TableauはOLAPか?
前職はOLAPサーバを含むBI製品の代理店に所属しておりました、川崎です。部内で「TableauはOLAPか否か」という議論がありましたので、内容についてまとめてみたいと思います。
まず、「OLAP」はOnLine Analytical Processingの略(=オンライン分析処理)です。
会員制ドキュメント・ダウンロード・サービス「LiBRA」(リブラ) →提供資料の加工編集、再配布が可能 (http://libra.netcommerce.co.jp/) 図はLiBRAの「ビジネス・インテリジェンス」から引用 (http://libra.netcommerce.co.jp/library/knowledge/841)
伝統的な狭義の「OLAPサーバ」の要件は、
- 内部にOLAPキューブを持つこと
加えて、
- OLAPキューブへのクエリ言語である、MDXが使えること
ではないかと思います。そのように定義すると、TableauはOLAPではない、ということになります。(OLAPキューブが無いので)
一方で、OLAPサーバでできることを考えると、
- 任意のディメンション毎にメジャーを集計するピボットテーブル
になるかと思います。これはTableauでもできますし、Excelでもできる、ということになります。という訳で、広義のOLAP、一般的なオンライン分析処理というものを考えてみると、 TableauもExcelも含まれることになりそうです。私の中では、TableauはOLAPの発展形、のようなイメージですね。
Tableauがすごいのは、OLAPのモデリングを実質不要にしてしまったことだと思います。
OLAPの世界で、「大福帳形式」というのがありますが、Tableauは、大福帳形式を簡単に扱えるようになっています。(大福帳形式:ディメンションとメジャーが同じ表に含まれる)
伝統的なOLAPでは、この大福帳形式をスタースキーマ(スター構造)に変換して処理してましたが、わざわざスタースキーマにする必要がないのでは?というのが、Tableauでのイノベーション、と理解してます。
キーワードとしては「データ・ディスカバリー」というのがあります。 TableauやQlikView、TIBCO Spotfireがこのカテゴリの代表的な製品だと思います。
今、「データ・ディスカバリ」がおもしろい http://www.ashisuto.co.jp/corporate/column/technical-column/detail/1195105_2274.html
まとめ
という訳で、OLAPか否か、というのは、実は分析者にとっては大きな問題ではない、というのが実情ではないかと思います。
BIの世界のイノベーションである「データ・ディスカバリー」は何がすごいのか、そういった点を理解して、製品やシステムの提案ができるようにしていきたと考えております。