テレワークでも100%パフォーマンスを出すための企業カルチャーの作り方

345件のシェア(そこそこ話題の記事)

はじめに

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、在宅を含めたテレワークの導入が急激に進んでいます。先週発表されたマーサージャパン株式会社のプレスリリースでは、調査対象企業の8割が何らかの形で全社又は一部部門にてテレワークを実施しているとの発表がありました。

クラスメソッド株式会社でも全オフィスを閉鎖し、原則全社員リモートワーク(在宅勤務)の体制となっております。とは言え、クラスメソッドでは東日本大震災を契機として一貫してリモートワークを推奨してきましたので、大きな影響もなく業務を遂行できています。しかし、これまでテレワークを導入していなかった方々にとっては、突然在宅勤務をしろと言われても戸惑うことも多いのではないでしょうか。

勤怠管理、業務評価、人事考課、工数管理、健康管理、コミュニケーション...昨今では多くのSaaSサービスが提供されており、テクノロジーの観点ではほぼ全てクリアできると言えます。しかし重要なのはテクノロジーではありません。どこで働いても同じパフォーマンスを発揮することが出来る、それこそが真のテレワークであり、そのためにはテクノロジーだけでなくカルチャーも必要だと僕は考えます。

この記事では、経営メンバーの観点から、テレワークでも100%パフォーマンスを出すためのカルチャーの作り方、そしてちょっとしたTipsをお伝えします。

テレワークでも100%パフォーマンスを出すためのカルチャーの作り方

前提として、クラスメソッドが定義しているカルチャーはこちらになります。

徹底したセルフマネジメントの浸透

セルフマネジメントという単語は、人によって受け取り方が違いますが、クラスメソッドの場合は「全て」を指します。勤務時間、作業の優先順位と実施内容、作業環境、礼節、健康管理、キャリア設計、コミュニケーション...誰も何も指示しません。もちろん質問や相談すれば答えてくれますが、決断するのは自分しかいません。

これを表すのに「全員がリーダーでありマネージャーでありプレイヤーである」という言葉をよく使います。あるチームではリーダーでも別のチームではメンバーとして動くことも当然あります。リーダーもマネージャーもプレイヤーもそのチームにおける役割であり、その人の役職ではない、と考えています。必要なのは、そのシチュエーションにおいて自分がやるべき内容を判断し、必要があれば周囲を巻き込んで協力してもらいながら、最高の結果を出すために自ら進んで行動することです。

また「許可を得るな、謝罪せよ」という言葉もよく使われます。これは2011年頃に日本のインターネットで流行したミームの一つですが、弊社では今も強い言葉として残っています。「アクションするのにいちいち許可を得る必要はない。許可を取る時間が無駄。やっていいですかじゃなくてやりましたと言えばいい。その結果間違っていれば謝れば良いだけ」の意味で使われており、実際弊社内でなにか改善したいことがあれば、気づいた人が自分でタスクフォースと呼ばれるチームを作成し、改善を実施します。改善の実施に許可は一切必要ありません。

セルフマネジメントが徹底されており、誰もが仕事を管理せず、管理されていない。自分で自分の仕事をこなせばいい。だから働く場所は関係ない。これが弊社がテレワークでも大きな課題を感じない1つめの要因です。

アウトプットファースト

クラスメソッドではアウトプットファーストを掲げています。仕事でも、勉強でも、そこにアウトプットが無ければ周囲は誰もそれを評価出来ません。仕事において言えば、開発や構築した結果がアウトプットになりますし、そのために必要となる設計書やパラメータシート、手順書もアウトプットです。営業であれば提案書や見積書などがアウトプットです。もちろんお客様とコミュニケーションするためのメールやチケットやチャットもアウトプットです。勉強であれば、もちろんブログがアウトプットです。

仕事でも、勉強でも、アウトプットがなくて他人が見えないものは誰も評価出来ない、だから必ず他人が認識出来るアウトプットを出すこと、アウトプットで会話すること。これがアウトプットファーストです。

逆に言えば、アウトプットさえあれば、働く場所は関係ありません。これが弊社がテレワークでも大きな課題を感じない2つめの要因です。

テレワークにおけるカルチャーでの優位性

テレワークで大きく課題として上げられることが、勤怠管理と工数管理です。しかし前述した通り、セルフマネジメントが徹底されていれば勤怠管理なんて必要ありません。もちろん労務上の管理は必要だし、弊社でも業務開始と終了時間、休憩開始と終了時間を勤怠管理システムに入力する必要があります。有給も(一応)事前に上長に取得を報告する必要があります。しかしその時間が本当かどうかなんて確認しないし、有給を承認しないことなんて当然ありません。

工数管理も同様です。必要な結果だけ出ていれば、それに何時間費やしたかなんて意味がないし、余った時間を自分の勉強に充てたり他のことに使っていたからってなんの問題もありません。他の人より倍速で仕事を終えて残りの時間をサボったって、出てる結果が一緒なんだから評価は同等になるはずだし、もしサボらずに2倍の結果を出せば評価も2倍になるはずです。自分の能力で作り出した時間を何に使うかなんてそれこそセルフマネジメントの範囲内で、他の人が口を出すことでは無いと考えています。

