【速報メモ】ファームノートサミット2015に行ってきた – 1.経営におけるブランディングの重要性

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こんにちは、せーのです。今日は北海道の東側、帯広にて行われた「ファームノートサミット2015」の模様を速報としてお送りいたします。

ファームノートサミットとは

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「ファームノートサミット」とは酪農・畜産業界向けに特化したスマートフォンアプリ「Farmnote」の開発を行うITベンチャー「ファームノート」さんが主催する、農業 x ITというまさにこれからの分野を担う北海道最大級の農業ITカンファレンスです。
私達も今IoTに関する実績を着実に積んでいる最中で「農業」という分野にはIoTの未来が見える分野の一つでも有ります
なにより今年はスピーカーがすごい!北海道を代表する農業IT系の方はもちろん、Evernote、Amazon Data Service、チームスピリット、freee、Softbank、東急ハンズと名だたる企業の方が帯広に一同に介し、スピーカーとして登壇します。これは札幌でもなかなか集まりません。ということで早朝から車を飛ばして行ってきましたよ帯広

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ということでそちらの記事をあげようと思っていたのですが午前中に行われた「経営におけるブランディングの重要性」というパネルディスカッションがとても内容の濃い、面白いものだったので速報でまずこちらの模様をお送りいたします!

経営におけるブランディングの重要性

スピーカー

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  • パネラー 有限会社ファームデザインズ 代表取締役 海野 泰彦氏
  • パネラー 株式会社ファームステッド 代表取締役 阿部 岳氏
  • パネラー 株式会社ノベルズ 取締役 西尾 康弘氏
  • モデレーター 株式会社ファームノート代表取締役 小林 晋也氏

株式会社ファームステッド

農業のデザインやブランディングを行うデザイン会社。主に一次産業をデザインブランディングするために立ち上げた会社。農家、酪農家のデザインを行う。

主な事例:

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Happiness Dairy 嶋木農場
パッケージデザインがバラバラ、同じ会社の製品に見えないところを改善。

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多田農場
冷凍食品を、ラベルをアピール

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本山農場
ダンボールのデザインと旗を作成

他多数。

有限会社ファームデザインズ

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浜中町にて放牧スタイルの牧場を経営する傍ら、地場の高級牛乳、オリジナルスイーツを販売するレストランを展開。北海道内にて徐々に店舗を増やしつつタイの大手ビール会社ブーンロード社と提携し海外進出。現在タイにて18店舗をフランチャイズ展開。
一方で北海道トマムリゾートと提携し、リゾート内に夏牧場を作る計画を推進中。牛がサングラスをかけているロゴが特徴的。

株式会社ノベルズ

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上士幌町にて北海道では珍しい、乳牛と食肉牛を両方扱う牧場を経営。交雑種に黒毛和種の受精卵を移植してそこから肉牛を育てるという独自の製法を確立。ECサイトは今までのような筆字のようなサイトではなくスッキリさせて差別化を図る。

ブランディングを始めたきっかけ

  • 西尾氏
    • 赤身の肉を美味しくするには長く飼って筋肉を育てる必要があります。出産をした牛は経産牛と言われ、我々が育てている32-40ヶ月の牛と同じ、と見られ、取引をされるので、自分たちで売る方法を取らないと利益が出ないと判断しました。結果ブランディングをして自社の価値を高める必要がありました。
  • 小林氏
    • 企業ロゴとか作り替えましたよね?
  • 西尾氏
    • 去年変えました。他の牛と差別化するためですね。

  • 小林氏
    • 若々しいデザインにした理由は?

