[Amazon Connect] デフォルトで入っているサンプルの動作について

今回は、Amazon Connectのインスタンス作成時に自動定期に生成されるサンプルの内容を確認してみました。 電話番号を取得すると、自動的にこのサンプルが動作するようになっていますので、まずは、これを一通り動作させてみて、確認することで、Connectで、どのような顧客体験が実現できるのかをすばやく知ることができるでしょう。
2018.10.07

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1 はじめに

インスタンスを生成して、電話番号を取得すると、Sample Inbound flow (first call experience) という問い合わせフローのサンプルが設定されます。

今回は、この Sample Inbound flow (first call experience) について、その動作を確認してみたいと思います。

2 Sample Inbound flow (first call experience)

このフローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. 「プロンプト再生」ブロックで最初挨拶
  2. 「顧客の入力を取得する」ブロックで、顧客のキー入力を受け取る
  3. 入力に応じて8種類の問い合わせフローに転送する

なお、1の挨拶については、ユーザー属性(greetingPlayed)がfalseの場合だけとなっており、メインメニューともなっている、このフローが2回目に呼ばれた際は、挨拶は再生せず、いきなり「顧客の入力の取得」となります。

「顧客の入力の取得」では、下記のアナウンスが流れます。

Press 1 to be put in queue for an agent.
2 to securely enter content.
3 to hear the results of an AWS Lambda data dip.
4 to request a call back.
5 to set a screen pop for the agent.
6 to roll the dice and simulate a and b testing.
7 to adjust the priority of the contact queue.
Or 8 to set call recording behavior.

そして選択された番号で分岐するフローは、以下とおりとなっています。

番号 転送先フロー タイプ 説明
1 Sample queue customer 問い合わせフロー 顧客をキューに入れる
2 Sample secure input with agent キューの転送 エージェントを保留にし、顧客がプライベートで数字を入力できるようにする
3 Sample Lambda integration 問い合わせフロー ラムダ関数を呼び出し、ユーザー情報を判別する
4 Sample queued callback 問い合わせフロー 顧客にコールバックする電話番号を入力するか、キュー内で待つかを選択させる
5 Sample note for screenpop 問い合わせフロー ScreenpopはContactコントロールのPannel機能で、属性に基づいてパラメータを指定してWebページを読み込む
6 Sample AB test 問い合わせフロー A / Bコール分配を実行する
7 Sample customer queue priority 問い合わせフロー キュー内の顧客の順番を調整する
8 Sample recording behavior 問い合わせフロー 記録動作を有効にする

以下、このメインフローから転送される他のサンプルフローについて確認を進めます。

3 Sample queue customer

メインメニューで1番を選択されたときに転送されるのは、Sample queue customerです。このサンプルでは、オペレション時間に応じたキューへの転送要領が確認できます。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. キュー名(BasicQueue)を設定
  2. キューのオペレション時間を確認して、営業時間内と時間外で処理を分岐する
  3. 営業時間内の場合、キューへ転送する
  4. 営業時間外の場合、アナウンスして切断する

4 Sample secure input with agent

メインメニューで2番を選択されたときに転送されるのは、Sample secure input with agentです。このサンプルでは、エージェントを保留にしたり、クレジット番号などを安全に入力させるサンプルとなっています。

このフローでの動作は、概ね以下のとおりです。

  1. 接続を保留にする
  2. 「安全に入力できることのアナウンス」
  3. エージェントを保留にする
  4. 顧客の入力の取得(クレジット番号)
  5. 顧客入力の保存
  6. 保留の解除
  7. 切断

5 Sample Lambda integration

メインメニューで3番を選択されたときに転送されるのは、Sample Lambda integrationです。このサンプルでは、Lambdaの呼び出し要領及び、戻り値の取得要領を確認することができます。

このフローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. Lambda実行
  2. 発信番号から市外局番を取得
  3. 取得できた場合、若しくは、できない場合に応じて、そのアナウンス
  4. メインの問い合わせフローに戻る

6 Sample queued callback

メインメニューで4番を選択されたときに転送されるのは、Sample queued callbackです。このサンプルでは、コールバックを設定する方法を確認することができます。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. キューでの待ち時間を確認
  2. キューで待つか、コールバックをさせるかの選択
  3. コールバック番号の入力
  4. コールバック待機

7 Sample note for screenpop

メインメニューで5番を選択されたときに転送されるのは、Sample note for screenpopです。screenpop用のユーザー定義を設定する例となっています。残念ながら、このサンプルだけでは、ユーザー定義に保存した情報を、Screenpopでどのように利用するかについては触れられていません。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. ユーザー属性の設定
  2. キューへの転送

8 Sample AB test

メインメニューで6番を選択されたときに転送されるのは、Sample AB testです。このサンプルでは、分散(%)ブロックを使用した分岐の方法を確認することができます。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. 分散(%)ブロックで分岐
  2. 分岐に応じたメッセージを再生

9 Sample customer queue priority

メインメニューで7番を選択されたときに転送されるのは、**Sample customer queue priorityです。このサンプルでは、キューの優先度と時間の調整方法を確認することができます。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. キューの先頭に入れるか(優先度変更)、既存の待ちの先頭に入れるか(優先時間の設定)の分岐
  2. キュー優先(度、時間)の設定
  3. キューへの転送

10 Sample recording behavior

メインメニューで8番を選択されたときに転送されるのは、Sample recording behaviorです。このサンプルでは、録音設定の方法を確認することができます。

フローでは、大きく以下の動作が定義されています。

  1. 録音方法の選択(顧客のみ、エージェントのみ、顧客とエージェントの両方、録音なし)
  2. 録音の設定
  3. メインメニューへの転送

11 最後に

今回は、Connectのインスタンス作成時に自動で生成されるサンプルの内容を確認してみました。

電話番号を取得すると、自動的にこのサンプルが動作するようになっていますので、まずは、これを一通り動作させてみて、確認することで、Connectで、どのような顧客体験が実現できるのかをすばやく知ることができるでしょう。