[レポート]【ランチセッション】富士ゼロックスにおける AWS 導入と活用までの道のり #AWSSummit
今日はAWS Summit Tokyo 2015に来ております。初日のキーノート後の企業AWS活用事例ランチセッションに参加したのでレポートしたいと思います。
ランチ
セッション概要
- タイトル:[EA-01] (Enterprise Advanced) 【ランチセッション】 富士ゼロックスにおけるAWS導入と活用までの道のり
- スピーカー:黒須 義一(富士ゼロックス株式会社 ソリューション開発部 クラウド統括)
- 時刻:12:20 - 13:00
YouTube動画視聴
ランチセッションということもあり、最初は参加者にデプロイされたお弁当を食べながらの少し長めの富士ゼロックスの会社紹介動画を見る時間となっていました。(急いでお弁当食べないでよかった(汗))
実際に観ていた動画は下記(8分13秒):
価値あるコミュニケーション環境の提供を目指し続けて -会社紹介- 富士ゼロックス
経営課題
- ソリューションサービス事業拡大
- 生産性向上
※すでに富士ゼロックスは複合機、プリンターの会社ではなく、文書管理に関する総合ソリューションを提供する企業になっていて、事業が急速に拡大している。
ソリューションサービス事業を支えるクラウド基盤
2010年からNRIプライベートクラウドを利用開始 2012年にスピーカーの黒須さんに上司が相談
「開発者から費用が高い等の不満がある」
- 共通化前提のプライベートクラウドのみでサービス開発
- 初期の過剰投資や個別対応が相次ぎ、コスト高に
- スケーラビリティや機能も不足傾向
- 「みんなが同じ学生服 → すぐにみんなから不満が出てくる」
これらの不満解消のため個別対応を実施、結果「費用が高くなる」
あるべき姿
「コストデザイン力」強化とそれを許容できるクラウド基盤
改善策を企画>AWSを選択することに。
改善プロジェクト
プロジェクトは半年で完了
- 役員説明:3ヶ月(対面で粘り強く実施)
- コーポレート部門との調整(従量課金、毎月支払いと言った部分も調整)
- サービス仕様検討
AWSのメリットを受けるためにはさらに各方面の改善が必要
(1)体制
支援メニュー
- セルフ:素のAWSを使える。IAM、NWは設定されているものが渡される。検証、開発、HPC
- マネージド:NRIが管理。本番環境
(2)プロセス
- Fuji Xerox Cloud Design Pattern(FXCDP)
- 申し込みに係る事務フローも併せて簡略化
FXCDP:富士ゼロックス社内でAWSを利用する際のパターン集。100ページ。元画像エンジニア(!)が一念発起して作成。
事務フロー:信任プロセスが即日になった。しかし、購買プロセスがダメダメだった。 購買プロセスは16個(16手続きを通過する必要が)あった。 7個要らなかったので9個に減った。 手続きを2〜3ヶ月から2週間までに短縮。
セキュリティーレベルに応じたゾーニングを実施しアクセス制御。 ゾーンごとにデータを置けばいい(簡単!) 区分け:Red、Yellow、Green
(3)コミュニティ
社内AWS利用者間コミュニティを発足。AWSナレッジを共有 クラウド統括、クラウド先輩(6〜7人)、新規利用者
課題
AWSをAWSのようには使えていない(AWSネイティブには使えていない)
特にこの4点:IAM、SecurityGroup、続々出てくる新サービス、AWSを即使いたい
- AWSサービスは個々に調査が必要。調査>審議>リスト化
- Management ConsoleへのアクセスはFX Proxyアドレスに制限
- Beanstalk等が使えなくなる弊害>>>MFAを標準化して行きたい
- NACL/SGがNRI管理下のため、利用者側の設定自由度が低下
- PayerがNRI持ち、制限ポリシーのIAMをFXが利用している
- (IAMのポリシーの詳細がわからない等の制限があり不便)
利用者スキルのばらつき
社内は1:9でAWSをうまく使えない人が多い。そういった人に啓蒙しないと全社としてはうまくいかない。 「手順書作ってくれ」といった部分の「マインド」も改善していきたい!
今後
AWS導入後、利用者(テナント)は急増し集約が進む AWSの恩恵によるコスト30%以上減
社内プロモーションが重要
マルチリージョン マルチパブリック(AWS以外のパブリックサービスも良いものは連携していく)
最後に
黒須さんが富士ゼロックス社内でAWSを広めるための奮闘がよく伝わってきて、企業内でAWSを広める際のポイントがいくつも語られたセッションでした。