AWS Elemental Linkの設定変更をしてみた

AWS Elemental LinkはAWS Elemental MediaLiveと連携して動作するためデバイス自体の設定項目は非常に少ないです。その中から今回は最大ビットレートの変更とIPアドレスの変更を試してみました。
2020.06.30

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はじめに

清水です。AWS Elemental MediaLive用のセットアップ済みライブエンコーダデバイスとして動作するAWS Elemental Link、これまで色々と試していく中でデバイス自体は非常にシンプル、設定項目も少ないことが確認できました。(基本的に設定はAWS Elemental MediaLive側で行います。)

本エントリではそんな数少ない、Linkデバイスの設定項目について確認してみました。また変更できる項目について可能な限り変更しています。

AWSマネジメントコンソールから設定できる項目

まずはAWSマネジメントコンソールのMediaLiveのページ、左側メニューからDevicesを選択します。以下のようなLinkデバイスのサムネイル、ステータスなどが表示される画面になります。設定を変更したいLinkデバイスのID部分(hd-で始まる文字列)をクリックして詳細ページに進みます。

デバイス詳細画面では以下のようにサムネイル画像、ステータスやビデオ解像度の他、ネットワーク設定なども確認できます。

さて、右上に[Edit]ボタンがありますね、こちらをクリックすると設定項目が現れます。といっても以下のように、設定項目はInput sourceMaximum bitrateの2項目のみです。

まずInput sourceについてはAutoHDMISDIの3つのうちから1つを選択できます。基本的にはAutoとしておいてLinkデバイスに挿すケーブルで選択する、ということも可能かと思います。運用上、両方のケーブルを挿したままで切り替えを行いたい、といった場合に活用できそうですね。今回はSDIで出力できる映像機器もなければBNCケーブルも手元にないので、設定変更は見送ります。

続いてMaximum bitrateは、Linkデバイスからの打ち上げる映像の最大ビットレートを指定することができます。デフォルトで9000000、9Mbpsに設定されていましたが、試しに0を一つ減らした900000、900kbpsに変更してみました。

設定後、デバイス詳細画面でも設定内容を確認しておきます。

実施にMediaLiveを設定してライブ配信をしてみます。MediaLiveのHealth画面で確認すると、以下のようにNetwork inがおおよそ900kbps前後で推移しているのが確認できます。(左側の9Mbpsは設定変更前のものですね。)

YouTube Liveと連携した環境があったのでこちらでライブ配信も視聴したところ、当然ながら900kbps程度の画質となりました。(ブロックが目立ちますね。)ただしこちらはMediaLiveの設定で出力として5Mbpsほどとなっている(ただし画質としては900kbps程度)点にも注意です。(本来はMediaLive側での出力ビットレートも制限するべきですね。)

AWS Elemental LinkではAWSマネジメントコンソールを経由せず、本体側で設定できる項目も(こちらも数少ないですが)存在します。まずはLinkデバイスのIPアドレスにHTTPSで接続しましょう。(HTTPでないところがミソです。HTTPだと接続できません。)

今回LinkデバイスはDHCPでの使用、IPアドレスは192.168.113.21が割り振られている状況です。https://192.168.113.21にアクセスします。

プライバシーについての警告が出ますが、アクセスを続けます。

ログインダイアログが表示されるので、Linkデバイスの裏面に記載のAdmin UsernameAdmin Passwordを入力します。

ログインすると、ネットワーク設定ならびにデバイスステータス(LEDライトの状況)が確認できます。

左上のハンバーガーボタン「≡」をクリックすると、その他設定できる項目が表示されますね。上記画面はStatus画面でしたが、 Network Configuration画面に進んでみます。

Linkデバイスのネットワーク設定をDHCPで設定していましたが、ここでStatic IPに変更することもできます。IP Address TypeをStaticに変更し、IP Addressなどを入力します。今回はDHCP環境とほとんど変わりませんが、IPアドレスを192.168.113.21から192.168.113.7に変更してみました。他デバイスとの兼ね合いで使用しているルータの設定でDHCPをオフにするのが難しく、完全なDHCPではない環境ではありません。ただルータのDHCP割り当てでIPアドレスは192.168.113.20から順に割り当てられるよう設定しており、DHCPの割り当てよりも若い番号を振って固定IPアドレスとして使用する、という具合です。

変更内容を入力して、[Update]ボタンを押下します。以下の画面に遷移するので上部のhttps://192.168.113.7の新しいIPアドレスのリンクをクリックしましょう。

新しいIPアドレスでもプライバシーの警告が表示されますが、アクセスを続けます。またログインダイアログも表示されますので、Admin UsernameAdmin Passwordを入力します。

以下のように再度Status画面が表示され、IPアドレスが変わっていることが確認できます。

その他、パスワードについても設定変更が可能です。左側メニューChange Passwordから実行することができます。

またInfoではOSSライセンスなどが確認できます。

まとめ

AWS Elemental Linkについて、(1) AWS Elemental MediaLiveのマネジメントコンソール、Devicesの項目から映像打ち上げ時の最大ビットレート設定を変更してみました。他にも入力ソースをHDMIかSDIかの選択ができます。また(2) Linkデバイス本体のIPアドレスでアクセスできる設定ページから、IPアドレス設定の変更を行なってみました。DHCPからStatic IPへの変更が可能な他、パスワードの変更も可能です。Linkデバイス、設定できる項目も非常に少なく、とってもシンプルなデバイスであることが再確認できました!