[感想]「THE TEAM 5つの法則」を読んで。 〜仕事に限らず、チームで何かをしている人にオススメの本です〜

気になっていた「THE TEAM 5つの法則」を読んだので、簡単ですが感想を書きます。 「THE TEAM 5つの法則」では、チームに向き合う「法則」が述べられており、非常に面白くかつ興味深く読み進めることができました。
2019.04.24

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はじめに

サーバーレス開発部の藤井元貴です。

気になっていたTHE TEAM 5つの法則を読んだので、簡単ですが感想を書きます。(こういうの書くの初めてでドキドキ)

大小の規模はあれど、チームを組んで仕事やスポーツなどをしている人はたくさんいると思います。

「これは良いチームだ。みんなと一緒に働けて楽しい。」と思えるチームがある一方で、「このチームはなんか嫌だ。楽しくない。」と思ってしまうチームもあります。

個人的に、ダメな理由は言語化できても、良い理由は言語化が難しいです。「本当にソレが良いからなのか?」と立ち止まってしまいます。

THE TEAM 5つの法則では、チームに向き合う法則が述べられており、非常に面白くかつ興味深く読み進めることができました。

法則 ひとこと
第1章 Aim(目標設定)の法則 目指す旗を立てろ!
第2章 Boarding(人員選定)の法則 戦える仲間を選べ
第3章 Communication(意思疎通)の法則 最高の空間をつくれ
第4章 Decision(意思決定)の法則 進むべき道を示せ
第5章 Engagement(共感創造)の法則 力を出しきれ

下記の目次で気になる項目があれば、手にとって読んでみるのはいかがでしょうか。

目次

かなり細かいですが、目次をすべて載せます。この内容からでも、興味が溢れてきます。

主要な章が「Method(法則)」「Episode(具体的事例)」「まとめ」「チェックリスト」で構成されており、とても分かりやすい構成になっています。

「まとめ」と「チェックリスト」があるため、忙しい時でもすぐに振り返ることができるので、嬉しいですね。

  • はじめに 売上、時価総額を10倍にした「チームの法則」
  • チームを科学する
  • 誰もがチームを誤解している
  • この国に必要なのは、チームという武器
  • チームの法則がもたらせた奇跡
  • すべての人に『THE TEAM』を
  • 第1章 Aim(目標設定)の法則 [目指す旗を立てろ!]
  • Method(法則)
  • 「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」
  • 「目標を確実に達成するのが良いチームだ」 という誤解
  • あなたのチームは何を目標にするのか?
  • 意義目標がなければ作業と数字の奴隷になる
  • Episode(具体的事例)
  • 「新幹線お掃除の天使たち」
  • 「サッカー日本代表南アフリカワールドカップ ベスト16」
  • 第2章 Boarding(人員選定)の法則 [戦える仲間を選べ]
  • Method(法則)
  • チームで最も大切なメンバー選びとメンバー替え
  • チームは必ず4つのタイプに当てはまる
  • 人が入れ替わるチームは本当に駄目なのか?
  • チームには多様性が必要だという誤解
  • 「ゴットファーザー」より「オーシャンズ11」型のチームが強い
  • Episode(具体的事例)
  • 「AKB48のCD売上枚数記録 女性アーティスト歴代1位」
  • 第3章 Communication(意思疎通)の法則 [最高の空間をつくれ]
  • Method(法則)
  • 実はチームのコミュニケーションは少ない方が良い
  • ルール設定の4つのポイント
  • ルール1 ルールは増やすのか、減らすのか?
  • ルール2 誰が決めるのか?
  • ルール3 どこまで責任を負うのか?
  • ルール4 何を評価するのか?
  • ルール5 どれくらい確認するのか?
  • コミュニケーションを阻むのはいつだって感情
  • 「理解してから理解される」 という人間関係の真実
  • チームメンバーの人生を知っているか?
  • 相手の特徴を知らなければコミュニケーションは成立しない
  • 「どうせ・しょせん・やっぱり」がアイデアを殺す
  • 己をさらして心理的安全をつくり出す
  • 時代に求められるのはルールよりもコミュニケーション
  • Episode(具体的事例)
  • 「ロンドンオリンピック女子バレーボール 銅メダル」
  • 「ジョン・F・ケネディのキューバ危機回避」
  • 「ピクサーの初登場連続1位記録」
  • 第4章 Decision(意思決定)の法則 [進むべき道を示せ]
  • Method(法則)
  • 誰も教えてくれない意思決定の正しい方法
  • 「独裁」vs「多数決」vs「合議」
  • 合議はスピードとセット
  • 「正しい独裁」はチームを幸せにする
  • 独裁者が持つべき「影響力の源泉」
  • Episode(具体的事例)
  • 「NASAアポロ11号 月面着陸」
  • 「シンガポールの経済成長」
  • 第5章 Engagement(共感創造)の法則 [力を出しきれ]
  • Method(法則)
  • 超一流でもモチベーションに左右される
  • モチベーションを科学する〜気合いで人は動かない〜
  • チームのどこに共感させるか
  • エンゲージメントを生み出す方程式
  • 今の人は「感情報酬」で動く
  • Episode(具体的事例)
  • 「AKB48の熱狂的エンゲージメント」
  • 特別収録 チームの落とし穴 〜あなたのチームは足し算か、掛け算か、割り算か?〜
  • チームが崩壊する落とし穴
  • 「自分1人くらい」という落とし穴
  • 「あの人が言っているから」という落とし穴
  • 「みんなが言っているから」という落とし穴
  • 「あの人よりやっているから」という落とし穴
  • 最終章 私たちの運命を変えた「チームの法則」
  • Aimの法則はビジネスモデルそのものを変革した
  • Bordingの法則は最高のメンバーを連れてきた
  • Communicationの法則はメンバーの心を通わせた
  • Decisionの法則は進むべき道を示してくれた
  • Engagementの法則は全力で走る力を与えてくれた
  • 「チームの法則」が私たちにもたらしたもの
  • 終わりに チームから組織へ
  • 組織を変えるのはあなた
  • 私は「組織」を産業にする
  • 最後に 〜『THE TEAM』というチームへ〜

