ヨーロッパ旅行におけるスリ対策のススメ

2019.05.05

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Ciao! ヨーロッパ旅行を満喫していた、ベルリンの伊藤です。前回の記事でヨーロッパ旅行計画について書きましたが、もう一つお伝えしたいと思ったことがあります。

今回の旅で一つ悲しかったのは、パスポートと財布を盗まれた日本人の女の子たちに遭遇したことです...!

カタルーニャ音楽堂の見学ツアー直前、突然声をかけてきた二人の女の子は、空港からそのツアーに参加するべく到着したばかりとのことでしたが、一人がパスポートと財布を盗まれてしまい、とりあえずクレジットカードを止めるべく電話を借りたいと。

残念ながら私の携帯からは電話が繋がらずその場では力になれず、彼女たちはツアーを諦めて電話をかけられる場所かホテルへ移動したようですが、その後なんとか旅は楽しめたのでしょうか...その後も気がかりでしたが、最終的に良いヨーロッパ旅行になったことを切に願っています。

今回は、悲しい犠牲者をこれ以上増やさないべく、私が行なっているスリ対策と、身の回りで発生したスリ事例をご紹介します。

なぜスリ対策が必要か

まずはこの重要性からお話します。

私もベルリンから程近いプラハに行った時に完全に気を抜いていてかばんから財布を抜かれ、2万円相当の現金とカード5枚ほどと健康保険証を失いました。この時は財布だけだったので、旅中のお金は同行者に借りれば済みました。

それでも、やはり盗まれた時には同じ道を辿って歩き回り、店に聞いて回り、それまで浮かれ気分だった自分を憎み、一時的とはいえ落ち込んで旅を楽しむことができませんでした。

それが日本からはるばるヨーロッパに来た時の旅行だとしたらどうでしょう。クレジットカードを止めるのに、不慣れな海外で電話を掛けるのも一苦労。私たちが出会った彼女に関しては、パスポートも失ったので、貴重な旅の日数を削って大使館へ手続きに向かわなければいけません。観光地の入場チケット購入などしていたら、それらも諦めなければいけません。

せっかくお金と時間を遣って来た旅行が台無し...

そうならないために、本記事を参考に、セキュリティ意識をがっつり上げておきましょう。

対策

では、今回の私たちの旅で行なったスリへの対策をご紹介します。

かばんの分け方

私が提唱するポイントは、以下の通り。

  • かばんが体に密着していること
  • かばんが簡単に開けられないこと
  • 大事なものが簡単に取り出せないこと
  • かばんが常に視界に入る or 手で抑えられていること

このすべてを完璧に満たす必要はありませんが、たくさん満たしているほど安心です。

例えば、カメラを持ち歩いて撮影に夢中になるようなタイプの人(うちの父)は、なるべくすべて揃っている方が良いでしょう。

私は以下のようなバッグを使用します。

セキュリティバッグ

私は旅先では普段から使用していて、服の下に装着してパスポート財布のバックアップ(大きな紙幣1,2枚、クレジットカード1枚等)を入れています。服によって、腰のあたりやズボンの中、お腹などフィットする場所で服に隠れるよう装着します。

服装によって装着が難しい場合には、メインの観光バッグの奥底に固定する形で入れて置いても可です。

確か下の1つ目は100円均一で買ったもので、2つ目はランニング用のものです。

サコッシュ、ショルダーバッグ

メインのバッグは荷物の量によっても異なりますが、今回は人を連れていて気を取られる可能性が高いため、セキュリティ高めのサコッシュを持って行きました。

肩から掛けて胸の前に密着する形の四角い薄いバッグで、財布、カメラ、携帯、チケット、ティッシュ等のよく使うものを入れます。(実際には写真よりも胸の前に装着します)

普段はショルダーバッグを使用します。ただし、体の後ろに回さないよう注意です。上の写真は、今回父が使用したもので、財布はカバーを上げたチャックの中にしまってもらいました。

リュックサック

こちらには盗まれてもダメージの少ないもの、防寒具や水、買ったお土産等を入れます。

ちなみに上の写真は今回の旅中に買ったもので、荷物が少なければサコッシュのみでマイバッグを持って行くのでも良いでしょう。

ご参考

無印良品でもこのような形のバッグが売ってました。なんとも良品です。

荷物の入れ方

今回の私のサコッシュの中身をご紹介します。いつもこれほどしっかりするわけではありませんが、ご参考までに。

  • 財布は小さくて薄くて雑なやつ ※プラハでのスリの教訓です
  • 財布はカラビナでかばんに固定
  • デジカメ(くまのケース)は紐でかばんに固定

カラビナや南京錠を使うと便利です。

なお、先のショルダーバッグの写真でも青い南京錠を使用していますが、これは固定しているわけでなくチャックに付けているだけで、フェイクです。

その他の心がけ

前述の私のスリに遭った時の教訓ですが、不必要に高額な現金や使用しないクレジットカードを携帯しないようにしましょう。

財布の中だけでなく、荷物に関しても余計なものは置いて行くように。

また、日本と同じ感覚で口の開いている上着のポケットやズボンのおしりのポケットは使わないようにしましょう。

あとは、(ちょっと悲しいですが)話しかけてくる人には常に警戒しましょう!

