[アップデート] AWS Elemental MediaConvert で HDR to SDR のトーンマッピングが可能となりました!

AWS Elemental MediaConvertでHDRtoSDRの変換を可能とするトーンマッピングが可能になりました!
2020.03.11

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こんにちは、大前です。

AWS Elemental MediaConvert について、掲題のアップデートがありましたので、お知らせします。

HDR to SDR Tone Mapping Now Available with AWS Elemental MediaConvert

アップデートを理解する為に

アップデート内容について掘り下げる前に、HDR と SDR とはなんぞやを理解していきましょう。

HDR(High Dynamic Range)/ SDR(Standard Dynamic Range)

HDR(High Dynamic Range)とは、従来の静止画や映像に比べてより幅広い色の明るさの表現が可能となる技術です。

上記における、「従来の表現」の事を HDR と対比させた形で SDR(Standard Dynamic Range)と呼びます。

HDR を使用する事で、より肉眼に近いリアルな表現が可能となります。

 

※参考(画像はwikipediaより引用)

通常の写真

通常

HDR

HDR

HDR から SDR に変換する必要があるケースも

HDR を使う事によって、リッチなコンテンツを作成することが出来ますが、世の中の再生デバイス(モニターなど)は HDR に対応していないものが大半です。(最近は増えていると思いますが・・・)

その為、必要に応じて HDR で作成したコンテンツを SDR に変換するケースが出てきます。

 

とはいえ、HDR で表現されるいい感じの画は SDR に変換した後もなるべく保ちたいものです。

タイトルにあるトーンマッピングは、「HDR を SDR に変換しても、HDR の表現をなるべく保つ」為の技術となります。

トーンマッピングの詳細な仕組みについては、今回は割愛させて頂きます。

興味のある方は、是非調べてみてください。

どんなアップデートか

ここからようやくアップデートの話になります。

まとめると、トーンマッピングが AWS Elemental MediaConvert で可能になった為、合わせて HDR から SDR の変換も出来る様になったというアップデートになります。

AWS Elemental MediaConvert のドキュメントでも、以下の文言が追加されています。

(今までは、「MediaConvert で HDR を SDR に変換することはできません。」と記述されていました。)

From any supported HDR format to any supported SDR color space

 

また、公式ドキュメントでは、トーンマッピングの結果を過信せず、SDR への変換結果を人の目で確認する事が推奨されている様です。

When professional color graders convert an asset from HDR to SDR, they make artistic decisions about where to map colors from the larger space that don't exist in the smaller space. There is no standard formula to map these values automatically. The tone mapping technology that MediaConvert uses to do automatic conversion from HDR to SDR approximates the outcome of manually regrading from HDR to SDR. This automatic conversion works well with most content, but we recommend that you review your outputs to confirm the tone mapping results.

 

(機械翻訳)

プロのカラーグレーダーがアセットをHDRからSDRに変換する場合、小さなスペースには存在しない大きなスペースの色をどこにマップするかについて、芸術的な決定を下します。 これらの値を自動的にマップする標準的な式はありません。 MediaConvertがHDRからSDRへの自動変換を行うために使用するトーンマッピングテクノロジーは、HDRからSDRへの手動のリグレードの結果に近似しています。 この自動変換はほとんどのコンテンツでうまく機能しますが、出力を確認してトーンマッピングの結果を確認することをお勧めします。

おわりに

AWS Elemental MediaConvert に、HDR から SDR へのトーンマッピングがサポートされました。

私自身あまり HDR に詳しくなかった為、本アップデートを通して色々と学ぶことが多かったです。

 

AWS MediaServices の中で一番奥が深いサービスは MediaConvert なのでは・・・と思う今日この頃です。

 

以上、AWS 事業本部の大前でした。

参考

ハイダイナミックレンジ合成

スマホカメラの『HDR』機能って? 使ったほうが良いシーンを写真で解説

HDRテクスチャからSDRテクスチャへのトーンマップ

HDR Support in AWS Elemental MediaConvert