[セッションレポート] What’s new in Cloud Run BRK2-057 (Cloud Run 新機能レポート) #GoogleCloudNext

[セッションレポート] What’s new in Cloud Run BRK2-057 (Cloud Run 新機能レポート) #GoogleCloudNext

Google Cloud Next '25 4/9(水) のセッション 「What’s new in Cloud Run」 で発表された Cloud Run の新機能をレポートします。ジョブの GPU サポートや、サービス、ジョブに続く新しいデプロイ形式も発表されました。
2025.04.10

はじめに

本日より 2025/4/9-11 の 3日間の日程で Google Cloud Next '25 がラスベガスで開催されています!
4/9(水) のセッション「What’s new in Cloud Run」 で新機能の発表があったのでレポートします。特に Cloud Run ジョブの GPU サポートや、Worker Pools という新しいデプロイ形式については注目です。なお、セッションの中で紹介のあった既にリリース済のサービスも合わせてレポートしますのでおさらいで目を通していただければと思います。

登壇者:Steren Giannini(Group Product Manager, Google Cloud), John Gill(Sr. Software Engineer, Wayfair), Scott Kennedy(VP of Engineering, Replit), Yunong Xiao(Director, Engineering, Google Cloud)

Cloud Run functions (Cloud Run 関数)

既に 2025/2/19 に GA となっており徐々に浸透してきた感がありますが、旧 Cloud Functions で実現していた関数のサーバレスデプロイ機能が Cloud Run に統合され Cloud Run functions (日本語ドキュメントだと Cloud Run 関数)となりました。

Cloud Run Admin API (run.googleapis.com) 経由で関数のデプロイを行うことができます。

functions.JPEG (2048×1536)

Gemini Code Assist in Cloud Run functions

こちらも既にリリースされていますが、Cloud Run functions のソースコードエディタ(Cloud Console)を利用したコード編集に対し、Gemini によるコード補完が提供されています。

gemini-code-assist

Cloud Storage volume mounts (プレビュー)

Cloud Run サービス / ジョブにて、コンテナファイルシステムとして Cloud Storage がマウントでき、バケット上のファイルの読み書きが可能です。
2024/11/7 にプレビューリリースされています。

なお、Cloud Run への function 機能の組み込みにより、Cloud Run functions でもマウントが可能となっています。

Cloud Storage volume mounts

Firebase App Hosting

Next.js, Angular などのフレームワークを利用したアプリを Firebase の App Hosting 機能で容易にデプロイすることを可能にします。内部的には Google Cloud の Cloud Build でビルドされ、Cloud Run にデプロイ、Cloud CDN にキャッシュされるアーキテクチャとなります。
(Cloud Run の機能ではありませんが紹介します)

firebase-app-hosting

Gemini Cloud Assist での Cloud Run サポート(プレビュー) <New!>

本日 2025/4/9 のリリースノートに記載されています。
Cloud Run の Terraform コード生成、コストの使用量と最適化、ソースコードのトラブルシュートなどを自然言語による対話で実現することができます。

gemini-cloud-assist

Direct VPC egress の改善 <New!>

Cloud Run から VPC に直接接続可能な Direct VPC egress について、サービスだけでなくジョブの対応も 2025/4/7 に GA となりました。

また、Direct VPC egress で構成された Cloud Run はインスタンス数の4倍の IP アドレスが必要でしたが、先日 2025/3/26 にリリースされた改善で、インスタンス数の2倍の IP アドレスでよくなり節約ができます。

direct-vpc-ingress

Identity-Aware Proxy build-in (プレビュー) <New!>

2025/4/7 にプレビューでリリースされました。
Cloud Run サービスに IAP を構成するためには Cloud Load Balancing を構成する必要がありましたが、本プレビューリリースでは Cloud Run で直接 IAP を構成できるようになりました。

iap-for-cloud-run

以下ブログで早速試してみましたのでご覧になっていただけますと幸いです。
https://dev.classmethod.jp/articles/iap-for-cloud-run-googlecloudnext/

Cloud Run Threat Detection (プレビュー) <New!>

2025/4/7 にプレビューでリリースされました。
Security Command Center に統合された Cloud Run Threat Detection で Cloud Run リソースの脅威検出が可能となります。
GKE コンテナに対する脅威検出サービスであった Container Threat Detection は提供されていましたが、Cloud Run に対する脅威検出サービスも追加となりました。

cloud-run-threat-detection

High Availability Architectures (プレビュー)

こちらは 2024/10/10 にプレビューとしてリリースされている機能です。
ワンライナーのコマンドで複数リージョンへのデプロイと冗長構成をとることができます。

high-availability-architectures

Worker Pools <New!>

こちらはサービス、ジョブに続く第三のデプロイ方式として本セッション内で発表されたものです。
ただし、2025/4/9 現時点でリリースノートやドキュメントが存在せず詳細は不明です。

説明によると、リクエストやトリガーを待つのではなく、常時起動で Pull 型のタスクを実行する際に最適なデプロイ方法とのことです。
インスタンス起動時の課金、外部から直接アクセスできない、手動/CPU使用率に応じた自動スケーリングが可能なようです。

worker-pools2

画像では見づらいため、スライドの記述を転載します。

Worker Pools
Continuous background work

  • Always on, pulling for work

  • Pay a lower price when instances run

  • No endpoint instance-level networking

  • Scaling:

    • Manual
    • Automatic CPU-based with min/max
  • Revision history

  • Instance splitting

ユースケースとしては、Kafka キューからタスクを Pull する、Cloud Pub/Sub サブスクリプションからメッセージを Pullする、GitHub Actions のセルフホステッドランナーとして登録するといった説明がされていました。

worker-pools

Vertex AI Studio to Cloud Run

こちらもリリースタイミングは未確認ですが、Vertex AI Studio から Cloud Run が直接デプロイできるようになっています。

Vertex AI – da-test – Google Cloud コンソール

Cloud Run with GPUs

サービスでは GPU の利用が GA でしたが、ジョブ でも GPU をサポートするとのことです。また、GPU 利用が可能なリージョンも追加になるとのことです。
ただし、こちらに関してもリリースノートの更新が無く詳細は不明です。

gpu

おわりに

本セッションでしか発表されていない内容もあり、非常に期待感のあるセッションでした。
詳細不明の Worker Pools やその他機能についても追って詳細を確認していきたいと思います!

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