Passpointについて調べてみた

2019.04.23

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

Passpointとは

Passpoint(パスポイント)という言葉をご存知でしょうか。
これは、無線LANの規格の一つです。

今現在、「Free公衆無線LANは危ないから絶対使わない」という方は多いと思います。
それは、今時点では正しいです。
一番強力だと言われていた、WPA2という暗号化規格もすでに一部では破られたという話も聞きます。

とはいいつつも、外出先で人の多いところでは「アンテナ立っているのに通信できない!!」ということもよくある話です。
「Wi-Fi使えねぇ」という声もよく聞きます。

そのような声に答えようと、約7年前にできたのが、Passpointです。
Passpointとは、無線LANの規格を管理しているWi-Fiアライアンスが認定している通信規格で、以前は、HotSpot2.0と呼ばれていました。

通常のWi-fiは、SSIDとパスワードが必要でしたが、この規格に対応していれば、Wi-Fiスポットに入れば自動的に接続されます。
また、一般的なSSIDとパスワードを使用した認証方式ではなく、各キャリアから提供される証明書を使用するため、非常にセキュアです。

歴史

Passpointは、2012年6月ぐらいから、実際のサービスは開始されていました。
3年後の、2015年4月にRelease2が開始され、機能追加されよりセキュアになっています。
(ローミング方式やチップの互換性アップなど)
規格番号で言うと、IEEE 802.11u です。
市販のWi-Fiルータとかでは対応規格として見たことがないですよね。
それは、なぜか?
ユーザの機器とネットワークをつなぐための規格ではなく、回線業者間のローミング(複数のユーザと複数のネットワークを接続する)を主の目的としているため、家庭向けの規格ではないからです。 実際にこの規格を取得するのには、色々な条件があるため、安価に取得できない認証規格になっています。

Passpointを使うためには
(※まだ国内のキャリアではPasspointは未提供です。)

すでに世界の空港などでは、利用可能になっているらしいので、長期休暇で飛行機を利用される方は自分の契約しているキャリアのHP等で確認してみてください。(利用できるエリアは、下記の各キャリアのHPで検索可能です)
使用できれば、高価なWi-Fiルータをレンタルしなくてもすむかもしれません。
現在発売されているスマホでは、サポート中のiPhone全機種、一部のAndroidがPasspointに対応しています。
しかし、何もしなくても使えるわけではありません。
設定が必要です。キャリアによって、設定方法等が違いますので、ご注意ください。
各主要キャリアの使用条件、設定方法等は以下URLから参照してください。
(詳しくは、各キャリアのHPを確認してください)
docomo:(https://www.nttdocomo.co.jp/service/wifi/docomo_wifi/)
au:(https://www.au.com/mobile/service/wifi/wifi-spot/)
SoftBank:(https://www.softbank.jp/mobile/network/wifispot/)

  • docomo:docomo Wi-fi(期間限定で無償 2020/6/30まで。一部契約プランによっては永年無償)
  • au:au Wi-fi spot(auピタットプラン、auフラットプラン、LTEフラットは無償)
  • Softbank:ソフトバンクWi-Fiスポット(フラット型パケット定額サービス加入で無償 )

※MVNOキャリアは一部のみ対応

Passpointの課題(技術的な課題以外)

  • 日本は、公衆無線LANに対するセキュリティ認知度がとても低い(危険であると言う認識が低い)
  • 店舗等で、市販のWi-Fiルータを使用した無償の無線LANが提供されているが、セキュリティレベルがかなり低い
  • 2020年の東京オリンピック開催に向けた海外からの渡航者に向けた社会基盤として、よりセキュアな公衆無線LAN環境の設置について話し合いがされているが、非常に身近な問題なのに関心が薄い
  • そもそも、Wi-fiより何倍も早い5Gに関心が集まりつつある

さいごに

2020年の東京オリンピック開催を契機に色々な社会基盤が整備検討されていると思われます。
身近にあるWi-Fiを、正しい使い方で安価で安全に、そして便利に活用してみてはいかがでしょうか。

次世代のWi-Fiは、IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)になるらしいです。(現在、IEEEにて承認中)
cisco社のページ:(https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/wireless/what-is-wi-fi-6.html)

参考URL

Wi-Fi Alliance公式ページ
日経新聞