あれ?料金表と違う価格が表示されている!? RDS RI 購入時に表示される時間単価について
こんにちは。池田です。今回もみんな大好きリザーブドインスタンス(RI)に関する話題です。 RI 購入時の画面と料金表を比較しながら購入された経験はあるでしょうか。 今回のタイトルにあるようなお問い合わせを実際にお客様よりいただき、同じ疑問を感じた方が他にも居るかもしれないと思いましたのでご紹介します。
どういうこと?
まずは RDS MySQL 料金表ページをご覧ください。ここには、インスタンスタイプごとに支払い方法とそれに伴う前払金などが記載されています。例えば、MySQL (シングル AZ)db.t3.xlarge 一部前払いの料金は以下のように記載されています。
通常は、ここで料金を確認して社内手続き等を経て購入作業に進むと思います。以下が実際の購入画面で表示されたMySQL (シングル AZ)db.t3.xlarge 一部前払いの料金です。
お気づきになりましたでしょうか。前払い金額はどちらも同じ $1,348.00 ですが、料金表ページでは「実質的時間単価」が $0.308 と記載されているのに対して、購入画面では「$0.154 (1時間当たり)」と表示されています。さて、 $0.154 だと思って購入したものが実は $0.308 で請求されてしまうのではないかと心配になりますよね。
安心してください
結論から先に書きますと、料金表ページで「毎月」の横に「*」が、「実質的時間単価」の横には「**」の記載があります。先の料金表ページをずぅーっっっと下までスクロールしていくと、この説明として以下の記載があります。
*これはリザーブドインスタンス期間全体の月別お支払額の平均です。毎月の実際のお支払額は、その月の実際の時間数に時間単位のご利用単価を掛けて計算されます。時間単位のご利用単価は、リザーブドインスタンス期間全体の月別お支払額の合計をリザーブドインスタンス期間全体の総時間数 (1 年は 365 日とする) で除算したものに相当します。
**こちらに示した実質的時間単価は、オンデマンドの料金と比較したリザーブドインスタンスのコスト削減額の計算に役立てていただくためのものです。リザーブドインスタンスを購入すると、選択したリザーブドインスタンス期間が終了するまでの間、インスタンスを実行するかどうかにかかわらず 1 時間ごとに料金請求が発生します。実効時間単価は、インスタンスのコストを 1 時間ごとに支払うと考えた場合の金額です。つまり、リザーブドインスタンスの期間全体の料金合計 (前払い分も含まれます) を、リザーブドインスタンス期間の 1 時間ごとに分配すると考えます。
つまり、料金表ページに記載されている「実質的時間単価」は前払金を含めて1年間利用した場合の合計額から算出した1時間当たりの金額ということです。一方、購入画面に表示される「1時間当たり」の金額は、前払金を差し引いた残金から算出した1時間当たりの金額であるため、料金表ページに記載されている金額の方が多くなっています。
ちなみに、先に例示した MySQL (シングル AZ)db.t3.xlarge 一部前払いの場合は以下のような計算になります。 (1ヶ月は730時間として計算します。 Calculator のよくある質問)
前払金: $1,348.00 毎月: $112.347 (これを 730時間で割った1時間あたりの単価 = $0.1539 A) (購入画面に表示される)使用料金: $0.154 B(1時間当たり) (料金表ページに記載されている)実質的時間単価: $0.308 A + B = $0.3079 ≒ $0.308
さいごに
これで購入画面と料金表ページに記載されている1時間当たりの単価が異なる理由をご理解いただけたと思います。料金表ページでは、1時間当たりのオンデマンド料金が一緒に記載されていますので、実質的時間単価(前払金を含めた1時間当たりの費用)として記載することで、どれくらい割り引かれるのかをイメージしやすくしているのだと思います。そして、購入画面では実際に発生する費用のみを記載しているということだとも思います。料金表ページには「オンデマンドと比較した費用節減率」も記載されており、より割引のメリットをイメージしやすく、過去の利用費から RI を購入した際の金額も算出しやすくなっています。まだ RI をご利用されていない方々もこれを機に購入をご検討されることをお勧めします。
おまけ
ここまでお読みいただいた方は RI の購入について検討、調査をされているだろうと勝手に予想してご参考にしていただきたい記事をご紹介しておきます。