感想

第1章 Aim(目標設定)の法則 [目指す旗を立てろ!]

「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」とあるように、本章ではチームの定義から定めています。それは「共通の目的」があるかどうかです。 そのうえで、「目標を適切に設定すること」の大切さと具体歴が書かれています。

「目標は数値で(定量的に)立てろ」とよく言われると思いますが、ただ数値を定めるだけでなく、その先の「意義目標」までしっかり考えることが大切だと思いました。

第2章 Boarding(人員選定)の法則 [戦える仲間を選べ]

「チームづくりに絶対解は無い。あるのは最適解だ。」とあるように、チームを「環境変化度合い」と「人材連携度合い」の2軸を用いて、4種類に分類して紹介しています。

  • サッカー型
  • 野球型
  • 柔道団体戦型
  • 駅伝型

今は「環境変化度合い」が大きいため、メンバー選びは入り口のハードルを下げて、メンバーを入れ替えながら活動していく方が良いとのこと。 「慣れた作業のほうが生産性は高いよなぁ」とも思いつつ、色々な考えがあるのだと勉強になります。

第3章 Communication(意思疎通)の法則 [最高の空間をつくれ]

「ある程度まではルールを設定し、それ以上はコミュニケーションで担保する」というのは、好きな考え方です。

極端な例ですが、「何をするにも申請書や提案書などを書いて上司に提出し、承認をもらってから初めて行動」といったチームは息苦しいです。 (そのチームにとって)最低限のルールがあって適切なコミュニケーションができるのは、確かに良いチームだと思います。 また、評価の観点からもルール作りのポイントが書かれており、面白かったです。

そして心理的安全性も登場しました。もはやこれ無しでチームは語れない時代なのですね。

クラスメソッドでは、異なる背景・経歴等を持つ人が集まってチームを組んでいるため、コミュニケーションは重要です。 その中で「無駄なコミュニケーション」を無くし、「お互いを理解するコミュニケーション」や「安心して意見を言える場作りのためのコミュニケーション」を増やす必要性・重要性を改めて認識しました。

第4章 Decision(意思決定)の法則 [進むべき道を示せ]

チームの意思決定には、「独裁」「多数決」「合議」があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

合議で決める場合は「どの選択肢を選ぶのか?」ではなく、「選択肢を選ぶ基準をどうするか?その優先順位は?」の重要性が述べられています。 納得感が高いのと同時に、すぐに使えるとも思いました。

(正しい)独裁は、「AでもBでもどちらでも良い、単なる決めごと」を話し合って時間を無駄にするぐらいなら、「これにしましょう」と決める人がいると良いですね。これは経験談としても納得です。

「意思決定者は反対や孤独を恐れずに、1人で決めよ。しかし、メンバーは意思決定者を孤独にするな」

この一言が、強く印象に残っています。

第5章 Engagement(共感創造)の法則 [力を出しきれ]

モチベーションを「ある行動を選ぶ理由」と定義し、チームに貢献しようというモチベーションを「エンゲージメント」と呼んでいます。

  • Philosophy(理念・方針)
  • Profession(活動・成長)
  • People(人材・風土)
  • Privilege(待遇・特権)

「自分にとってどれが魅力なのか?」を明確にし、その観点からチームを選ぶ大切さを認識しました。 クラスメソッドにエントリーするとき、無意識的にもこのあたりは気にしていたなぁと思っています。

そして、このエンゲージメントを求める方程式も紹介されています。

  • エンゲージメント = 報酬・目標の魅力(やりたい) × 達成可能性(やれる) × 危機感(やるべき)

以前に「Will、Can、Mustが同じ方向にあるときに高いパフォーマンスが発揮できる」という趣旨の言葉を見た記憶がありますが、このことだったのか、と繋がりました。

さいごに

THE TEAM 5つの法則を100%理解できたわけでは無いため、これから自分の中に落としこんでいこうと思います。

紹介されている法則を闇雲に適応するのではなく、その背景や意図する所を理解して適応していきたいです。 常に手元においておき、いつでもすぐ見直しできるようにしておきます!