【レポート】re:Invent 2017のTuesday Night LiveはAWSテクノロジーが言語化された瞬間だった #reinvent

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ども、大瀧です。
AWS re:Invent 2017のpre-dayに行われたTuesday Night Liveでは、Amazon EC2やVPCといったインフラサービスを支える技術についての解説がありました。サマリは日経さんの記事が詳しいです。

また、既にYoutubeでセッション全編の動画が公開されていますので、実物を観たい方はこちらをどうぞ。

本ブログでは、セッションで触れられた技術解説についてAWSエンジニアの目線から既存の機能との対応や解説自体の意義を語ってみたいと思います。

新たに発表されたこと

今回のセッションで初披露となったのは、以下2つです。

Nitro System

AWS独自開発のクラウド基盤

Hyperplane

AWS独自開発の内部向けソフトウェアロードバランササービス

誤解してはいけないのは、これら2つはユーザー向けに提供されるAWSの新サービスという訳ではなく、日頃利用しているAWSサービスを支える裏方達だと言う点です。

既存機能との対応

AWSサービスの裏方ということで、Nitro SystemとHyperplaneがどの辺りのサービスと対応しているのか、それぞれの紹介内容から当てはめてみました。

Nitro System

Nitro Systemは、最近リリースされたC5インスタンス、M5インスタンスが採用するKVMベースのハイパーバイザーをNitro Hypervisorと呼ぶように、Amazon EC2の仮想マシンを実行する仮想化基盤全般を指すようです。Nitro Systemの目指す先はハイパーバイザー処理のハードウェアオフロードで、物理マシンの持つコンピューターリソースを最大限仮想マシンに割り振ることを命題としています。

既存機能としては、EC2インスタンスで利用できる各仮想ハードウェアに紐付く以下の機能がNitro Systemに依るものと考えられます。

  • 拡張ネットワーキング : 仮想NICのネットワーク処理をハイパーバイザーをバイパスしてNICにオフロードする機能です。直近では2世代あって、第1世代のIntel 82559のSR-IOVベースのものと第2世代のENAがあります。ENAはセッションにあるAnnapurna labsが開発したものですね。
  • EBS最適化インスタンス : EBSのディスクI/Oに係る帯域を仮想NICの帯域と分ける技術です。過去の世代のEC2インスタンスでは選択式でオプション料金がかかっていましたが最近の世代のEC2インスタンスでは既定で有効になります。
  • EBS-NVMe : 最新のC5インスタンス、M5インスタンスで採用されたEBSストレージのインターフェースです。EBSにはSSDタイプのディスクが従来からありましたが、インスタンスからはXen互換のブロックデバイスとして認識されていました。より高速なNVMe互換のインターフェースを独自開発し、提供する形態です。

いずれの機能についても、セッションDeep Dive on Amazon EC2 Instances, Featuring Performance Optimization Best Practicesで詳しく解説されています。

Hyperplane

AWS Hyperplaneは、S3 API向けロードバランサーとして開発された後、Amazon VPCおよびAmazon EC2の様々なネットワークコンポーネントに応用されています。

  • Amazon Elastic File System(EFS)
  • AWS Managed NAT
  • AWS Network Load Balancer(NLB)
  • AWS PrivateLink

いずれのサービスも広帯域、高パフォーマンスを謳っており共通のロードバランス技術を使っているというのは、なるほど納得ですね。

Nitro System、Hyperplaneの意義

これらの内部向け技術/サービスは、AWSのユーザー視点として見ると新しい機能やサービスとしてできることが増えるわけではありません。しかし、それら内部向け技術に名前が付けられ、言語化されることには大きな意義があると思います。それらの特性は、派生するAWSサービスの動作について同僚とディスカッションしたり、顧客に解説するときに引用することができます。自己の頭の中でサービスを整理するときにも有用でしょう。場合によっては、他社クラウドの内部技術についての比較で役に立つことがあるかもしれません。

今回のre:Inventのセッションでは、ユーザー事例に混じってAmazon.comやAWS自身でAWSサービスを活用するDog Foodingの事例解説がいくつかありました。これまでAWSはクラウドの内部についての言及にあまり積極的ではない印象がありましたが、 最近その様子が変わってきているのを実感しています。是非その姿勢を続けていただくことを期待します。