SpotifyのプレイリストとTableauを利用して中森明菜の楽曲を分析する #tableau

SpotifyのプレイリストとTableauを利用して中森明菜の楽曲を分析する #tableau

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Clock Icon2018.07.07

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はじめに

こんにちは。大阪オフィス唯一のDI部メンバー、tamaです。

Spotifyというサービスは知っている方は多いと思います。月額で音楽が聴き放題なアレです。もちろん、私もヘビーユーザーです。そして、Spotifyにはプレイリストという機能があり、そこに好きな音楽を登録して、自分だけのプレイリストを作成して再生できる…ということも、知っている方が多いと思います。

しかし、そのSpotifyのプレイリストを利用して、楽曲の構成要素を知ることが出来るということは、あまり知られていないんじゃないでしょうか。

今回は、Spotifyのプレイリストに音楽を登録して、そこに登録した楽曲の要素データを取得し、Tableau Desktopで可視化してみたいと思います。

事前準備

環境

準備物

  • Spotifyのアカウント
  • 分析したいアーティスト
  • 分析するためのSpotifyプレイリスト

分析したい楽曲をプレイリストに登録する

では早速やっていきたいと思います。

まず、分析対象を決める必要があります。後でも説明が出てきますが、今回の方法で分析できるのは「プレイリストに登録した楽曲」となります。そこにどんな曲を登録するかで、分析できることも変わってきます。

で、唐突ですが、今回は「中森明菜の曲を分析する」ということにしたいと思います。

なぜ中森明菜なのか?それは日本史上最強の女性歌手だからです(個人の感想です)。

ということで、今回は中森明菜氏の楽曲を分析したいと思います。つまり、プレイリストに中森明菜の楽曲を片っ端から登録していきます。

こんな感じで登録していきます。プレイリストのアイコンが自動で作成されていますが、いやはや美しい…

ちなみに、先程「片っ端から登録する」とは言いましたが、今回登録する中森明菜の楽曲について、一定のルールを設けました。

  • 登録するのは「アルバム」だけとする。
    • シングルやコンピレーション等は登録しない。
  • 通常版とリマスター版が存在する場合は、リマスター版だけ登録する

いずれも、曲が必要以上にダブらないようにするためです。分析する内容によって、ここらへんはみなさんで変えてみてください。

Sort Your Musicにログインしてデータを取得する

プレイリストを作成したら、それはひとまず置いておいて、今度はSort Your Musicにアクセスして、Spotifyアカウントでログインします。

Sort Your Musicとは

このSort Your Musicとは何でしょうか。これはSpotifyが提供しているサービスで、ログインしたSpotifyアカウントに紐付いているプレイリストを読み込み、そこに登録された楽曲のデータを表示することができます。

このサービスの面白いところは、取得できるデータが独特なところです。曲名やリリース日は普通ですが、他にBPMや各種属性要素のようなもの(LOUDやACOUSTICなど)が取得できます。ですので、楽曲を分析する分にはすごい面白いサービスだと思います。

ちなみに、この楽曲に対する各種データは「Echo Nest」という企業のものです。Echo Nestは音楽のメタデータを解析する企業ですが、数年前にSpotifyに買収されました。それで、Spotifyはこういった楽曲データを手に入れることができたわけですね。

プレイリストの楽曲データを表示する

Sort Your Musicにログインすると、ログインしたアカウントに紐付いているプレイリストの一覧が出てきますので、今回作成したプレイリストを選びます。

すると、プレイリストに登録された楽曲のデータが表示されました!

先程述べた通り、いくつか独特な項目がありますね。先に内容を確認しておきましょう。

  • BPM
    • これはみなさんご存知だと思います。曲のテンポですね。(Beats Per Minute)
  • Energy
    • この値が高いほど、エネルギッシュな楽曲である…とのことです。
    • エネルギッシュとは「速い」「音が大きい」「騒々しい」といった要素が強いことになります。
    • ダイナミックレンジ、音の大きさ、音色、エントロピー(乱雑さ)に基づいて算出されています。
  • Danceability
    • この値が高いほど、踊りやすい楽曲である…とのことです。
    • テンポ、リズムの安定性、ビートの強さ、全体的な規則性などの要素の組み合わせに基づいて算出されています。
  • Loudness
    • 音の大きさになります。
    • この値が高いほど、その楽曲は「煩い」「喧しい」というた感じになります。
    • この値の範囲は-60〜0デシベルです。
  • Valence
    • この値が高いほど、その楽曲はポジティブといえます。
    • 逆に言うと、この値が低いほど、その曲はネガティブ(悲しみや怒りなど)な曲といえます。
  • Acoustic
    • この値が高いほど、その楽曲はアコースティック感が出てます。(なんじゃそれ)
  • Popularity
    • この値が高いほど、その楽曲は人気があるということです。
    • Spotifyの全アーティストと比較して算出されます。

