Tableau 2018.2 新機能紹介:TSM(Tableau Services ManagerまたはTableau Server Manager)登場の巻 #tableau
はじめに
DI部@大阪オフィスのtamaです。
Tableau Serverも2018.2がリリースされたわけですが、非常に大きな変更点として、Tableau Services Manager(又はTableau Server Manager, TSM)の登場が挙げられます。Tableau Serverの管理に関する部分が大きく変わったということで、当エントリでは、今までのTableau Serverの設定とTSMを比べてみて、どこがどう変わったのかを見ていきたいと思います。
※Tableauの公式HPでは「Tableau Services Manager」、実際の画面では「Tableau Server Manager」となっているため、両方併記しています。
検証環境
インストール先
- AWS EC2
- c4.4xlarge
- Windows Server 2016
その他
- 新規インストール
- 単一構成
TSMへのログイン方法
Tableau Serverを起動して、以下のURLへアクセスすればOKです。ちなみにログインする際のアカウント情報はTableau Serverをインストールしているサーバー自体の管理者アカウントです。Tableau Serverの管理者アカウントではないのでご注意を。
URL は次のようになります。
https://localhost:8850/ (サーバー コンピューター上で直接作業している場合)
https://MarketingServer:8850/ (サーバーの名前を知っている場合)
https://10.0.0.2:8850/ (サーバーの IP アドレスを知っている場合)
TSMの概要
今までのTableau Serverの管理は…
今までTableau Serverの管理・設定は、Tableau Server ConfigurationというWindowsアプリケーションか、コマンドプロンプト等でtabadminというコマンドを使用して設定する必要がありました。これらの設定を行う制約として、そのサーバー自体にリモートデスクトップ等でログオンしないとできませんでした。まあ当然っちゃ当然ではあるのですが、ちょっとした設定だけで、いちいちリモートデスクトップするのも面倒…と思わないでもないです。
TSMは…
しかし、TSMはWebブラウザ上で利用する機能です。そして、これはサーバー外からでもアクセスすることができます。つまり、ある程度の設定は(いちいちリモートデスクトップで入らなくても)自端末のWebブラウザから行えるということです。これはとても便利になったといえます。
さりげなく日本語になっているのも嬉しいですね。
tabadminコマンドはTSM CLIに変わりました
ただ、上記で「ある程度の設定」と言ったとおり、全部が全部の設定をTSMだけで行えるわけではありません。TSMでできないことは、やはり今まで通りサーバーに入ってからのコマンド実行となります。注意点としては、ここで実行するコマンドとは、今までのtabadminではなく、TSM CLIという新しいコマンドに変わっている…ということです。もしtabadminコマンドを利用したスクリプトを作成していたりする場合は、下記を参考にTSM CLIへ移行する必要があります。
それでは、旧設定と新設定(TSM)を比較していきましょう。
TSM:ステータス画面
こちらはTableau Serverの各プロセスの状態を確認できます。これはTableau Serverの管理画面(管理者のサイトロールだけが閲覧できる「ステータス」)でも見れます。
TSM:メンテナンス画面
ログファイル
Tableau Serverのログを入手できる機能になります。今までもTableau Serverの管理画面で行えましたが、2018.2からTSMへ移動しました。ただ、今回から追加された機能として、ここで生成したログファイルをTableauサポートに直接アップロードできるようになりました。いちいちサポート画面の方にアップロードする手間が省けるようになったのは楽ですね。
サーバークラッシュレポーター
これは、旧設定画面のGeneralタブにあった設定ですね。
TSMは日本語になっているので、直感的にどういう機能かわかりやすくなっています。
TSM:構成画面
トポロジ
Tableau Serverのノード数やプロセス数を管理する画面です。旧設定のServerタブで設定できた項目です。
セキュリティ
実行サービスアカウント
旧画面だとGeneralタブのServer Run As Userにあたります。
外部SSL
Tableau ServerにSSLを設定する場合はこの画面を使用します。旧設定でもSSLというタブがありました。
リポジトリSSL
Tableau Serverのメタデータが格納されているPostgreSQLへのアクセスに対するSSL設定ですね。これも旧設定のSSLタブにありました。
Tableau Serverリポジトリについては下記をどうぞ。
ユーザーIDとアクセス
アイデンティティストア
Tableau Serverのアカウント情報を保存しておくところをアイデンティティストアと呼称するようになったようです。Tableau Serverの認証方法はインストール後は変更できないという点は今までと同じです(Tableau Serverの再インストールが必要)。
旧設定ではGeneralタブにあった設定です。
認証方法
これはTableau Serverに対して各種認証方法(Kerberos、SAML等)を設定する画面です(「ユーザ名とパスワード」というプルダウンから選びます)。旧設定でも各認証方法毎にタブが用意されていました。
信頼できる認証
Tableau Serverのワークブックを別のWebページに埋め込んだ際、改めてTableau Serverへの認証をせずともワークブックを閲覧できるようにする設定です。ちなみに信頼できるホストの登録は、今まではtabadminを使用しないとできませんでした。
通知
メールサーバー
Tableau Serverでは条件に応じて自動でメールを送る機能(サブスクリプション)がありますが、それに使用するメールサーバーの設定画面です。旧設定だと「SMTP Setup」というタブで設定していました。
イベント
Tableau Serverの状態に変化があった時にもメールで通知することができますが、どういう変化があった時にメールを送信するかを設定する画面です。旧設定では「Alert and Subscriptions」というタブで設定します。
ライセンス発行
Tableau ServerのライセンスについてもTSMで管理するようになりました。以前のバージョンだと「Manage Product Key」という別アプリケーションで管理する必要がありました。
Tableau Serverの再起動
Tableau Serverの再起動や停止も、TSM(画面右上)から行えるようになっています。
保留中の変更
Tableau Serverの再起動が必要な変更は、このように「保留」という形で積み上がっていき、一通り変更を終えた後、最後に一回再起動して一括反映する…といった形をとることができます。
以前は画面で設定できたが、2018.2ではコマンドになった設定
キャッシュの設定
Tableau Serverのキャッシュについて、今まではは上記の画面で設定することができたのですが、TSMにはキャッシュの設定はありませんでした。ヘルプを見る限り、キャッシュの設定はTSM CSLを使用しての変更となったようです。
おわりに
Tableau Serverの各種設定を日本語のWebUIで行えるようになったのは非常に大きいメリットといえます。ただし、旧設定から変わった部分が少なくないため、よく使用する部分については予め確認した上でアップグレードするのがよさそうですね。