EC2インスタンスの比較検討が超効率的にできるサイト[EC2Instances.info]の紹介
「うーん、だいたいWebサーバは、vCPU2で、メモリ8GBぐらいで良いんだけれど、どのインスタンスが一番お得なんだろう? よくわかんねぇ・・・(;´Д`)」
現在、EC2インスタンスは現行世代だけでもタイプが18種類。旧世代も合わせて、全ての世代・サイズを合わせると、その種類は100を超えます。
それぞれのユースケースを想定して多数のインスタンスタイプが用意されているわけなので、EC2の進化には驚くものがあるのですが、最初に軽くインスタンスを選ぼうと思っても、種類が多すぎて選ぶ時の敷居が高くなっているかなぁと感じるときもあります。
今日は、そんなインスタンスタイプの選択に迷っている方に向けて、EC2インスタンスの比較検討が、非常に効率的にできるサイトを紹介します。あと、インスタンスタイプ比較検討マニアにも受けるかもね!
ほな、行ってみよ。
サイト「EC2Instances.info」の紹介
サイトはこちらからアクセスします。
Amazon EC2 Instance Comparison
UIは非常に直感的でわかりやすいため、まずは触ってみることをオススメしますが、基本的な操作方法を解説していきます。
基本的な操作方法
リージョン選択
表示内容をフィルタするためのリージョンを選択。料金はもとより、最新インスタンスについては、東京リージョンで提供されていないものもあったりするので、一番最初に調査対象のリージョンを選んでおきましょう。
コスト単位
コスト単位の選択。Amazon公式サイトでは、通常1時間単位で料金が表示されていますが、コスト試算するときには月額の金額を意識することのほうが多いと思います。そんなときは、ここで「Monthly」を選んでおくと、月額で比較できます。また、先日の大型アップデートで対応された、秒単位での料金表示にも対応しています。
RI(リザーブドインスタンス)の契約期間と支払い方法の指定
リザーブドインスタンス購入時の契約期間(1年 or 3年)と支払い方法(前払い無し or 一部前払い or 全前払い)、および提供クラス(スタンダード or コンバーチブル)から、RIの表示コストをフィルタリングできます。
ここらへんは結構ややこしいのですが、詳細は公式ドキュメントを参照ください。
表示列の指定(全41種)
列内容一覧(1) | 列内容一覧(2) |
---|---|
Name | Enhanced Networking |
API Name | VPC Only |
Memory | IPv6 Support |
Compute Units(ECU) | Placement Group Support |
vCPUs | Linux Virtualization |
GPUs | Linux On Demand Cost |
FPGAs | Linux Reserved cost |
ECU per vCPU | RHEL On Demand cost |
Physical Processor | RHEL Reserved cost |
ClockSpeed(GHz) | SLES On Demand cost |
Intel AVX | SLES Reserved cost |
Intel AVX2 | Windows On Demand cost |
Instance Storage | Windows Reserved cost |
Instance Storage: already wared-up | Windows SQL Web On Demand cost |
Instance Storage:SSD TRIM Support | Windows SQL Web Reserved cost |
Arch | Windows SQL Std On Demand cost |
Network Performance | Windows SQL Std Reserved cost |
EBS Optimized:Max Bandwidth | Windows SQL Ent On Demand cost |
EBS Optimized:Throughput | Windows SQL Ent Reserved cost |
EBS Optimized:Max 16K IOPS | EBS Optimized surcharge |
Max IPs |
表示列を指定できます。全部で41種類。多すぎやろ。すげぇ。
CPUやメモリのスペックから、HW関連オプションの対応有無、また、ディストリビューション毎のオンデマンドとRIの料金など、比較したい項目はほぼ全て出力が可能です。
インスタンスタイプ毎の比較
表の内容は、各行のクリックが可能。比較したいインスタンスタイプを予めクリックしておき、この「Compare Selected」ボタンをクリックすることで、クリックしていた行でフィルタリングされ比較することが可能になります。
異なるインスタンスタイプの値段などを比較する時に便利すね。
vCPU、Memory、ストレージ(GB)によるフィルター
主要なHWリソースに対して、最小値によるフィルターが可能。「最低限、これぐらいのスペックは欲しいなぁ」というときに、使えます。
ユースケース「vCPU2、メモリ8GBぐらいでオススメのインスタンスは?」
ここで、冒頭のユースケースに戻って、上記のインスタンスを探してみます。
- リージョンに東京を選択
- 最小メモリに8G、vCPUに2を指定
そうすると、対象インスタンスがガガッと表示されます。
ただ、これだけだと、まだ比較するには多すぎますね。なので、vCPUあたりでソートします。
大分見通しが良くなりました。汎用インスタンスのt2.large、m5.large、m4.largeあたりが良さそうですね。ここで、その他ネットワークパフォーマンスやコストを比較してみます。
表示列をAPI Name、Network Performance、Linux On Demand cost、Linux Reserved costに指定、コストを月単位、RIオプションを1年全額前払選択した結果がこちら。
画像だと見づらいので、この表をスプレッドシートにはって、Markdownの表として出力した結果。
API Name | Network Performance | Linux On Demand cost | Linux Reserved cost |
---|---|---|---|
t2.large | Low to Moderate | $67.744000 monthly | $39.420000 monthly |
m5.large | High | $70.080000 monthly | $41.610000 monthly |
m4.large | Moderate | $73.000000 monthly | $42.340000 monthly |
こうやって見てみると、m4とm5に関しては、やはり最新世代だけあってコスト面でもパフォーマンス面でもm5を使ったほうが良いことがわかります。あとは、バースト対応の必要があるかどうかでt2.largeを使うかどうかを検討してみるのが良さそうです。コストも月額ででていると分かりやすいですね。
データの更新はどうなっているの?
これだけの膨大なデータ量。データの正確性は気になるところですが、ソースがGitHubで公開されています。
もちろん有志による開発ですが、contributorsが67人いるため、結構アクティブにメンテナンスされているサイトのように見受けられます。
RDSにも(限定的に)対応している
上部のタブにはRDSもあり、クリックすることで、ほぼ同じ内容をRDSでも実施可能です。ただ、サイト上部に「Note: Support for RDS information is a work in progress.」と記載されているので、利用に関しては限定的にしたほうが良さそうな雰囲気でした。
それでも、十分使いやすそうですけどね。
事前検討時の複数EC2インスタンス比較に現状最強のサイト
使ってみて思ったのは、そのUIのわかりやすさと抜群な操作性の良さ。使い方を上の方で解説したけど、はっきり言ってサイト開くだけで、EC2に馴染みにある人ならば誰でも使いこなすことができるかと思います。
インスタンスの比較時に、メモリーやCPUのスペックだけではなく、EBS最適化の有無やネットワークパフォーマンス、CPUクレジットの特色なども比較項目として検討したほうが良いので、そこらへんの事前知識はあったほうが良いのですが、それさえあれば、コスト面含めたインスタンスタイプの比較検討に無茶苦茶役に立つサイトだと思います。
最終的な意思決定時には、Amazon公式サイトで価格情報などの最新情報は確認したほうが良いかとは思いますが、インスタンスタイプの種類を把握したり、「一番高いやつどれやねん?」と探訪してみたり、適当にいじっているだけでも楽しいサイトなので、気になった方は、是非ブクマして活用していただければと思います。
Amazon EC2 Instance Comparison
それでは、今日はこのへんで。濱田(@hamako9999)でした。