【AWS Innovate】「ヘルスケア・ライフサイエンス業界におけるAWSサービスの活用」を視聴してみた

2019.10.04

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AWS Loft好きなKyoです。

AWS DevDay 盛りあがりましたね。 DevDayも面白かったのですが、10/1〜11/5までオンラインで開催されているAWS Innovateも非常に興味深いです。 今回はInnovateでヘルスケア・ライフサイエンス特集を視聴したのでレポート致します。

タイトルと講師

タイトル
  • ヘルスケア・ライフサイエンス業界におけるAWSサービスの活用
講師
  • アマゾン ウェブ サービス ジャパン
  • 技術統括本部 エンタープライズ本部 ソリューションアーキテクト
  • 小泉 秀徳 様

AWSが定義するヘルスケア・ライフサイエンス領域

  • 医療機関(ヘルスケア)
  • 保険者(ヘルスケア)
  • ベンダー(ライフサイエンス・ヘルスケア)
  • 政府(ヘルスケア・ライフサイエンス)

ヘルスケア領域での活用事例

ヘルスケア領域に置ける課題

  • 医療データの分析
    • 画像や医療データなど大量の医療データを分析し、そこから洞察を得る
  • 医療情報の連携
    • 組織内、医療提供者、保険者でのデータの連携
  • 患者とのエンゲージメント
    • Webやモバイルで患者と繋がり、価値ある情報を提供

Deep Learningでパーソナライズされた心臓3Dモデルの作成

課題
  • 冠動脈疾患の範囲と血流への影響を洞察することが難しい
  • 検査は高額&危険性を伴うが、半数以上の患者には優位な結果が得られない
AWSの導入効果
  • DLとスケーラビリティで大量の計算を迅速に計算、洞察を得ることができた
  • 患者ごとに個別の治療計画を立てることができ、不要な検査を減らすことができた
  • HIPPA準拠のサービスで病院のセキュリティレベルの承認までの時間も短縮

GE Health Cloudで医療データ共有によるコラボレーション

課題
  • データ不足により患者の症例の最大35%が誤診される
  • 医療従事者が必要な時に必要な情報にアクセスできる環境が必要
AWSの導入効果
  • システム間の相互運用とヘルスケアエコシステムの確率
  • 医療画像データの共有とコラボレーションが可能に(S3, Cognito etc)
  • AI/MLの活用により医療診断・治療の改善

ヘルスケアプラットフォーム「HealtheIntent」に AWSを採用

課題
  • 電子カルテを中心に10PBのデータを1日に11万回処理
  • データ分析で新たな洞察を得るために半年が必要
  • 外部パートナーとオープンに協業したい
AWSの導入効果
  • AI/MLの利用で期間は4週間以内に、コストも80% OFF
  • データの匿名化で外部のデータサイエンティストも活用可能に

深層学習を利用したドクターマッチング

課題
  • アメリカの保険は複雑で、自分に適したドクターを探すのが難しい(予約まで平均24日)
AWSの導入効果
  • DLで患者とドクターのマッチングにより24時間以内に予約可能になった
  • 保険範囲をリアルタイムで確認、自己負担金を予測可能になった

ライフサイエンス領域での活用事例

ライフサイエンスのワークロード

  • 創薬・基礎研究
  • 臨床試験
  • 製造
  • マーケ・調査

すべてのプロセスでAWSは活用されている

(創薬・基礎研究)CRISPR gRNA検索高速化とスケール化

課題
  • 毎月数百万件の検索に対してスケールしたい
  • 検索時間の向上
  • サーバメンテの削減
AWSの導入効果
  • Lambdaで検索時間を90% OFF。コストそのものも削減
  • サーバレスなので、サーバ管理不要

(臨床試験)臨床データの品質向上と医学的洞察の提供

課題
  • NHS情報ガバナンス、HIPPAへの準拠
  • 患者が簡単にモバイルデバイスにデータ登録できる
  • スケーラビリティ
AWSの導入効果
  • AWSサービスによりセキュリティ要件の担保(VPC, IAM etc.)
  • 患者とのコミュニケーションにはSNS, SESを利用
  • GPS情報を使った新たな洞察を得た

(製造)Merck Management Cloud (MMC) on AWS

AWSの導入効果
  • GxP要件のCSV対応をAWS環境で実施
  • 物理DCへの監査の代わりにAWSが提出するコンプライアンス、セキュリティレポートを活用

(マーケ)デジタルヘルスにより新技術・製品の価値を判断

課題
  • どの技術や製品が実際に価値を提供しているかがわからない
AWSの導入効果
  • モバイルアプリを利用して使用状況と予測データを提供
  • バックエンドとしてLambda + API Gatewayによるマイクロサービス

ヘルスケア・ライフサイエンス領域で有用なAWSサービス

  • データレイク
  • ゲノミクス
  • 医療情報の自然言語処理
データレイク
  • データを構造化、非構造化問わずS3に入れておく
  • 通常、データレイク作るの数ヶ月必要。Lake Formationなら素早く構築!
  • Glue, S3, IAM
  • Blueprints
  • Grant/Revokeによりデータアクセス制御
  • データカタログ探知でアクセス制御できる
ゲノミクス
  • 2017年ごろまではちょっと複雑なアーキが必要だった(SWF, Dyanamo, SQS, ECS etc.)。
  • 2019からはStep FunctionsとAWS batchで楽々。
AWS Batch
  • コンテナを利用したフルマネージドなバッチ実行
  • スポットインスタンスも使える
Step Functions
  • ワークフロー、分散アプリ、マイクロサービスの管理
  • AWS Batchとの統合
  • コードの削減
  • 履歴も残る
ParallelCluster
  • HPC cluterのデプロイと管理、オープンソースのツール
  • スケジューラor計算クラスタとして AWS Batchもサポート
自然言語処理
  • 臨床情報とは、巨大な非構造化ドキュメント
  • たとえばレントゲン画像は貴重な資料だが、個人情報が入っていると研究用に使いづらい
  • SageMaker, Rekognition, Comprehendを使ってレントゲン画像から個人情報を抜き出し、その部分のみマスクする、というプロセスが自動化できる

(DEMO) SNSにある副作用情報を分析し洞察をえる

  • ツイッターの情報をLambdaでクローリング
  • Lambdaが情報をTranslateに渡し、Comprehend Medicalで情報を抽出
  • これらをKinesis FirehoseでS3へ
  • AthenaとGlueでデータカタログ化
  • ユーザはQuickSightで可視化

所感

思った以上に多くのヘルスケア・ライフサイエンスの事例がありました。ライフサイエンス分野の出身者(ウェットの方ですが。)としては嬉しい限りです。また、個人的に気になったキーワードは、以下あたりでしょうか。

  • サーバレス
  • AWS Batch
  • Step Functions
  • Comprehend Medical

サーバレスやコンテナが使われているのはちょっと意外でした。これらについてまた深堀りできればと思っています。なお、視聴は11/5まで可能ですので、興味を持たれた方は是非ご覧いただければと思います。

AWS Innovate

以上、何かの参考になれば幸いです。