メンバーズ CUR でやってみよう!Grafana を利用したダッシュボード編

メンバーズ CUR でやってみよう!Grafana を利用したダッシュボード編

2025.11.16

今回はメンバーズ CUR と Grafana を利用してダッシュボードを作成していきます。
下記を目標とします。

  • メンバーズ CUR でも Grafana を利用してデータが表示できる
  • 下記のソリューション(COAST:Cost Optimization and Savings Toolkit for Amazon Managed Grafana)を作成できる

https://github.com/aws-samples/coast-grafana-cost-intelligence-dashboards

ソリューションサンプル:
スクリーンショット 2025-11-16 18.27.13
スクリーンショット 2025-11-16 18.27.44

関連情報:

事前準備

メンバーズ CUR と Athena 環境

メンバーズ CUR を利用した Athena 環境の作成は、こちらをご参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/how-to-create-athena-analysis-environment-with-mcur/

Grafana 環境

今回 Grafana は Amazon Managed Grafana を利用します。ワークスペース作成前までの初期設定は完了している状態から開始します。Amazon Managed Grafana や初期設定に関しては下記をご参照ください。

やってみよう

Athena ワークグループ作成

最初に Athena クエリ結果の保存用S3バケットを作成します。

S3 > バケットを作成

スクリーンショット 2025-11-16 16.32.08

  • バケットタイプ:汎用
  • バケット名:grafana-athena-query-results-XXXXXXX

grafana-athena-query-results- から始まる名称のバケットが作成されていればOKです。

スクリーンショット 2025-11-16 16.35.27

続いて Athena ワークグループを作成します。

Athena > ワークグループ > ワークグループを作成

スクリーンショット 2025-11-16 16.38.07

  • ワークグループ名:任意の名称

スクリーンショット 2025-11-16 16.38.54

  • クエリ結果の管理:カスタマーマネージド
  • クエリ結果の場所:先ほど作成した S3 バケット
  • バケット所有者にクエリ結果に対する完全なコントロールを割り当てる:チェック
  • クエリ結果を暗号化:チェック
  • 暗号化タイプ:SSE_S3

スクリーンショット 2025-11-16 16.39.26

  • タグ:GrafanaDataSource/true を追加

ワークグループを作成します

スクリーンショット 2025-11-16 16.44.50

Grafana ワークスペース作成

Amazon Managed Grafana > ワークスペースを作成

スクリーンショット 2025-11-16 16.46.37

  • ワークスペース名:任意の名称

スクリーンショット 2025-11-16 16.47.51

  • 認証アクセス:AWS IAM ID センター

スクリーンショット 2025-11-16 17.29.02

  • ワークスペース設定オプション:プラグイン管理をオンにする

スクリーンショット 2025-11-16 17.29.33

  • データソース:Amazon CloudWatch と Amazon Athena をチェック

ワークスペースを作成します。

ユーザーまたはユーザーグループの割り当てに関するメッセージが表示されている場合は、ガイドに沿って割り当てます。

スクリーンショット 2025-11-16 16.57.41

利用するユーザー or グループを選択します。

スクリーンショット 2025-11-16 16.58.21

必要に応じて権限を変更します。今回は「管理者」へ変更します。

スクリーンショット 2025-11-16 16.58.49

データソース登録

Amazon Grafana > Workspaces > 作成したワークスペース > データソース

スクリーンショット 2025-11-16 17.38.38

  • Grafana で設定

Grafana へのログイン画面が表示されたら、ログインします。

Apps > AWS Data Sources
Athena 用プラグインのインストール状況を確認します。

スクリーンショット 2025-11-16 17.36.27

インストールされていなければ、インストールを実行します。

スクリーンショット 2025-11-16 17.37.05

Apps > AWS Data Sources > Data sources

スクリーンショット 2025-11-16 17.42.38

  • Service:Athena
  • Browse and provision data sources:メンバーズ版 CUR のデータベース

無事に追加出来ると下記のように表示されます

スクリーンショット 2025-11-16 17.43.48

ここで Grafana 向けに作成されている IAM Role へ AmazonS3ReadOnlyAccess ポリシーを追加します。

スクリーンショット 2025-11-16 18.01.03

ポリシーを追加したら Grafana に戻ります。
Connections > Data sources > 追加したデータソースを選択 > Dashboards > Athena Cost and Usage Report

スクリーンショット 2025-11-16 17.51.19

デフォルトで用意されているダッシュボードでデータを確認します。Datasource が異なる場合は再度選択します。

スクリーンショット 2025-11-16 18.04.20

それでもNo dataのままなため、クエリを確認します。

スクリーンショット 2025-11-16 18.06.08

ブレンドコストで計算されていることがわかります。
メンバーズ版 CUR ではブレンドコスト(line_item_blended_cost)は出力されないため、非ブレンドコスト(line_item_unblended_cost)へ修正してみます。

スクリーンショット 2025-11-16 18.06.36

select
  bill_billing_period_start_date,
  sum(line_item_blended_cost) AS cost
from $CUR_Table
where
  $__timeFilter(bill_billing_period_start_date)
and
  product_location in ($Regions)
and
  line_item_product_code in ($Services)
group by 1
order by 1

↓↓↓

select
  bill_billing_period_start_date,
  sum(line_item_unblended_cost) AS cost
from $CUR_Table
where
  $__timeFilter(bill_billing_period_start_date)
and
  product_location in ($Regions)
and
  line_item_product_code in ($Services)
group by 1
order by 1

修正後に Apply(適用)すると、今度はデータが表示されました。

スクリーンショット 2025-11-16 18.08.41

ここまでで、メンバーズ版 CUR を利用して Grafana でデータが表示されること、ダッシュボードが作成出来ることを確認してきました。

COAST ダッシュボード作成

最後に、ソリューションとして提供されている COAST ダッシュボードを作成していきます。

COAST では CUR 2.0、FOCUS、レガシー CUR の3種類のデータ形式でそれぞれダッシュボードが提供されていますが、メンバーズ版 CUR はレガシー CUR 形式のため、レガシー CUR 向け(archive にある)ダッシュボードを JSON ファイルから作成していきます。

Dashboards > Create Dashboard > Import dashboard

スクリーンショット 2025-11-16 18.25.20

まずは COAST のデフォルトダッシュボード(旧CURE)を作成してみます。

スクリーンショット 2025-11-16 18.27.13
スクリーンショット 2025-11-16 18.27.44
スクリーンショット 2025-11-16 18.27.57
スクリーンショット 2025-11-16 18.28.10
スクリーンショット 2025-11-16 18.28.24

良さそうですね。No data もなく表示されています。
他にもいくつかのダッシュボードが提供されています。

Persona Dashboard :: Executive Dashboard も作成してみます。

スクリーンショット 2025-11-16 18.35.59
スクリーンショット 2025-11-16 18.37.07

こちらも無事に表示されました。

まとめ

今回はメンバーズ CUR と Grafana を利用したダッシュボードを作成しました。デフォルトのウィジェットの中には出力されるデータ仕様上、修正が必要な内容もありましたが、基本的には問題なく利用することが可能でした。またソリューションとして提供されているダッシュボードに関しても作成することが出来ました。

CUR を利用したダッシュボードといえば CID(Cloud Intelligence Dashboard)や CUD(Cost and Usage Dashboard)がありますが、既存の Grafana リソースがある場合や組織にとって馴染みがあるといった場合などでは、Grafana でダッシュボードを作成して可視化することも選択肢の一つとなるかと思います。

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