[新サービス] AWS を使用した配信イベントの計画から当日の運用までまるっとサポート!AWS Elemental Media Event Management(MEM) が GA されました!

AWS MediaServices に関する新しいサービス、AWS Elemental Media Event Management(MEM)を紹介します。 AWS からエンジニアをアサインし、お客様のイベントをサポートするサービスです。
2020.05.11

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こんにちは、大前です。

AWS MediaServices に関する新しいサービスが追加されましたのでお知らせします。

Introducing AWS Elemental Media Event Management

 

その名も AWS Elemental Media Event Management (MEM) です。どんなサービスなのか見ていきましょう。

AWS Elemental Media Event Management (MEM)

 

どんなサービスか

AWS Elemental Media Event Management (以下MEM) は、動画配信イベントの計画や運用などについて AWS のエキスパートからサポートを受けられるサービスです。

 

MEM を使用すると AWS のエンジニアがアサインされ、イベントに関する 4つのフェーズをサポートしてくれます。

  1. 初期の計画フェーズ
  2. イベントまでの準備・テスト
  3. イベント当日のサポート
  4. イベント後のサマリ報告と分析

(引用:https://aws.amazon.com/jp/media-services/resources/mem/)

1. 初期の計画フェーズ

MEM を使用すると、AWS Elemental Customer Success チームより役割の異なる以下の 2名で構成された MEM チームがアサインされます。

  • イベント配信マネージャー
  • メディアエンタープライズアカウントエンジニア

 

ざっくりとした言い方をすると、「配信イベントに特化した PM とエンジニアが AWS からアサインされる」サービスとも言えるかも知れません。

 

提案されたイベントに関するレビュー

アサインされた MEM チームは、最初のステップとしてお客様にて検討しているイベントのワークフローや要件についてレビューを行います。監視やアラーム、視聴者の種類など様々な要素を考慮した上で、メディアワークフローを構成する事になる製品やサービスがピックアップされていきます。

 

公式ドキュメントでは、推奨事項として以下のキーワードが挙げられています。

  • ビデオ構成(エンコード、パッケージング、オリジネーション)
  • CDN 構成
  • 構成の監視
  • フェイルオーバー設定
  • 重要な相互運用性の検証
  • テスト戦略

 

リスクアセスメントと緩和計画の実行

また、MEM チームはリスクアセスメントと緩和計画(Risk Assessment and Mitigation Planning: RAMP)プロセスを実行し、潜在的なリスクの特定とその緩和策となるベストプラクティスを推奨します。

推奨されるワークフローやリスクなどをまとめた文書として ORR(Operational Readiness Review document)が提出されます。

 

2. イベントまでの準備・テスト

ORR レポートの継続的な提供

MEM チームは主要なメトリクスやダッシュボード、影響緩和ステップを含んだモニタリング計画を繰り返しレビューし、毎週 ORR レポートを発行します。

これにより、特定済みリスクに対する対応状況などが繰り返し確認される事になります。

 

ゲームデイの実施

イベントが近づくにつれ、MEM チームによって運用上のランブックの推奨事項の提供や支援が行われ、少なくとも一回は実際のイベントをシミュレートする「ゲームデイ」が実施されます。

 

3. イベント当日のサポート

"War Room" の設置

イベント期間中は、ワークロードにて使用される AWS サービスに特化したエンジニアを含んだ AWS のメディアスペシャリストチームがスタッフとして配置されます。(War Room

ワークロードの複雑さによっては、MEM チームメンバーが客先常駐する事もあるそうです。

War Room の規模は、イベント規模や物理的な空間の制約などに基づいて変化します。

 

4. イベント後のサマリ報告と分析

イベントのハイライトレポートの作成と分析

イベント終了後は、イベント配信マネージャーによってイベントのレポートが作成され、分析を行います。

 

MEM チームへのフィードバック

最後に、お客様から MEM チームに対して評価を行う場が提供されます。

 

MEM を使用するメリット

公式ドキュメントでは、以下の 3点が挙げられています。

計画フェーズからアサインされる事で、AWS に関する知見を持ちつつ、お客様固有のワークフローを理解したエンジニアにサポートを求める事が出来るようになるというのは心強いですね。

 

Increase reliability using best practices

AWS Elemental Customer Success チームの専門知識を活用する事で、メディアワークフローの信頼性を向上させる事が出来る。

また、業界と AWS 両方に特化したエンジニアリング経験のメリットを享受できる。

 

Help identify and mitigate risks

運用リスクのアセスメントと、それらを軽減するための実行可能なアクションを ORR 文書として得る事が可能。

 

Reduce resolution time

お客様固有のイベントワークフローに精通したエンジニアがアサインされる事で、問題への迅速な対処が可能。

 

費用・期間

費用や期間に関する明確な定義はなく、イベントの規模などによって変化するとの事です。

公式ドキュメントでは、期間としては 一般に 10〜18週間 と記載されています。

おわりに

AWS MediaServices に関する新しいサービス、AWS Elemental Media Event Management(MEM)を紹介しました!

失敗が許容できないクリティカルな配信イベントでは非常に心強いサービスとなるのではないでしょうか。

 

以上、AWS 事業本部の大前でした。