[アップデート] Amazon EBSに時間ベースのEBSスナップショットコピー機能が追加されました
こんにちは。サービス開発室の武田です。
Amazon EBSというブロックストレージサービスがあります。EC2インスタンスなどにアタッチして使用される、要はPCなどでいうところのSSDやHDDの役割を担うサービスです。このEBSにはスナップショットというデータのバックアップを取得する機能があり、このスナップショットはコピーしたり、復元したりといった操作が可能です。
スナップショットをコピーする目的はバックアップ戦略やDR対策などさまざまです。さてスナップショットのコピーは同アカウント同リージョンに限らず、クロスリージョンやクロスアカウントも可能です。そしてコピーする際に完了するまでの時間が保証できると、コンプライアンスなどの面で助けになることがあるでしょう。
今回のアップデートで、EBSスナップショットコピーに15分単位での完了期間を指定できるようになりました。
指定できる完了期間について
完了期間は最小15分から最大48時間まで、15分単位で指定できます。しかし無茶な時間指定はできません。アカウントレベルのデフォルトのスループット制限は 2000MiB/s です。また個別のスナップショットコピーのスループットは 500MiB/s です。そのため、たとえば1TiB
のスナップショットは理論値ではコピーに33分20秒
かかりますので、指定は 最小でも45分 となります。
同時に複数のスナップショットをコピーする場合、アカウントレベルのスループットの制限に抵触する可能性があります。こちらは上限緩和申請が可能ですので、必要であれば緩和申請をしてください。
また、実際のワークロードでのトラフィックをもとにコピー時間を計算するツールも提供されています。達成可能な完了時間が不明な場合は利用してみてください。
料金について
時間ベースのコピーは指定した完了期間と実際のデータ量に応じて料金が発生します。
完了期間 | 料金 |
---|---|
15分 | $0.020/GB |
30分、45分 | $0.018/GB |
1時間~1時間45分 | $0.016/GB |
2時間~3時間45分 | $0.014/GB |
4時間~7時間45分 | $0.012/GB |
8時間~15時間45分 | $0.010/GB |
16時間〜48時間 | $0.005/GB |
やってみた
実際にマネジメントコンソールにアクセスして、時間ベースのコピーを試してみました。まずは適当にEBSスナップショットを用意します。今回は1GiBの小さいものです。
コピーしたいスナップショットにチェックを入れ、アクションから「スナップショットのコピー」を選択します。
スナップショットコピーの詳細で、「時間ベースのコピー」という項目が追加されています。デフォルトは無効になっていますので、有効にします。今回は完了期間に1時間と指定しました。
データ量も小さいため、すぐにコピーが完了しました。
まとめ
特定期間以内にスナップショットコピーを完了することを保証できる機能が追加されました。DR対策などにより、RPO(目標復旧時点)やRTO(目標復旧時間)を達成するのにも利用できるでしょう。そういった要件がないのであれば、わざわざ追加料金を払って指定する意味はありません。同時に複数のスナップショットをコピーする場合、トラフィック量を計算したうえでの設計が必要となることにも注意が必要です。