする

  • データソースには、カスタム座標系のX軸、Y軸の列がある

  • 画像を指定
  • X軸 → 左:0、右:100 を指定
  • Y軸 → 下:0、上:100 を指定

  • メジャーの「x」フィールドを列シェルフに、「y」フィールドを行シェルフにドロップ
    • goal_numberを「詳細」にドロップ
    • X軸、Y軸のそれぞれで「軸の編集」で、「自動」→「固定」(開始値:0、終了値:100)
      • 「ヘッダーの表示」をオフに → 目盛りを非表示に
  • 動線分析、回遊分析ができる
  • 「ページ」
    • ページを使って、アニメーションさせる
    • サンプルワークブック「日本分析」の「ゴジラ」タブの例

ハンズオンD ジオコーディング

  • 地理的役割 → Tableau内部データの緯度経度を取得可能
    • (→ A1 地理的役割によるジオコーディング(都道府県、市区町村))
  • 内部データが無い場合
    • マップでの認識できない場所のプロット
    • データソースから緯度経度を取得 → カスタム緯度経度
    • 例:山手線の駅

  • D1 山手線 駅別乗降客数(データソースから緯度経度を取得、カスタム緯度・経度)
    • 位置データが入った CSV ファイルを作成する
      • 列の名前が地理的役割を定義
    • schema.ini ファイルの作成(オプション)

  • 1つ目のデータソース
    • 山手線-駅別日乗降客数.xlsx

  • 2つ目のデータソース
    •  山手線の駅.csv
  • Tips
    • 列名「Latitude」「Longitude」は自動で認識される

  • キー(「駅名」)で結合

  • 山手線の路線図の絵が描ける

  • 「駅名」と「乗降客数」をVizに追加

  • D2 山手線 駅別乗降客数(カスタムジオコーディング、カスタム形状、生成された緯度・経度)
    • schema.ini ファイルの作成
      • schema.ini ファイルを、CSVファイルと同じフォルダに保存
      • [マップ]-[ジオコーディング]-[カスタムジオコーディングのインポート]メニューからインポート

  • インポート実行
    • 多少時間がかかる
      • 完了すると、「地理的役割」に「山手線の駅」が追加される
        • 地理的役割「山手線の駅」の配下に、schema.iniで指定した「駅コード」「駅名」が追加される

  • カスタム形状(カスタムシェイプ)の例

  • 「マイTableauリポジトリ > 形状」フォルダの配下に、(任意の名前で)フォルダを作成し、山手線の画像ファイルを配置
    • ディメンションフィールドの[既定のプロパティ]-[形状]の画面で、山手線の画像ファイルを指定
      • 「形状の再読み込み」ボタンをクリックすると、先ほど作成したフォルダが認識される
  • ディメンションフィールドの[既定のプロパティ]-[形状]を選択し、「形状パレットの選択」の選択肢の中から、先ほどの画像ファイルを指定する

  • 完成したViz

最近のアップデート

  • 以下の3つ(最近のアップデート)は、時間の都合で割愛となりました。(アップデートについては、口頭でご説明いただきました)
    • ハンズオンE 空間データの結合
    • ハンズオンF 日本のジオコーディングデータの更新と追加
    • ハンズオンG ヒートマップ

(3)事例:Tableau Conference 2018 New Orleansより - 流通・小売・消費財セッションのダイジェスト

  • 伊藤忠テクノソリューションズの小塚さん
    • Tableau Conference 2018 の流通・小売・消費財セッションの内容を、ダイジェストでご紹介いただいた

  • Johnson&Johnson社
    • (本ミートアップの1回目も、日本のJohnson&Johnsonの方に発表していただいた)
    • 45000ユーザー
    • 月次でTableauユーザーイベントを開催
    • プリアテンティブ・アトリビュート:視覚属性の効果的な活用
    • ベストプラクティス共有

  • PepsiCo社
    • コミュニティポータル
    • ベストプラクティス共有
    • パフォーマンスガイドライン

  • Cargill社
    • 人が重要
    • 1時間以内にサポートが得られるコンサルメニュー
    • 4時間スロットで、課題のレビュー、プロトタイピング、セルフ分析を教えてコーチングメニュー
    • チャットやWiki活用で、縦割り文化打破

小塚さんセッションのまとめ

  • Tableauユーザーをひとりぼっちにしない
  • バックアップ支援体制
  • LOBとITの連携
  • Tableau Conference 2019はラスベガスで開催予定!

まとめ

「Tableauマッピング ソリューション特集」ということで、地図分野の老舗、ゼンリンさんにも発表していただき、Tableauの地図機能を体系的に理解することができたミートアップだったと思います。
個人的には、芦谷さんの「マッピング機能ハンズオン」が、全体を網羅しながら、これまで知らなかった機能についても知ることができ、非常に充実した内容だったと感じています。
毎回、内容盛りだくさんのミートアップに、次の機会もぜひ参加したいと思います。(次回 第5回は2019年4月頃の予定、とのこと)ミートアップの関係者の皆さま、参加者の皆さま、お疲れさまでした!