
UIって何だろう?〜ポスターとアプリケーションの違い・静的デザインと動的デザイン〜
1. デザインには2種類ある
デザインにはさまざまな分野がありますが、ここでは主にITやデジタルプロダクトに関連するデザインに絞って、「静的デザイン」と「動的デザイン」に分類して考えてみます。
静的デザイン
情報を伝えることが主な目的。
- ポスター
- フライヤー・チラシ
- ランディングページ
- パワーポイントの資料 など
動的デザイン
ユーザーの操作や動きに合わせて機能するデザイン。
- スマホアプリの画面デザイン
- ウェブアプリのUI
- ダッシュボード
- 業務システムの画面 など
この2つは同じ「デザイン」という言葉で語られることが多いですが、目的や作り方が大きく異なります。
(もちろん、完全に分けられるわけではなく、ランディングページのようにアニメーションを活用するものや、デジタルサイネージのようにUI的な要素を含むものもあります。ここでは、デザインの「主な目的」に注目して分類します)
2. 静的デザインの特徴
静的デザインは、見て情報を伝えることを重視します。
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目的:視覚的なインパクトを与え、一瞬で情報を伝える
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特徴:完成された1枚のビジュアルとして成り立つ
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作り方:色・レイアウト・フォント・グラフィックなどで視覚的に印象を決定づける
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例:映画のポスター → 見るだけで内容の雰囲気が伝わり、見たくなる
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例:新製品のビールのランディングページ → 見るだけでおいしさが伝わり、飲みたくなる
たとえばポスターなら「美しいビジュアル」や「目を引くキャッチコピー」が重要です。人は数秒で判断するため、「一瞬で伝わること」が求められます。(静的デザインの中にも「じっくり読ませる」もの(例:書籍、雑誌の本文)もあります)
3. 動的デザインの特徴
一方で、 動的デザインは、ユーザーが操作しやすいことを重視します。
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目的:ユーザーが迷わず操作できるようにする
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特徴:見た目よりも「使いやすさ」や「直感的な操作性」が重要
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作り方:ボタンの配置や色の使い方、フォントの大きさまで「ユーザーが迷わないこと」を最優先に設計する
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例:スマホの家計簿アプリ → 収支のグラフが見やすく、入力も簡単で役立つ
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例:スマホの地図アプリ → 目的地をすぐ見つけられなければ意味がない
UIは 「見るもの」ではなく「使うもの」 なので、ただ美しいだけでは不十分です。ユーザーに使ってもらい、コンテンツに触れていただくことで始めて価値を発揮します。(ゲームUIなどでは、操作性だけでなくブランドや世界観の表現も重要になります。つまり、動的デザインは「使いやすさ」を軸にしつつ、ブランディングとのバランスも考える必要があります)
4. 静的デザインと動的デザインの決定的な違い
静的デザイン | 動的デザイン | |
---|---|---|
例 | ポスター | アプリケーションUI |
目的 | 見て理解させる | 使いやすくする |
役割 | 情報を視覚的に伝える | 操作をサポートする |
ユーザーの関わり方 | 受動的(見るだけ) | 能動的(操作する) |
例 | ポスター、チラシ、資料 | スマホアプリ、業務システム |
ポスターは「見る」もの、UIは「使う」もの。 これが決定的な違いです。(ただし、デジタルサイネージのようにタッチ操作できるものや、インタラクティブなポスターのような例外もあります。そのため、完全に分けるのではなく、「どちらの要素が強いか」という視点で考えるのが重要です。)
5. まとめ
ポスターやチラシのような静的デザインと、アプリのUIのような動的デザインは、それぞれ全く違う目的で作られます。
- 静的デザイン:「情報を伝える」ことが目的
- 動的デザイン:「操作のしやすさ」が目的
- 例外もあるため、デザインの目的に応じて適切に判断することが大切
どちらも大切なデザインですが、作る上での考え方は大きく異なります。もしデザインに関わる機会があれば、「これは静的デザイン?それとも動的デザイン?」と考えてみると、より理解が深まるかもしれません!