QuickSight 動的デフォルト値(単一値)を試してみた

QuickSight 動的デフォルト値(単一値)を試してみた

Clock Icon2025.04.09

QuickSight の動的デフォルト値についてあまりよく分からなかったため、今回手を動かしながら理解していきたいと思います。
なお、今回は単一値 DDP のやり方について検証します。複数値 DDP のやり方については以下ブログをご参照ください。
https://dev.classmethod.jp/articles/tried-quicksight-multi-ddp/

分析の作成

以下サンプルデータセット(CSV)を用意します。

sample_data.csv
地名,ポイント
沖縄,100
沖縄,200
北海道,300
北海道,400
東京,500
東京,600

上記ファイルを QuickSight へアップロードし、分析を作成します。
以下では、ビジュアルとしてテーブルを作成しています。
スクリーンショット 2025-04-08 21.13.20

このままでは見た目が味気ないので、円グラフも追加してみます(任意)。
スクリーンショット 2025-04-08 21.14.40

続いてコントロールを配置していきます。
まずは、パラメータを追加します。
スクリーンショット 2025-04-08 21.15.57

作成したパラメータを指定してコントロールを追加します。
スクリーンショット 2025-04-08 21.17.24

以下のように、スタイルをドロップダウンとして設定します。
スクリーンショット 2025-04-08 21.18.20

都道府県を選べるコントロールを追加できました。
スクリーンショット 2025-04-08 21.21.01

一方でこの時点ではコントロールの値を変更してもビジュアルの表示は変わりません。
以下画像ではプルダウンから "東京" を選択していますが、グラフでは全ての都道府県のデータが表示されています。
スクリーンショット 2025-04-08 21.22.17

そのため、コントロールの値に応じてグラフが変わるようフィルターを設定します。
適当なビジュアルを選択した状態で、フィルターを選び、その後「追加」を選択します。
スクリーンショット 2025-04-08 21.23.51

追加すると、どのフィールドでフィルタリングするか聞かれるため、"地名" を選びます。
スクリーンショット 2025-04-08 21.30.21

地名のフィルターが追加できたら、3点リーダーから編集を選びます。
スクリーンショット 2025-04-08 21.31.35

フィルタータイプを以下のようにカスタムフィルターとし、先ほど作成したパラメータ prefectures を使用するよう設定し、適用します。
スクリーンショット 2025-04-08 21.33.11

フィルターを設定後は、以下のようにコントロールの都道府県プルダウンで "すべて" を選ぶと、全ての都道府県のグラフが表示され、
スクリーンショット 2025-04-08 21.35.38

特定の値(例えば東京)を選ぶと、その都道府県のグラフのみ表示されるようになりました。分析の作成は完了です。
スクリーンショット 2025-04-08 21.36.49

動的デフォルト値の設定

続いて、動的デフォルト値の設定をしていきます。
前提として、現在 QuickSight のユーザーが 2人(管理者ロール1人, 閲覧者ロール1人)います。
以降、管理者ロールのユーザーを管理者ユーザー、閲覧者ロールのユーザーを閲覧者ユーザーと呼びます。
スクリーンショット 2025-04-02 15.14.31

動的デフォルト値を設定するには、ユーザーとデフォルト値をマッピングするデータセットが必要なので、以下のように準備します。
準備ができたら、下記 CSV を QuickSight のデータセットとしてアップロードしておきます。

single_ddp_permission.csv
UserName,DefalutPlaceName
<管理者ユーザー名>,東京
<閲覧者ユーザー名>,沖縄

上記 CSV をデータセットとして登録したら、続いて、先ほど作成した分析の データ→データセットを追加 を選びます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.04.17

追加するデータセットとして、アップロードした single_ddp_permission を選びます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.05.24

データセットが追加されました。
スクリーンショット 2025-04-09 9.07.52

続いて、動的デフォルト値の設定をしていきます。
前項にて作成したパラメータの編集画面を開き、「動的デフォルト値を設定」を選びます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.10.38

アップロード済みの単一DDPの許可用データセットを選択し、以下のように設定し適用します。
スクリーンショット 2025-04-09 9.14.10

適用すると、パラメータの動的デフォルト値が「値セット」となり、設定がうまくいっていることがわかります。ここまで確認したら、右下の更新より、更新します。
以上で、動的デフォルト値の設定は完了です。
スクリーンショット 2025-04-09 9.15.25

作成した分析をダッシュボードとして公開する

前項までで作成した分析をダッシュボートとして公開します。
分析右上の「公開」を選びます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.19.44

適当な名前でダッシュボードを公開します。
スクリーンショット 2025-04-09 9.20.37

公開したら続いて、このダッシュボードが閲覧者ユーザーからも見れるように権限を追加します。
ダッシュボード右上の共有からダッシュボードの共有を選びます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.24.54

左側の検索バーで閲覧者ユーザー名を検索し、追加します。追加すると右側のユーザーとグループ欄に表示者として追加されます。
これで閲覧者ユーザーもダッシュボードを見れるようになりました。
スクリーンショット 2025-04-09 9.26.22

動作確認

まず管理者ユーザーでログインし、ダッシュボードの初期表示を確認します。

以下画像のように、初期表示で「東京」が選択された状態のため、想定通りです。
スクリーンショット 2025-04-09 9.35.43

ちなみに「すべて」を選択した状態に一度変更し、左上のリセットボタンから初期表示に戻しみても、
スクリーンショット 2025-04-09 9.40.10

以下のように東京が選択された状態となっているので、single_ddp_permission.csv で指定した通りうまくいっています。
スクリーンショット 2025-04-09 9.35.43

続いて、管理者ユーザーをログアウトし、閲覧者ユーザーでログインして表示してみます。
こちらも初期表示で「沖縄」が選択された状態となっていました。
スクリーンショット 2025-04-09 9.43.45

念の為、すべて選択の状態からリセットしてみます。
スクリーンショット 2025-04-09 9.45.12

リセットすると、初期表示の沖縄選択状態となりました。閲覧者ユーザーでも動的デフォルト表示がうまくいっていることがわかりました。
スクリーンショット 2025-04-09 9.46.18

まとめ

今回は動的デフォルト値について実際にやってみました。
動的デフォルト値用のデータセットを用意する必要があることなど、やってみて分かることがとても多かったので、かなり勉強になりました。
本記事がどなたかのお役に立てば幸いです。

参考文献

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/quicksight/latest/user/parameters-default-values.html

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