シアトルのスターバックスでモバイルオーダー&ペイを体験してきました

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スマホからオーダーして取りに行く

Amazon Go体験ツアーの合間にスターバックスのモバイルオーダー&ペイを体験してきました!ネット注文して店舗で受け取りという体験は、今後日本でも様々なシーンで増えてくると思いますが、スターバックスは規模感が違います。全売上の12%がモバイル注文で、リワード会員に関連する売上が全体の39%です。多くの方がモバイルアプリを使ってリモートから注文したり、店頭でアプリを提示しているのでしょうか。ここでは実際の体験をご紹介します。

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まずは米国アプリのインストールとチャージ

最初にして最大の山場は、米国Apple IDの取得と、米国でのチャージ(クレジットカード、デビットカード、ギフトカード、またはスタバカード)になります。米国Apple IDを取得するためには、既存の日本のApple IDからの切り替えではなく新規作成したほうが早いかもしれません。日本語のページに転送されてしまう場合には、ページ最下部の国の切り替えからUnited Statesを選択してください。新規作成が完了したら、スマホの設定画面から一旦サインアウトして、新規作成した米国Apple IDでサインインします。これでApple Storeが切り替わると思いますので、Starbucksを検索してみてください。

Create Your Apple ID

続いてチャージになります。米国スターバックスアプリでは、モバイルオーダー&ペイをするときに、スターバックスカードにチャージして使います。このスターバックスカードは店舗でアプリ内バーコードを提示して商品を購入することもできます。物理のスターバックスカードを店舗で購入してスマホにチャージすることもできます。スターバックスアプリ内でクレジットカード等を使ってチャージすることもできます。様々な方法で顧客との接点を作りつつ、それらが全て横串で繋がっているのは素晴らしいシステムだと思います。ちなみに、中国に出張したときもスターバックスに行ったのですが、ほとんどのお客さんがスマホでバーコードを提示して買っていました。レジには大勢の人が並ぶのですが、レジでは現金の受け渡しが無く大変スムーズだったことを覚えています。また、自分の番で現金支払いになり後ろの列が詰まってしまい恥ずかしい思いをしましたw。

以下はチャージ後のスターバックスカードです。

余談ではありますが、米国でクレジットカードを入手することは大変困難です。私は米国法人で利用するために作れたのはデビットカードでした。米国に住所が無い方がカード番号を使って買い物をするためには大変ハードルが高いです。そこで、ギフトカードという手があります。実際に今回はこのギフトカードを使ってスターバックスアプリのスターバックスカードにチャージしました。

以下はVISAバニラカードです。シアトルのセブンイレブンで購入しました。

モバイルオーダー&ペイをしてみた

それでは実際にスターバックスアプリから注文してみます。まずは商品を選びます。次にGPSから近場の店舗が出てきます。そして、チャージ済みのスターバックスカードから支払いを選択します。これだけです。

だいたい3-8分ぐらいで用意ができるとメッセージが表示されます。それでは店舗に行ってみましょう。

店舗に到着しました。

まだ出来上がっていないようです。5分経過。。。。まだです。。。。。。あ!お店を間違えていましたwww。シアトルでは多数のスターバックス店舗があります。間違えないように気をつけましょう。

気を取り直して実際に注文した店舗に移動します。もう出来上がっていますねw。

ここで注目です。satoshiとニックネームの書いたシールが貼ってあります。

特にレジに並ぶこともなく、店員さんから呼ばれることもなく、こちらから話しかけることもなく、出来上がったコーヒーが置いてあります。一言で言うと、めっちゃ楽ですwww。私の中でのスターバックスのイメージは、レジに並んで注文時に笑顔で接客を受けることでした。これが全く無い。いや、、、これ違いますね。店内にいるお客さんは店員さんと話しています。モバイルオーダー&ペイによって、レジに並ばないと店員さんと話せないペイン(痛み)と、前に並んでいる人がレジで店員さんと長々と話していて少々イライラするペインを両方解決しているのかもと思いました。そして、この体験は病みつきというか、滞在中の日常になりました。この感覚はAmazon Goが日常になる体験と似ています。レジに並ばないことが顧客のペインを解決している。レジが無いほうが接客に注力できるかもしれない。接客を求めていない顧客にも良い体験を提供できるかもしれない。

とくにアプリを使わない通常のサービスフローは以下のように

モバイルオーダー&ペイのサービスフロー

最近は、持ち帰り専門店もあるようです。忙しいビジネスマンにはピッタリのサービスフローですね。

モバイルオーダーの履歴です。

新しい店舗体験を考えてみました

モバイルオーダー&ペイは、自宅を出るときや、店舗の近くから注文することで、並ばずに商品を受け取れる素晴らしいサービスだと思いましたが、実体験としていくつか困ったことがありました。

まずは、座って食事したいのに席が空いてないフロー

せっかくスマートにモバイルから注文したのに席が空いていないと持ち帰る必要が出てきます。その場で友人と会話したいときには困りますよね。更に失敗シナリオとして、注文したけどかなり遅れて到着してしまった場合です。

そして、やってみて良かった体験をご紹介します。まず入店します。そして列に並ばずに空いている席に座ります。リラックスした気持ちでスターバックスアプリを開き、モバイルオーダー&ペイをします。パソコンやスマホを開いたり、友人と会話します。そして、5分ぐらい経ったら、出来上がったコーヒーを取りに行きます。そのまま持ち帰ってもいいし、そこで食事でも良いと思います。

席に着いてから注文するフロー

席に着いてから注文して、受け取ったら持ち帰るフロー

そういえば、日本のスターバックスでも「先に席をお取りください〜」って案内している店舗もありますね。席を取ってからレジ前に並ぶという流れから、席に座って落ち着いてから、その場でモバイルアプリから注文という日がやってくるかもしれませんね。

店舗の体験が良くなると更に1回の訪問で複数回の注文が入るかもしれません。

ここからは妄想ですが、店舗内での体験が五感に訴えて、自宅に届けたくなるかもしれません。

もしかしたら、店舗では何も注文せずに、宅配のみになるかもしれません。

究極的には、何も注文しない、人が集う場所になるかもしれません。

人々が集ったら、店舗ならではの体験によってブランドへの信頼が深まるかもしれません。たとえば、ワークショップなどです。

まとめ

米国スターバックスのモバイルオーダー&ペイを体験してきました。Amazon Goと同じく、一度体験してしまうと日常になってしまう心地よいサービスでした。

最近、サードプレイスに関するポリシーが更新されました。ポイントは、「regardless of whether they make a purchase.(購入をするかどうかにかかわらず)」の部分です。店舗体験が、レジに並んで商品を注文することを前提としたものから、人々が集うだけの場所になったとき、購買単価や購買頻度は上がるのでしょうか。また、利用者は良い市民としてお行儀の良い行動を維持できるのでしょうか。良い顧客体験のために、最先端のデジタル活用をいち早く展開し、多くの実績を積んでいるスターバックス、利用者としても事業者としても、今後も目が離せませんね。

Use of the Third Place Policy

追伸

今この記事をスタバで書いています。奥様からのLINEで、「バニラクリームフラペチーノのノンファットミルクでアーモンドシロップとチョコレートソース追加」という呪文が届きました。店内で飲食後の持ち帰りという店舗体験でした。