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  • 西尾氏
    • 黒毛和種は松坂や神戸等ブランドが確率されている牛があります。和牛は大体筆文字なんです(笑)。それとの差別化を図りたいと思いました。
  • 小林氏
    • 続いてファームデザインズ海野さん。牛にサングラスかけたり無茶ぶりしてますよね(笑)

  • 海野氏
    • 日本のものは質が良いからみなさんも国内に留まらずどんどん海外に打っていこう、という紹介をされるがそれはおかしいです。僕らのようなものはマスに行かない道を探らないと行けない。値段は関係ない、という存在にならないと生き残っていけません。
  • 小林氏
    • 差別化を意識しますか?
  • 西尾氏
    • 同業が800〜900あります。それと違うように見られたいです。
  • 小林氏
    • ところでFarmnoteはどうしてこんなロゴなの? (Farmnoteさんのロゴはファームステッドさんのデザイン)

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  • 阿部氏
    • 最終的には世界にだして恥ずかしくないものを選びました。そうなって欲しい、という想いを込めました。
  • 小林氏
    • ブランディング、差別化をする際にはロゴが重要だ、という認識ですがどうでしょう?
  • 阿部氏
    • そこはひとつ重要なものですね。

ブランディングの必要性

  • 小林氏
    • まずは制作側のご意見からどうぞ。
  • 阿部氏
    • うちは小さいしやらなくてもいい、と思っている人がたくさんいますがやる意義は一つしか無いです。
  • 小林氏
    • 自分に自信を持つこと?
  • 阿部氏
    • さすが、頭いい(笑)「自分というものを知るため」なんですよ。
      自分たちが何をするのか、というのをすごく考える。最終的に店舗デザインしたり等カタチにすることは出てくる。 例えば十勝ハーブ牛がブランディングをするとする。じゃあ他とどう差別するのか。社員にどう伝えるのか。 ブランディングを始めると色々考えなきゃいけなくなる。
      みなさん、あなたが一番できることは何ですか?ブランディングとはそれを表現することなんです。 それってほとんどの人がわからないんですよ。
      「うちは普通に酪農やってて、家族経営だし、、なにもないんですよね」何もないわけないんです。
      なのでそこを見つける、というか作り出す仕事が8割です。あとはそれを表現すればいい。
  • 小林氏
    • そうするとデザインだけの費用、例えば5万円でロゴつくる人とかどう思います?
  • 阿部氏
    • うちも頼もうか、と思います(笑)。そういうところはロゴだけ作ってるんです。あなたの強みはなんですか、ということが抜け落ちているのでハッキリ言って何の意味もないんです。
  • 小林氏
    • 結構ダークな話で(笑)。
  • 西尾氏
    • 私は6年前にこの会社に入って、最初にどう売ろうかというのが課題で、この牛のいいところ、他と違うところを探す作業をずっとやっていたことを思い出しました。
  • 小林氏
    • 自分たちがなにをやっているのかを研ぎ澄ます、ということがブランディングなんですね。
      高付加価値をつける、というお話が有りましたが?
  • 海野氏
    • 最近よく講演に呼ばれるのですが、ブランドというのは結局「自分を表現するもの」と答えるようにしています。そして、よく「仲間が集まってなんかやろう」というような話を聞くのですが、必ずやめたほうがいいと言います。まず1人でやるべきです。「あなたを表現するもの」を作るべきです。
      私にとって農業は一般に言われる3Kなんかじゃなく「かっこいいもの」と思って入りました。農業のブランディングってあえてダサめを狙うのが多いんです。土臭いというか。僕はそれが嫌だった。
  • 阿部氏
    • 牛がサングラスかけているじゃないですか。そんなの普通はないですよね。北海道なんだからもっと「ほんわかした」「あったかい」「のどかな感じ」の方がいい、って言うんです。でも牛がサングラスかけてると一目見て忘れないですよね。天才的だと思うんです。只者じゃないな、と。ということはこの店で売っている牛乳も只者じゃないんだなと見てる人はおもってしまう。
      うちもよく「北海道っぽい」ものを求められるがやらないです。千歳空港にいけばそういうのは山ほどあります。そうしないと売れないと思っている。でも売るってそれと違うものをどう出していくか、ということころにあると思うんです。
      フランスの田舎とか、本当に田舎に行ったのに都会的なデザインのものに出会ったり、そういうものに出会うとそのギャップにやられるんです。フランスってこんな田舎までこんなデザインになっているんだ、と印象付けられるんです。
      だから浜中の奥だからって牛にサングラスかけてもいいんです。
  • 小林氏
    • 自己にとってのブランディングがそうであれば、会社にとってのブランディングはどうでしょう?会社に与えるインパクトは。
  • 海野氏
    • 普通だと目立たない。うちだと名前、名前本当に覚えてくれないんですよ。「デザインファーム」って本当によく言われます(笑)。 でも牛がサングラスかけてるのは覚えててくれる。インターネット上で画像を見て提携したタイでも悪い評判は出なかったですね。
  • 小林氏
    • それ(インターネットの画像)でタイと提携取れるなら儲けモンですね(笑)。
  • 海野氏
    • 大変だったんですよ(笑)。 でも結論としては企業イメージがパッと浮かぶのでいいですね。
  • 小林氏
    • そういえば最近駅とか空港に行った時にノベルズの広告が目につくんですが、あれって新卒とか採用とかを狙ってるんですか?

