2025年7月に更新されたAWS の新しい無料プランを試してみた

2025年7月に更新されたAWS の新しい無料プランを試してみた

2025年7月 AWSの無料利用枠が刷新、新規ユーザー向けに最大6ヶ月間・最大200ドルのクレジット範囲内でAWSサービスを無料利用できる新しい無料プランを試してみました
Clock Icon2025.07.16

2025年7月16日にAWSの無料利用枠が大幅にアップデートされました。

従来の「12ヶ月の無料利用枠」が刷新され、新規AWSユーザー向けに新しい「無料プラン」が登場しました。このプランでは、最大6ヶ月間、最大200ドルのAWSクレジットの範囲内で、AWSサービスの利用が可能になりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/07/aws-free-tier-credits-month-free-plan/

今回、個人のアカウントで新しい無料プランを申し込み、試す機会がありましたので、紹介します。

サインアップ

新規AWSアカウントの申し込み時に、アカウントプランとして「無料プラン」と「有料プラン」が選択できるようになりました。

AWSサインアップ_無料プラン選択

今回、無料プランを選択して、サインアップを完了させました。

AWSマネジメントコンソール

無料アカウントのサインアップ後、AWSマネジメントコンソールの操作が可能になります。

サインアップ完了

追加クレジットの獲得

コンソールのホーム、「AWSを詳しく知る」→「AWSクレジットを獲得」より、
5つのチュートリアルを実施する事で、100ドル分の追加クレジットを受け取れます。

追加クレジット獲得

それぞれの所要時間は数分で完了します。(RDSの作成、撤去のみ20〜30分程度)
5つのアクティビティを実施して追加クレジットを獲得することをおすすめします。

  • EC2 を使用してインスタンスを起動する
  • AWS Budgets を使用してコスト予算をセットアップする
  • Amazon RDS データベースを作成する
  • AWS Lambda を使用してウェブアプリケーションを作成する
  • Amazon Bedrock のプレイグラウンドで基盤モデルを使用する

請求とコスト管理

「無料プランのアカウントには請求されません」との明確な案内が確認できました。

クレジット

クレジットの画面で、クレジットの残高と残り日数の確認が可能です。

クレジット

主要AWSサービスの利用

EC2

無料プランで利用可能なインスタンスタイプ、東京リージョンでは以下のインスタンスのみ利用可能でした。

無料枠のEC2インスタンスタイプ

インスタンスタイプ vCPU アーキテクチャ メモリ (MiB) オンデマンド Linux 料金 (USD) オンデマンド Windows 料金 (USD)
m7i-flex.large 2 x86_64 8 0.12369 0.21109
c7i-flex.large 2 x86_64 4 0.10673 0.19413
t3.small 2 x86_64 2 0.0272 0.0456
t4g.small 2 arm64 2 0.0216 -
t3.micro 2 x86_64 1 0.0136 0.0228
t4g.micro 2 arm64 1 0.0108 -

2025年7月現在、xlarge以上の高性能インスタンスやnanoインスタンスは無料プランでは利用できません。
IaC(Infrastructure as Code)テンプレートを流用する際など、対応インスタンスタイプにはご注意ください。

※最新情報は、EC2ダッシュボードの「インスタンスタイプ」をご確認ください。

RDS

無料プランで利用可能なDBエンジンは、 MySQL、PostgreSQL、MariaDB、SQL Server が利用可能でした。

RDS

Auroraやハイスペックなインスタンスタイプは、無料利用枠の対象外となっていました。

サポート外のAWSサービス

一部のAWSサービスは、無料プランでの利用が制限されています。

Amazon Athena、Amazon Data Firehose、AWS Global Acceleratorといったサービスは、ダッシュボードを表示しようとすると、利用制限の旨と有料プランへの変更案内が表示されました。

対応外サービス

注意点とセキュリティ対策

無料プランのAWSアカウントを利用することで、費用負担なくAWSを試せるのは大きなメリットですが、ルートユーザーが第三者に不正操作された場合、有償プランへの変更や意図せぬ不正利用が行われる可能性があります。

ルートユーザーのリスクを回避するため、アカウント開設後なるべく速やかに以下の対策を実施することを強くおすすめします。

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-account-setup-guide-2024-05/#toc-1

  • 即時で対策すべき設定
    • ルートユーザーのMFA 認証設定
    • IAM パスワードポリシーの設定
    • IAMユーザーによる請求情報へのアクセス有効化
    • 管理者用IAM ユーザーの作成
    • 管理者用IAMユーザーのMFA 認証設定

また、アカウントのサインアップで電話番号を用いた本人確認を行った後、「無料プランの対象外である」旨の案内が表示される場合があります。

無料プラン対象外

これは、AWSの新しい無料利用枠プログラムが新規顧客限定であり、既存顧客は新しい無料利用枠クレジットや無料アカウントプランの対象外となるための制限です。

Q1. What will happen to customers who are already on current AWS Free Tier?

Existing customers are ineligible for Free Tier credits or the free account plan.

https://aws.amazon.com/free/free-tier-faqs/?p=ft&z=subnav&loc=5#topic-4

サインアップ手続きを途中で中断、放置すると、万一ルートユーザーの認証情報が漏洩した場合に、意図せぬ事故や不正利用を招くリスクがあります。

もし無料プランでのサインアップを試みたものの対象外であった場合、有償プランでサインアップを完了させ、その後速やかにアカウント閉鎖手続きを行うことをおすすめします。

https://dev.classmethod.jp/articles/delete_aws_account_2022ver/

まとめ

新しいAWSの無料利用枠プログラム、予算制限がある組織や、個人でなるべく少ない負担でAWSを始めたい方にとって、非常に魅力的な選択肢になりました。セキュリティ対策を適切に実施した上で、ぜひこの機会にAWSをおためしください。

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