オフィスや在宅環境でのAmazon Connectの接続品質を事前チェックできるツールを試してみた

オフィスや在宅環境でのAmazon Connectの接続品質を事前チェックできるツールを試してみた

Clock Icon2025.04.18

はじめに

ハイブリッドワークが一般的になった現在、オフィスや在宅など様々な環境でコンタクトセンター業務を行うケースが増えています。Amazon Connectのようなクラウドベースのコンタクトセンターソリューションは場所を選ばない柔軟性が魅力ですが、「自宅のWifi環境でも問題なく動作するのだろうか」という疑問を持つ方も多いでしょう。

AWSでは、Amazon Connect Endpoint Test Utilityという診断ツールを提供しています。このツールは環境評価や潜在的な接続問題の特定に役立ちます。今回は、実際に自宅のWifi環境でこのツールを試してみた結果をご紹介します。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/check-connectivity-tool.html

Amazon Connect Endpoint Test Utilityとは

このツールは、Amazon Connect Contact Control Panel (CCP)の導入前に環境の適合性を評価し、潜在的な接続問題を特定するための情報を提供します。テスト結果は計画や問題解決の参考として活用できます。

主に以下の項目をチェックします。

  • ブラウザのWebRTC対応状況
  • マイクやスピーカーなどのメディアデバイスへのアクセス権限
  • 各Amazon Connectリージョンへの接続レイテンシー
  • メディアストリームに必要なネットワーク接続の検証

これらの情報から、オフィスや在宅環境でAmazon Connectを利用する際の参考データを得ることができます。

試してみた

ツールはAmazon Connect Endpoint Test Utilityにアクセスするだけで利用できます。

https://tools.connect.aws/endpoint-test/

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インターフェースはシンプルで、以下の2つのオプションが選べます:

  • Amazon Connect Instance Url - すでにAmazon Connectインスタンスを持っている場合、そのURLを入力できます(任意)
  • Amazon Connect region(s) - テストしたいAmazon Connectのリージョンを選択できます(任意)

言語設定では、日本語は対応していませんでした。ログレベルは、いくつか選択できます。デフォルトはINFOです。

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今回は自宅のWifi環境で、特定のインスタンスは指定せず、すべてのリージョンを選択してテストを実行しました。

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テスト結果の詳細

クライアント環境情報

クライアントの環境が出力されました

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WebRTCの基本機能はすべて問題なく、マイク(6個検出)、カメラ(2個検出)、スピーカー(7個検出)へのアクセスも正常に確認できました。

テストが実行された場所の緯度と経度も出力されています。

レイテンシーテスト結果

各リージョンへのレイテンシーは以下の通りでした

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日本からテストしているため、日本からのアクセスでは東京リージョン(ap-northeast-1)とソウルリージョン(ap-northeast-2)が最も低いレイテンシーを示しました。

メディア接続テスト

すべてのリージョンでメディア接続テストも実施しましたが、特に問題は検出されませんでした。これは、使用されているブラウザで WebRTC がサポートされていることを示唆しています。

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テスト結果から選択するリージョン

テスト結果から、今回の環境からのアクセスでは、東京リージョン(ap-northeast-1)またはソウルリージョン(ap-northeast-2)を選択するのが低レイテンシーの観点から最適であることがわかりました。

また、事業継続性の観点からは、東京リージョンに問題が発生した場合、ソウルやシンガポールリージョンがバックアップ候補として検討できるでしょう。これらのリージョンも比較的良好なレイテンシー値を示しています。

注意点

このツールの結果は参考情報であり、以下の点に留意する必要があります

  • テスト結果は実施時の回線状況やネットワーク環境に依存します。同じ環境でも時間帯によって結果が変わる可能性があります。
  • ツールはあくまでも参考とし、実際のAmazon Connect環境のCCPを利用した検証も併せて行うこと

まとめ

Amazon Connect Endpoint Test Utilityは、オフィスや在宅など様々な環境でAmazon Connect利用を検討する際の参考情報を提供してくれる便利なツールです。
今回の自宅Wifi環境でのテストでは基本的な接続性に問題は見られませんでしたが、実際の導入にあたっては、Amazon Connect環境のCCPを利用した検証も併せて行うべきです。

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