ではその結果とは何か?それがアウトプットです。どれだけ時間をかけたってそこにアウトプットが無ければ評価しようがありません。逆に言えばアウトプットがあればかけた時間なんて関係ありません。自分の成果を証明出来るアウトプットがあること、アウトプットをすることが日常から意識されていること、それが徹底されていれば、何度も言いますが、オフィス勤務だろうとテレワークだろうと差異はありません。

テレワークのちょっとしたTips

コミュニケーションのハードルを下げる

現在多くの企業がチャットツールを導入していますが、やはりチャットツールに慣れていないとなかなか難しいと感じる人もいます。特にSNS慣れしていない人にとってはハードルが高いのは事実です。そこでチャットに慣れるための仕組みというのはあったほうが、コミュニケーションのハードルが下がります。例えば以下のようなことです。

  • misc(雑談)チャンネルをテーマごとに多数作る、みんなが勝手に増やして良いことにする
  • (Slackの場合)リアクションで使える絵文字を可能な限り増やし、気軽につかえる雰囲気を作る
  • times(分報)チャンネルでちょっとした雑談やネタや思いを雑に吐き出す
  • (当然だけど)弄りはハラスメントに繋がるので過剰にならないよう意識する

特に同好の士というのは話題が盛り上がるものなので、miscをガンガン増やすのはオススメです。

ビデオチャットやチャットのアイコンで顔出しを強制しない

顔が出ていたほうがコミュニケーションコストが下がるのは間違いないのですが、女性だったり一人暮らしだったりに関わらず、わざわざ自分の顔を他人に見せたくない、という人は一定数いるものです。可能な人はビデオをオンにしたりチャットのアイコンを実物写真にしたほうが良いとは思いますが、そうじゃない人に強制する必要性は全くありません。お互いに割り切って使うのが良いと思います。

ただしこれはケースバイケースなので、社員一覧のように顔写真の必要があるものについてはちゃんとお願いして設定してもらいましょう。

ビデオチャット中の家族やペットの乱入はむしろイベントとして扱う

現在、多くの学校が休校しており、子供が自宅にいる状況でテレワークしている人も多数いらっしゃると思います。また、特に猫あるあるですが、キーボードの上に乗ってこようとします。これをミーティングの邪魔者として扱うのではなく、むしろイベントとして、積極的に話題にしていったほうが、お互いに心理的な負担が少なく済みます。ビデオチャットの向こう側にいるお子さんやペットに積極的に話しかけたり、手を振ったりしましょう。たかだか1分や2分程度、ミーティングの支障になんて全くなりません。

議事録は最低限に

テレワークになると口頭で済ませられないために、どうしてもミーティングが増えます。そのミーティングとはビデオチャットかもしれませんし、チャットかもしれません。もちろんまずはミーティングの数を最低限にするのが最優先ですが、どうしてもMTGが必要な場合、発言の一つ一つを議事録として残すのはほとんど意味がありませんし、後で読み返しても結論がよくわからない、みたいなことになりがちです。議事録として残すべきなのは以下で充分です。大抵の場合は10行以内で収まるはずです。

  • なぜそのMTGをしたのか
  • MTGのゴール
  • MTG後のToDoリスト

特にToDoリストが残っていないと、そのミーティングの結果が何も進捗しないので、必ず残しましょう。もちろんタスクのオーナーと、必要あれば何故そのタスクが必要になったのか(Because)も書いておきます。

普段の2倍家事をする

これは既婚男性限定かも知れませんが、どうしても在宅勤務が増えると奥様の機嫌が悪くなって...みたいな話をちょいちょい聞きます。その原因が「家にいるから普段しなくて良い旦那さん分の昼ご飯の準備をしなきゃいけない」とかなんですが、これって簡単に解消出来ます。オフィスに出社している時以上に家事をやればいいだけです。出社時間がないのだから当然そのための時間はあるはずです。例えば朝ごはんは作る、昼ごはんは自分の分は自分でやる、打ち合わせが早く終わってちょっと時間が余ったのなら軽く掃除機をかける...探せば色々あるはずです。自分のことを自分でやるだけでも、奥様の負担は減ります。

さいごに

現状は大きなピンチでもありますが、大きなチャンスでもあると僕は考えています。より効率的に、より高いパフォーマンスを発揮出来るような、本当の意味での「働き方改革」がまさに今起こっているのだと思います。

しかし、この「働き方改革」がただルールやツールを整備しただけで終わらないようにしなくてはなりません。企業カルチャーを合わせて改革し、その企業のアイデンティティまで昇華させなければ、一時的なブームで終わってしまいます。ぜひ改めて、企業カルチャーを振り返って頂ければと思います。

この記事が多くの方の一助になれば幸いです。

合わせて読みたい

コメントは受け付けていません。