スリの事例

「観光客」の雰囲気が出ているだけでなく、アジア人は一見してターゲットにしやすいので注意が必要です。特にイベントごとがある時期や連休などで観光客が多い時には、スリにとって恰好の稼ぎ時でさらに要注意です!

ここでは、私の周りで発生したスリ事例をご紹介します。

その1 座ってる間にスリ

大きな広場の階段に座っていたら、何気なく、すぐ1段後ろに2人組が座ってきました。私と連れの間に私のかばんがあったんですが、恐らくそれを狙っていたと思われます。すぐにその場から離れて事なきを得ました。

その2 歩きざまスリ

地下鉄に下る階段を降りている途中で、連れのリュックのチャックが開けられました。異変に気付き、すぐに後ろを振り向くと、何事もなかったかのように男3人組が横切って追い抜いて行きました。

その3 発車直前スリ

地下鉄に乗ってドアが閉まる直前に男が乗ってきて、連れのポケットに指を突っ込んで物色し、ドアが閉まる前に降りて逃げて行きました。 ※ハンカチしか入ってなかったのでセーフでした。

その4 ドバイおじさん

スーパーで商品を見ていた父に、ドバイから来たと名乗るおじさんが話しかけて握手してきて、日本には一度行ってみたいとのことで寿司だのなんだのテキトーなことを話して来ました。女性と二人組で明らかにうさんくさい雰囲気で、私が呼びに行くと、「日本円はユーロでいくら?ちょっと見せてよ」と聞いてきました。持ってないと言うと立ち去って行きました。

その5 スマホひったくり

これはサンフランシスコに留学していた時の事ですが、そこでは夜に一人でスマホ歩きしないのは常識です。買ったばかりのスマホを嬉しくて使っていたらひったくられた友人が数名いますが、そのうち一人はひったくられる時に抵抗したら、腕で振り払われて鼻を骨折しました...

ヨーロッパではそこまでのケースは珍しいですが、治安の悪そうな場所ではスマホ歩きはしないよう心がけましょう。

番外編

スリではありませんが、ベルリンの観光地ではよく 賭博おじさん がいます。道端で小さい箱3つをゴネゴネしながらやんややんや言って、どの箱に玉が入ってるか当てられたらお金あげるよってやつです。これ、周りにいる数人はサクラです。

ベルリン大聖堂の裏で、突然賭博おじさんが仕事を始めたわけですが、その近くにいたおじさんが「Hey, 見てみろよ、こんなおかしなこと始めたぜ」って私に話しかけておもむろに50ユーロ出して賭博に参加し始めたんですが、なんという猿芝居...

緊急時の対策の予習

正直私はここまでしていなかったですが、彼女たちを見て必要だなと感じました。

大切なものを失った時のために、下記のような予備知識を備えて起きましょう。

  • パスポートを失ったらどうすればいいか
  • クレジットカードを盗難されたらどうすればいいか
  • 海外旅行保険を適用させるには何の書類が必要か

米国 re:Invent でのパスポート紛失時の手順については下記ブログが参考になるので、ご一読いただくと良いでしょう。

【レポート】ラスベガスでパスポートの盗難・紛失に遭ったらすべきこと #reinvent

クレジットカードの不正利用の返金補償は、カード会社によって異なるようですが、現地での警察への届出、書類提出など面倒な可能性があるので、確認しておくと安心です。また現地でカードを止める際の電話番号(日本のフリーダイヤルの番号ではなく、海外デスクの番号)を確認して控えておきましょう。

おしまい

余談ですが、プラハで財布を盗まれた時は、オンラインバンクで止められるデビット/バンクカードはその場で止めて、残りのクレジットカードは旅行を終えてから電話して止め、特に不正利用はなく、残りの旅も楽しむことができました。

さらに、現金だけ抜かれて名刺が入っていた私の財布を、近くのレストランの店主が拾ってくれ、名刺のメールに連絡してくれ財布を送ってくれたのです!もうすべて再発行済みでしたが、カード類は無事手元に帰って来ました。どの街にも悪い人もいれば良い人もいるものですね...

というわけで、もしもの場合にも備えた万全の状態で、もちろん何も起きないことを願って、旅を楽しみましょう!

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