AWS のグローバルインフラストラクチャがよく分かる!3D AWS Infrastructure Map のご紹介
はじめに
こんにちは、岩城です。 皆さん、3D AWS Infrastructure Map を知っているでしょうか。 AWS のグローバルインフラストラクチャを視覚的に学ぶことができて最高だと思いましたので紹介します。
3D AWS Infrastructure Map とは?
AWS のリージョン、アベイラビリティゾーン、エッジロケーション、そしてそれらを接続するネットワークを視覚的に理解することができます。本エントリでは扱いませんが、データセンター、カスタムハードウェアのことについても取り上げられています。
Global Infrastructure
AWS のグローバルインフラストラクチャは、最高品質のグローバルネットワークのパフォーマンスを持ち、最も柔軟で信頼性が高く、スケーラブルで安全なクラウドコンピューティング環境を提供するように設計および構築されています。グローバルインフラストラクチャは、次の 4 つのコンポーネントで構成されており、本エントリで確認していきます。
- Regions
- Availability Zones
- Points of Presence
- Network
Regions(リージョン)
オレンジの点で示されたものがリージョンを表します。
リージョンは、地理的に離れた領域のことを指し、他のリージョンと完全に分離されるように設計されています。 また、リージョンは後述する複数のアベイラビリティーゾーンで構成され、各アベイラビリティゾーンは個別のデータセンターで構成されています。
現在利用可能なリージョンは 21 あり、AWS GovCloud と中国リージョンはアクセスを認められたアカウントのみ利用可能です。この他にローカルリージョンが 1 つ大阪にあり、利用するには東京リージョンとの併用が必須かつ申し込みおよび審査が必要になります。主な用途としては、DR(ディザスタリカバリ) サイトとして利用されます。この他に公開予定のリージョンが 4 つあります。
コード | 名前 | 開始年 |
---|---|---|
us-east-1 | 米国東部(バージニア北部) | 2006 年 |
us-east-2 | 米国東部 (オハイオ) | 2016 年 |
us-west-1 | 米国西部 (北カリフォルニア) | 2009 年 |
us-west-2 | 米国西部 (オレゴン) | 2011 年 |
us-gov-west-1 | AWS GovCloud (米国西部) | 2011 年 |
us-gov-east-1 | AWS GovCloud (米国東部) | 2018 年 |
ca-central-1 | カナダ (中部) | 2016 年 |
eu-central-1 | 欧州 (フランクフルト) | 2014 年 |
eu-west-1 | 欧州 (アイルランド) | 2007 年 |
eu-west-2 | 欧州 (ロンドン) | 2016 年 |
eu-west-3 | EU (パリ) | 2017 年 |
eu-north-1 | 欧州 (ストックホルム) | 2018 年 |
ap-east-1 | アジアパシフィック (香港) | 2019 年 |
ap-northeast-1 | アジアパシフィック (東京) | 2011 年 |
ap-northeast-2 | アジアパシフィック (ソウル) | 2016 年 |
ap-northeast-3 | アジアパシフィック (大阪: ローカル) | 2018 年 |
ap-southeast-1 | アジアパシフィック (シンガポール) | 2010 年 |
ap-southeast-2 | アジアパシフィック (シドニー) | 2012 年 |
ap-south-1 | アジアパシフィック (ムンバイ) | 2016 年 |
sa-east-1 | 南米 (サンパウロ) | 2011 年 |
cn-north-1 | 中国 (北京) | 2014 年 |
cn-northwest-1 | 中国 (寧夏) | 2017 年 |
ミラノ | 近日公開 | |
ケープタウン | 近日公開 | |
バーレーン | 近日公開 | |
ジャカルタ | 近日公開 |
Availability Zones(アベイラビリティゾーン)
青い点で示されているものがアベイラビリティゾーン(以降、AZ)を表します。
AZ は、リージョン内に存在するデータセンターのことを指し、リージョン内に複数存在します。他の AZ とは物理的に分離されており、例え災害が発生しても全ての AZ が停止することがないように設計されています。また、各 AZ 間は、高帯域、低レイテンシのネットワークで接続されており、EC2 インスタンスや RDS などのサービスでは、複数のアベイラビリティゾーンに配置することで可用性を高めることができます。ちなみに、このような構成をマルチアベイラビリティゾーン構成と言います。
Points of Presence(ポイントオブプレゼンス)
ピンクの点で示されたものが Points of Presence(以降、PoP)を表します。
PoP は、エッジロケーションのことを指します。エッジロケーションは、エンドユーザに低レイテンシでレスポンスするために存在します。例えば、CDN サービスである CloudFront では、エンドユーザの最寄りのエッジロケーションからレスポンスすることで低レイテンシを実現します。エッジロケーションを利用するサービスは以下のとおりです。
- Amazon CloudFront
- Amazon Route 53
- AWS WAF
- AWS Shield
- Lambda@Edge
- API Gateway
Network(ネットワーク)
白い点線で示されたものがネットワークを表します。
AWS のネットワークは、冗長性が高く、単一障害点がなく、多数の同時リンク障害に耐えることができるように設計されており、信頼性が高く、低レイテンシでスループットの高いネットワークを提供します。最大 10km 以下の海底ケーブルも含め、地球を一周する完全冗長化された 100 Gbps のネットワークで実現されています。ちなみに、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、オレゴンを結ぶ、14,000km におよぶ太平洋横断ケーブルが現在建設中とのことです。
おまけ
東京リージョン
東京リージョンの AZ の数は 4 つです。私は、これを最初に見たときに違和感を感じました。なぜなら、普段何気なく利用している AZ は ap-northeast-1a、ap-northeast-1c、ap-northeast-1d の 3 つだったからです。実は新規リソースの割り当てが停止している ap-northeast-1b が存在します。古いアカウントでは選択できるようなのですが、新規アカウントでは選択できません。
大阪リージョン
大阪リージョンの AZ の数は 1 つです。ローカルリージョンであるため、単体で利用することができず東京リージョンとの併用が必須です。以下のエントリに詳しくまとめられているのでご確認ください。
マップ表示形式の変更
本エントリで用いた画面キャプチャは全て地球儀のような表示形式で紹介しましたが、世界地図のように展開することも可能です。
おわりに
文字だと中々理解できない場合もあるかも知れませんが、視覚的で分かりやすく遊び心があって、3D AWS Infrastructure Map は、AWS のグローバルインフラストラクチャを楽しく理解できる良いツールだと思いました。
本エントリがどなたかのお役に立てれば幸いです。