クラスメソッド バンクーバーだより: Vancouver Comicon
こんにちは、虎塚です。
11月に入り、雨が多い季節がバンクーバーにやってきました。天気の悪い日が続くので、気分が暗くならないように、生活の中にささやかな楽しみを見つけていこうと思います。
先週の日曜日、バンクーバーのコミックイベントComiconに参加してきました。今日はこのイベントについてご紹介します。
Comiconとは
- 公式サイト: Vancouver Comicon
- 公式Twitterアカウント: Vancouver Comicon (@vancomicon) | Twitter
Comicon、またはcomic conともいわれるこのイベントは、バンクーバーで3ヶ月に1回開催されているコミックの販売会です。Comiconが扱う本は、comic (comic bookとgraphic novel) に限定されています。
北米では、graphic novelとcomic bookとmangaはそれぞれ別のものを指します。厳密な定義はありませんが、ある記事によると次のような使われ方をしているようです。
アメコミ (Ame-Comi) と呼ばれるステープラー製本のカラー冊子は、comic bookに属します。comic bookが30ページを超えることは滅多にありません。シリーズものが多いため、続きを読むために読者は別の冊子を買う必要があります。
graphic novelは、長編のcomic bookと考えればよいようです。シリーズものも発刊されていますが、1冊で完結する物語も多くあります。
mangaは、日本のコミックです。伝統的な日本の書き文字に合わせて、上から下、右から左に書かれているのが特徴です。カバー絵を除いて、本文は白黒で表現されます。
このうちComiconが扱っているのは、graphic novelとcomic bookです。
なお、Comiconという名称のイベントは、北米の複数の地域で開催されています。イベントによって雰囲気や販売物は異なります。
会場と行き方
会場は、バンクーバーのMain StreetにあるHeritage Hall (3102 Main St. Vancouver BC) です。
クラスメソッドオフィスからの経路を紹介します。
バスで行く場合は、EB w Pender St FS Thurlow Stから019番のバスに乗り、EB Kingsway FS E 13 Aveで降ります。バス停から10分弱歩くと会場に着きます。
電車とバスで行く場合は、Burrard StationからExpo Lineに乗り、Main Street Skytrain Stationで降ります。その後、駅を出たところにあるSB Main St NS Terminal Aveから003番のバスに乗り、SB Main Street FS E 14 Aveで降ります。会場は、バス停から道路を渡ってすぐのところにあります。
Vancouver Comicon訪問記
入場
2016年11月6日(日)、Vancouver Comiconは11:00 - 17:00に開催されました。小雨が降るなか、昼前にダウンタウンからバスで会場へ向かいました。
会場のHeritage Hallは、1914年に建てられた歴史ある建物です。設立当初は郵便局として利用されていました。1970年代にバンクーバーのList of heritage buildingsに指定されたそうです。
結婚式もおこなわれるこんな素敵な建物でコミックのイベントを開催するなんて、面白いですね。
入場料は大人1名で4カナダドルでした。14歳以下の子供は無料です。昼過ぎに訪れたせいか行列はまったくありません。直前に二人連れの男性客が入場していきました。
会場の入退場は自由です。最初の入場時に、入場料を支払い済みであることを示すスタンプを手などに押してもらいます。
ちなみに、Heritage Hallの日曜日の会場費は、650カナダドルでした。出店者の参加費は、今回テーブル1つにつき55〜65カナダドルです。出店していたのは全部で10グループもありませんでした。参加者の入場費分でプラスになるものの、このイベントはほとんどボランティアで運営されているのではないかと思います。
Ame-Comi、Ame-Comi、Ame-Comi!
さて、入場してすぐに目を引くのは、各テーブルに並べたられたダンボール箱です。大量のアメコミのコレクションが、箱に入れて並べられています。まるでレコード屋のようですね。
会場は小さくて、上の写真に写っているエリアの倍くらいの広さですべてです。売る側も買う側も人はまばらです。この時に会場にいたのは全体で30名ほどでした。
じつは日本のComic MarketやCOMITIAのようなイベントを勝手に想像していたのですが、この時点で規模も内容もかなり違うことがわかりました。バンクーバーのComiconは、ごく小規模な中古アメコミの販売会に近いイベントのようです。
おなじみのマーベル作品をはじめ、Star Warsの本がどのブースにもたくさんありました。いろいろ見てまわって、ひとまず3冊買いました。
バンクーバーのあちこちにあるゲームショップにも新品のアメコミが置かれていますが、Comiconでは中古品を安く買うことができるようです。Comiconでは1冊2〜10カナダドルで販売されていました。人気のある稀少本や作者のサイン本などには、もう少し高い値段がついています。
スペシャルゲストの作品
正直なところ、アマチュアの書き手が自作品を手売りしているイベントを期待していたので、アメコミだけではちょっと物足りません。会場を見渡すと、ほかとは違う雰囲気の一角がありました。それがスペシャルゲストのブースでした。
Comiconでは、スペシャルゲストとしてプロの作家を毎回招待しているようです。この日は、Joe Keatingeさん、Colin Lorimerさん、Jim McPhersonさんが来場していました。
会場にあまり人がいませんので、アーティストの皆さんは隣同士でおしゃべりしたり、持ち込んだものを飲食したりと、手持ち無沙汰そうにしています。ブースに近づいて作品を見ようとしたところ、いろいろ説明してもらうことができました。
最終的に、それぞれのアーティストから1冊ずつ本を購入し、許可を得てテーブルの写真を撮らせていただきました。
まずは、Jim Mcphersonさんのブースです。小説もコミックも発行されています。
まず1冊読むとしたらどれがいいか質問したところ、小説とコミックのどちらがいいか、どんなジャンルが好みかなどを確認され、小説作品をお勧めしてもらいました。左のほうに写っている般若のイラストが表紙の本です。
次は、Colin Lorimerさんのブースです。厳ついイラストの作品が多いですね。
今回のComiconのポスターにも大きくイラストが載っているシリーズ作品の『HUNT』が気になりましたが、1冊で完結する別の本をお勧めしてもらったので、今回はそちらを買いました。うれしいことに、本とポスターにサインをいただきました!
最後に、Joe Keatingeさんのブースです。ずらりと並べられたシリーズ作品が目を引きます。
書店やオンラインでも購入できるのですが、会場限定の値引きをしてくれていました。今回は試しにということで、まずはシリーズの1冊目を入手しました。
やはり書き手の方と直接コミュニケーションしながら作品を見て買うのは、楽しいですね。来てよかったと思いました。
コスプレやフィギュアなど
この日は大人のコスプレイヤーは見かけませんでしたが、ドラキュラと魔女のコスプレをした小さな男の子と女の子がいました。どうやら先日終わったばかりのハロウィンの衣装のようです。また、バットマンのロゴ入のフードを着た男性もいました。
その他、会場にはこんなブースもありました。
プラスティックの箱に、フィギュアがたくさん詰め込まれています。アメコミを販売しているブースには、このように中古フィギュアやおもちゃを販売しているところもいくつかありました。
おわりに
今回は、Vancouver Comiconの訪問記でした。思っていたイベントとは少し違いましたが、作者の方と話す機会があって良かったです。せっかく北米にいるので、アメコミの教養を深めるために、機会があれば再訪したいと思います。
購入した本はアメコミ以外どれも分厚く、まだまだ読んでいる途中です。天気が悪いので家にひきこもりがちですが、買った本のおかげでしばらく楽しく過ごせそうです。
クラスメソッドでは、日本、バンクーバー、ベルリンで一緒に働く仲間を募集しています!
それでは、また。