データとして取得する

さて、データの内容について把握できたところで、これらをエクスポートしましょう。

…しかし、残念ながらSort Your Musicにはエクスポート機能がありません…。どうすれば…。

しょうがないので、ページを全選択してExcelにでも貼り付けましょう。余計な行さえ削除すれば、意外とキレイに貼り付けられます。

Tableau Desktopで可視化してみる

Excelに貼り付けたら、後はTableau Desktopで接続してみるだけですね。

とりあえず、適当に作成してみたのがこちらのダッシュボードになります。

各値の平均をサクっと確認

  • 全部で367曲
  • 楽曲全体の平均BPMが120前後でした。
  • ACOUSTICが低めな印象
    • アイドルということで、比較的打ち込み等のデジタル寄りな曲が多いのでしょうか
  • 意外にもPOPULARITYがすごく低い!
    • 「なぜ中森明菜ほどの歌姫がッッ」と一瞬動揺しました。
    • この「人気度」は、Spotify全体のアーティストと比較していることを踏まえると納得できます。
      • 洋楽が圧倒的に多いSpotifyでは、邦楽のPOPULARITYはたかが知れているということですね。
  • 個人的にLOUDはわかったところで、あまりどうでもいいかなという感想

今後、POPとLOUDは外して見ていくことにします。

各値の分布を見てみる

BPM

外れ値として「満月」という楽曲が現れました。中森明菜の楽曲最速ということで、勝手にブッちぎるくらい速い曲なのかと思ってましたが、決してそういう感じの曲ではなかったです。

曲の要素

分布的に、ACOUSTICが若干低めで、DANCEとENERGYが高めに見えます。中森明菜の初期は、「ツッパリ系」という、ポスト山口百恵的な、かっこいいアイドルという感じで売り出されました。ですので、比較的激しめの楽曲が多く、このような結果になったと私は思いました。ただ、キャリアの後期は、アイドルではなく1歌手として、色々なジャンルの音楽に挑戦していますので、全部DANCEやENERGYに寄っている…といった結果にはなっていません。

時代と要素の関係を見てみる

一番目立っている変化としては、2003年のACOUSTICの上昇でしょうか。これは、2003年にリリースした「歌姫3」というアルバムのせいですね。これはカバーアルバムで、往年の名歌謡曲をカバーするシリーズとなっています。ですので、必然的に楽曲のACOUSTICは高くなり、DANCEやENERGYといった要素は低くなっています。

1987年と2006年はVALENCEが高く、ポジティブな楽曲が揃っていると思われます。なんとあの名曲「DESIRE -情熱-」も入っています。

今回の注意点

色々と楽曲データを分析してみましたが、色々と解釈をしていく上で注意しておくべきことがあります。

  • 今回の楽曲はあくまでSpotifyに収録されている曲であるということ
  • 楽曲データに関しても、あくまでSpotify側が用意したものであるということ

Spotifyはあくまでイチサービスでしかないので、必ずしもそのアーティストの楽曲全てを網羅しているわけではありません。今回の中森明菜の場合も同じです。ですので、この方法を使って分析した結果が、必ずそのアーティスト全体を表すことになるとは限らないことに注意です。

また、ACOUSTICやBPMといったデータも、自分で計測したものではなく、あくまでSpotify側が用意したデータなので、本当に正しいのかどうかといった保証はありません。特にリリース日なんかは、たまに間違っていることがあるので(個人的な観測範囲内でありました。)、今回のようなリリース日に対する分析を行う場合が注意が必要です。

おわりに

今回はSpotifyのプレイリストを利用して楽曲データを取得して、それをTableau Desktopで分析する方法について見てきました。

今回のはほんの一例です。アルバム曲しか対象にしていなかったり、Spotifyに無い楽曲は分析できていなかったりします。また1アーティストしか対象にしてません。ぜひ皆さんも色々な楽曲で試してみてください。

今度洋楽編もやりたいと思いましたが、今回とやることが全く一緒なので意味なさそう…。

参考

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