クラウド導入、何したらいい?←AWS製のフレームワークでアクション計画を立てよう

クラウド導入何から始めたら良いかわからない方、AWSが作ったフレームワークに沿って始めてみるのはいかがでしょうか。AWS CAF(クラウド導入フレームワーク)のご紹介です。
2019.08.30

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

クラウド導入、どうしたらいいかわからん

これからクラウド導入を考えていらっしゃる方、もしくは既にクラウド導入の検討を開始された方、「何をやったら良いかわからん」という状態に陥ってはいないでしょうか。

クラウドをオンプレの延長として考えてしまうと、クラウドの恩恵を十分に受けることはできません。新たなスキル、考え方、プロセスを学ぶことは不可欠であると言えます。ということくらいは皆さんもなんとなく理解されていらっしゃると思いますが、具体的にどういったことをやっていけば良いのでしょうか。

AWS クラウド導入フレームワーク(AWS CAF)

実はAWSはこのモヤモヤに答えるフレームワークを用意しています。AWS クラウド導入フレームワーク(AWS CAF) です。

AWS プロフェッショナルサービスは、組織がクラウドを導入するための設計とプロセスをサポートするため、AWS クラウド導入フレームワーク (AWS CAF) を作成しました。フレームワークで示されているガイダンスおよびベストプラクティスは、IT ライフサイクル全体で、組織全体にわたるクラウドコンピューティングへの包括的なアプローチを構築するのに役立ちます。 AWS CAF を利用すると、クラウドの導入をより早く行うことによる測定可能なビジネス面でのメリットを実現できます。

このAWS CAFでは、パースペクティブと呼ばれる 以下6 つの重点分野ごとにガイダンスを用意しています。

  • ビジネス
  • 人員
  • ガバナンス
  • プラットフォーム
  • セキュリティ
  • オペレーション

各パースペクティブは、特定のステークホルダーが持つ責任と紐付きます。例えば人員パースペクティブは、人事担当者の職責に関わってくるでしょう。ステークホルダーが現在持つスキルとプロセスが、クラウド導入にあたり必要になるスキルやプロセスに対してどのようなギャップがあるのか明らかにします。

抽象的で頭に入って来にくいかと思いますが、ホワイトペーパーがあるので、詳しくはそちらをご覧ください。

AWS CAF アクション計画の作成しよう

AWS CAFというフレームワークを理解いただいたら、この概念に沿ってクラウド導入を正しく進めていきましょう。アクション計画です。現状と理想のギャップを正しく認識し、そのギャップを埋めるための具体的な計画を立案します。

このアクション計画の作成についてのホワイトペーパーが存在します。が、現在のところ英語版しかありません。

このホワイトペーパーに書かれていることは、ざっくりとは以下のようなことです。

  • 前述のパースペクティブ毎に、どのような要素がクラウド導入の遅延または阻害要因になるか考える
  • 上記を解決するアクションプランを考える
    アクションプランはスキルをアップデートするものか、プロセスをアップデートするものかに大別できる
  • アクションプランをテンプレートに記載していく
  • 6パースペクティブのアクションプランをまとめたサマリも用意する
  • 定期的にアクションプラン進行具合をチェックする

どんなものがアクションプランになり得るのか考えてみた

ビジネス

  • クラウド導入によってインフラコストがどのように変化するのか調査する
  • クラウド導入による新たなビジネスリスクについて学ぶ

人員

  • クラウド人材の育成方法について学ぶ
  • どの程度のスキルレベルの人材が何人必要か調べる
  • 採用計画を更新する

ガバナンス

  • ソフトウェア等のライセンスがクラウド導入によってどう変化するのか調べる
  • クラウドを導入するプロジェクトで必要となるプロジェクト管理スキルは何か調べる

プラットフォーム

  • Well-Architected フレームワークを学ぶ
  • 他社事例を学ぶ

セキュリティ

  • セキュリティ要求基準をどのようにクラウドで満たすことができるのか調査する
  • インシデントへの対応マニュアルを作成する

オペレーション

  • クラウド導入の効果を最大限発揮できるデプロイ方法を学ぶ
  • パフォーマンスを監視方法を調べる

正直難しかったです。特にビジネスパースペクティブの前3つについてはあまり役割を理解できていないため難しかったです。
このフレームワークに沿ったからといって即具体的なto doに落とし込めるとは思いません。ですが各パースペクティブの説明を読めば、粒度はともかく取り組まなければいけない分野についての網羅はできるのではと感じました。それだけでも非常に有用だと思います。

まとめ

私が一番このフレームワークで良いなと感じた点は、テクニカルの分野だけでなくビジネス分野のステークホルダーもクラウド導入に巻き込んで考えるようになっている点です。テクニカルな部分ばかり、つまりエンジニアばかりがクラウド導入に取り組むのではうまくいかないと思います。コストも変わりますし、今まですぐには難しかったビジネス的な取り組みが簡単にできるようになったり、もしからしたら逆に難しくなったりする場合もあるかも知れません。「そんなの聞いてないよ」とならないために、クラウド導入は組織全体として取り組んでいく必要のある課題だと思います。その点が上手く反映されている良いフレームワークだと感じました。