6年の経験からみる在宅勤務の生活習慣とアルコールとの付き合い方

2020.04.30

ベルリンのしがひです。ドイツでは防疫措置が始まって久しいのですが、日本でも出勤の7割削減という具体的なガイドが示され、これから長きにわたってオフィスにいけない日々が続くかと思います。職場で同僚と話をする、一緒にランチを食べる、お客さんとミーティングをするというなんでもないようなことが幸せだったと思えるようになるでしょう。

私はマネージングダイレクターでありながら入社してから一貫してフルリモートで働き、オフィスへは月1くらいしか行きません。また前職を含めるとこの働き方で6年の経験があり、多少なりの生きるコツを知っています。

ホワイトベースに学ぶ自由な働き方とそのマネージメント | Developers.IO ソーシャルディスタンスを取らなければならない外出の制限、家に休校中の子がいるなど、いつもよりストレスのかかる状況ではありますが、極力いつもと変わらない生活習慣を心がけています。

道具と環境の用意

Developers.IOでは、先月から盛んに在宅勤務に関する様々な記事が投稿されています。まずは前提となる道具と環境をそろえましょう。

リモートアクセスの手段

テレワーク環境導入に関するAWSサービスまとめ -WorkSpaces/VPN Client/WorkDocs/文化・仕組み- | Developers.IO AWSを使った即効性のあるリモートアクセス構築がまとめてあります。

在宅環境の整備

リモートワークがごっつはかどる機器の紹介 | Developers.IO 自宅の設備への投資は、早ければ早いほど良いです。

カルチャーの醸成

これは一朝一夕にできるものではないのですが、長期戦になることを見越して意識と制度面での改革は必要です。 テレワークでも100%パフォーマンスを出すための企業カルチャーの作り方 | Developers.IO ここでいうパフォーマンスはエンジニアの生産性に限らず、リモートでのビジネスが当たり前となった環境、時代において、それにあった能力を個々人が身につけていかなければいけません。特にセールスは対面営業での折衝能力よりも、新規案件をリモートでクローズできる対応能力がこれから必要になり、その点でクラスメソッドのセールスはすでに膨大な案件数を一度も対面せずにこなせる時代を先取りしたカルチャーを体現しています。

変えない生活習慣と変える時間の使い方

長期の在宅勤務では、自身の身体的、精神的な健康維持を最優先に戦略的に生活習慣を組み立てるべきです。

これは個人差が大きく、鉄則めいたハウツーに従うと身を滅ぼします。出勤している時と同じように早起きをし、できるだけ同じ時間割で仕事をするといったウェブメディアによく掲載されているようなやり方は、1週間もつ人の方が少ないと思います。なぜなら在宅勤務は勤務中の移動が皆無で、通常の勤務形態で発生する「仕事をしていない仕事の時間」が短いからです。

生活を変えないために時間の使い方を変える必要があります。

デスクワークの時間を設定・限定する

Web会議などの人と同時間でする仕事以外、つまり一人のデスクワークは、私の場合1回30分以内に限定し、10-15分の休憩を必ず入れます。またこのデスクワークの時間はSlackを見ることもありません。そして在宅勤務の一次的な目標は、1日の中にこのデスクワークの回数をできるだけ多く入れることです。

少し具体的にみていきます。

在宅勤務といえど人とのインタラクションの量はオフィスとそれほど変わりません。Slackには常に新しいポストがあり、中にはメンションがついているものもあります。したがって意識してそれを遮断しない限り、常に同時間的な仕事をだらだらと続けていくことになってしまいます。

最近のオフィス風景にはないかもしれませんが、10年ちょっと前まではデスクに電話が内線外線問わず架かってきて作業が中断され、タスクが割り込むという生産性の低い仕事形態がよくありました。それが現代ではチャットツールやメールに置き換わって非同期化され改善されましたが、在宅勤務では直接的な人とのつながりがない分、同時間的な仕事に依存しがちになります。

オフィスで働いていると「ちょっといいですか」と声をかけるタイミングや可否は、かけられる人の(いま話しかんな)オーラで調節が可能ですが、チャットでは不可能です。非同期メンションを心理的負担なく無視できる・無視されても傷つかないゲームチェンジが求められます。

在宅勤務のメリハリは、単にオン・オフではなく、同期・非同期の時間割を自分の健康状態に合わせて調節するということです。いま自分は同期仕事にオープンなのかクローズドなのかをちゃんと意識します。

ジョブ依存のカスタマイズと同期コミュニケーションの位置付け

この完全非同期のデスクワーク時間・回数は、所属組織というよりも自分の職務(ジョブ)によって差があります。

私のようにマネージメントと営業色の強いジョブではミーティング時間が長く、同期仕事がメインになります。デスクワーク時間はだいたい一日2回、合計1時間以内です。常にリクエストを受けているサポートジョブもそれに似ています。一方でデベロッパーや企画の仕事はデスクワークをいれることが容易です。

しかし組織で仕事をしている以上、必ずどこかでそのバラバラな在宅勤務時間割を合わせなければならない場面が出てきます。私が全体最適だと思う方法は、強い同期コミュニケーションをスケジューリングして実施することです。

1対1、ないしは少人数のCallをその場で調整します。すぐにできる時もあれば待つ時、できない時もありますが、躊躇なく同期通信に切り替えることで、チャットで全てを伝えようとするよりも最終的なコミュニケーションコストは下がります。また、Slack Callは画面共有でのホワイトボード機能が気軽に使えるため、何かを説明するためにメールやチャットにまとめる作業をスキップすることができます。

このように在宅勤務で積極的に変えるべきは時間の使い方で、それは生産性の維持・向上、QoLの向上につながります。

身体的に特に気をつけるべきこと

移動距離と時間がないことでこのような現象が起きます。

私の場合、外出制限中の運動や買い物で外に出る場合にスマートフォンを持ち歩かないので極端な数字になりますが、今の状況下では非人間的な運動量低下に見舞われます。

これは生活習慣上、少しでも動きのあるルーチンを取り入れることで緩和できます。

  • 毎朝髭を剃る。
  • 豆を挽いてコーヒーを淹れる
  • トイレに立ったら背伸びをするなどの余分なアクションをいれる
  • などです。また、積極的に水分をとるため(トイレの回数を増やす意味でも)デスクに必ず水を置いておきましょう。

    酒量はモニタリングする

    外食しなくなる分、人によっては晩酌など新しい生活習慣がついてしまう場合があります。私も前職で在宅勤務をはじめて外で飲まなくなった途端、毎日何かしらの形で飲んでいた時期がありましたが、バーンアウトしてしまった同僚がアルコール中毒の治療中であることを知って以降、かなり神経質に酒量をコントロールするようになりました。

    酒量が増えて慢性アルコール中毒になるまでの期間はかなり短く、1ヶ月くらいでそうなってしまう可能性もあります。また一度アルコール中毒になってしまうと、寛解しても二度と酒は飲めなくなることを肝に銘じておきましょう。

    在宅での酒量コントロールは、いつ、どれだけ飲んだかを把握しておくことが重要です。週間の摂取アルコールユニットをしばらくモニタリングしましょう。個人差はあっても、少なくとも14ユニットを超える飲酒を控えることで不幸な事態を避けることができます。

    ZOOM飲みはことのほか楽しく、在宅勤務時のチームワーク維持と息抜きにはなりますが、いつもより過ぎた飲酒は害にしかなりません。


    いかがでしたでしょうか。今の状況は1、2ヶ月の我慢ではなく、半年、1年、ひょっとすると二度と元には戻らない変化かもしれません。「慣れる」にしても、いい方向で習慣づけできればと思います。