Tableau Resource monitoring tool をアップグレードする

Tableau Resource Monitoring Toolのアップグレード手順です。
2023.01.13

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Tableau Resource Monitoring Tool(以下、RMT)のアップグレード手順を記事としました。

前提条件

下記の環境で検証しています。
・Tableau Server Windows 2022.1.9
・Resource Monitoring Tool Master 2022.3.1
・Resource Monitoring Tool Agent 2022.3.1
・Windows Server 2019 (EC2)

RMTの構成要素であるPostgreSQL, RabbitMQ はRMTと同じサーバーでローカルに構成されています。
Tableau ServerとRMTの構成は、下記の記事の通りです。

EC2に Tableau Resource Monitoring Tool をインストールする | Developers IO

アップグレードの内容

ここでは、アップグレードに関するドキュメントの内容に従い、バージョンの更新を行います。
マスターとエージェントの両方を 2022.3.1 から 2022.3.2 に更新します。

アップグレード時の注意点

作業時の注意点を下記に列挙します。

作業時間
アップグレードの際に、サーバーの再起動が必要になる場合があるので、必要に応じて営業時間外で作業を行います。

作業ユーザーアカウント
Windows Serverの場合、元のインストールを実行したユーザーで作業を行います。
※異なるWindowsユーザーで更新版のインストーラーを実行すると、最初に使用したカスタム インストール ディレクトリがアップグレードによって検出されず、アップグレードが別のディレクトリにインストールされる可能性があります。本記事の検証では、Windows Server の管理者アカウントで実行しています。

内部データベースの変更がある場合
更新の内容によっては、内部データベースが変更される場合があります。そのような場合は、RMT サーバーの Web ページの上部に、プロセスを完了するための時間の見積もりと共にメッセージ バナーが表示されます。

バージョン
RMTのバージョンは、監視する Tableau Server のバージョン以降である必要があります。Tableau Server をアップグレードする際は、RMTを先にアップグレードすることが推奨されています。

Tableau Server との製品互換性

アップグレードの手順

RMTのアップグレード方法は、インプレースアップグレードが推奨されています。
RMTが稼働している状態から作業を行います。作業はマスターサーバーとエージェントサーバー両方で行います。

ここで、マスターサーバーは、RMTが稼働するサーバー、エージェントサーバーは Tableau Server が稼働している、エージェントがインストールされた監視対象のサーバーを指します。


インストーラーのダウンロード
こちらより、更新版のインストーラーを、マスターサーバーとエージェントサーバーにそれぞれダウンロードします。

マスターサーバーには、「Tabrmt-Master-」の名称が含まれるもの、エージェントサーバーには、「Tabrmt-Agent-」の名称が含まれるものをダウンロードすることになります。


エージェントの停止
エージェントサーバーで、管理者としてコマンドプロンプトやPowerShellを開き、下記のコマンドを実行し、RMTエージェントを停止します。

rmtadmin stop --agent

※RMTには、コマンドラインインターフェースが含まれており、それぞれインストール先の下記フォルダに含まれます。
マスターサーバー:\Tableau\Tableau Resource Monitoring Tool\Master
エージェントサーバー:\Tableau\Tableau Resource Monitoring Tool\Agent

rmtadmin コマンド ライン ユーティリティ

マスターの停止
マスターサーバーで管理者としてコマンドプロンプトやPowerShellを開き、下記のコマンドを実行し、RMTを停止します。

rmtadmin stop

コマンド実行後は、タスクマネージャー等でサービスが停止されていることを確認します。


マスターサーバーのアップグレード
はじめに、マスターサーバーで更新版のインストーラーを実行します。
すでにマスターをインストールしている状態で、更新版のインストーラーを実行すると、更新が検出され、画面下にアップグレード後のマスターのバージョンと、対応するエージェントバージョンの注意書きが追加表示されています。

次の画面では、既存のインストール先が表示されます。アップグレードの場合、インストール先を変更することはできません。

インストーラー実行後、自動的にツールが起動します。下記の通り、バージョンが変更されており、更新されていることが確認できました。


エージェントのアップグレード
マスターのアップグレード後、エージェントサーバーにて、エージェントのアップグレードを行います。
こちらも手順は同様で、更新版のエージェントのインストーラーを起動します。

マスターと同様に、アップグレードの場合、インストール先を変更することはできません。

2021.4 以降のエージェントでは、実行ユーザーを指定します。エージェントの実行ユーザーは Tableau Server の実行ユーザーと同一である必要があります。

なお、実行ユーザーアカウントとして既定のネットワークサービス以外を選択していた場合、下記の点に注意が必要です。

実行ユーザー アカウントには、現在 Tableau Server の実行ユーザーアカウントに使用しているものと同じアカウントを指定します。このアカウントが以前に既定のアカウント (NT AUTHORITY/ネットワーク サービス) ではなくカスタム ユーザー アカウントに設定されていた場合は、アップグレード プロセス中に、既定のアカウントを使用する設定に戻ります。インストール後に、rmtadminservice-setup コマンドを使用して、元のカスタム ユーザー アカウントに変更できます。

インストーラー実行後、エージェントも自動的に起動します。下記の通り、バージョンが変更されており、更新されていることが確認できました。

エージェントのアップグレードは、マスターサーバー側からも確認可能です。
管理者メニューより、対象の環境(エージェントがインストールされたサーバーのRMTでの名称)を選択し、サーバータブを開きます。ここでもエージェントのバージョンが表示されるので、エージェントを複数のノードにインストールしている場合は、すべてのノードでバージョンが一致するかなどの確認が可能です。

アップグレードの後のモニタリング

アップグレード完了後は、自動的にツールが起動するので、特に設定等は不要でモニタリングも開始されていることが確認できました。
下図は、サーバー・Tableau Server プロセスのパフォーマンスチャートですが、途中折れ線が途切れている箇所でアップグレード作業を行いました。過去の記録も保持されていることがわかります。

さいごに

Tableau Resource Monitoring Tool のアップグレードを実施してみました。ここでは、ドキュメント通り進めることで問題なくアップグレードできました。マスターサーバーとエージェントでの作業が必要になるので、Tableau Server も含めた各種バージョン間の互換性に注意して作業を進める必要があると感じました。
今回は以上になります。