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  • 西尾氏
    • はい。採用を念頭においていますね。特に道外の採用にインパクトがあればと思って出してます。 ノベルズを探してもらう一つの目印にしてほしい。
  • 小林氏
    • 社員がブランドに誇りを持っているようにみえます。

  • 西尾氏
    • 最近スタッフに任せるところも増えてきて、経営者だけじゃなくスタッフが「あのロゴかっこいい」「あの広告いい感じ」とどこかで言われているんだと思います。それでより自発的に動いてくれる。結果採用に役立っています。
  • 小林氏
    • やっぱりイメージのいいところに入りたいですもんね。逆にブランディングやってみたけど失敗した事例とかありませんか?
  • 阿部氏
    • 「マークだけ作ってくれればいいんだよ」という話になるとあまりうまくいかないですね。「社長が変わったからマーク変えたいんだよね」「今ならうちもお金も出せるから頼むよ」「めんどくさいことはいいから看板だけ変えたい」というようなことだと結局長続きしない。成果が出せないんです。
      スタッフにも「うちのボスは何を考えてるんだ」というのって伝えるの大変じゃないですか。朝礼とかだけでは。でも例えば「うちは肉牛を売るけどサイトやデザインは筆文字とかやめてスッキリさせます」というのはすぐに伝わる。スタッフもすぐに外に言ってくれます。
  • 小林氏
    • 最後に皆さんに向けて一言ずつどうぞ
  • 阿部氏
    • うちなんかが電話していいのかな、とよく言われるんですがうちのモットーとしては必ず連絡をくれたら現場を見に行きます。みなさんがどのようなことをやっているか、というのを表現することをモットーとしています。今ならFacebook等も有りますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
  • 海野氏
    • 海外の展開はどこまでできるかわからないがどんどん積極的に進めていきたいですね。やっぱり北海道の物産展ってすごいですよね。海外にもこれをどんどん広げていきたい。
      国内は星野リゾートとの提携ですね。星野リゾートさんの思いとしては「北海道の原風景を表現したい」ということです。
      観光客は例えば美瑛や富良野にあるような景色とかそういうのを求めているのに、札幌とかでは実際にはそういう風景はなくなっているわけで。
      北海道農業のショーケースを作りたいです。ここに来れば「やっぱり北海道はいいな」と思えるところを作りたい。
      北海道の牧場のイメージって実はスイスとかにあるような海外の風景なんですよね。それをトマムで作りたい。
  • 小林氏
    • それは面白い試みですね。
  • 西尾氏
    • ノベルズは地域の農業を活性化させていきたいです。上士幌は農業やるしか無いんですね。他の地域も離農されたりする方がいると思います。そういう方の受け皿になれるようにしたい。牛肉、牛乳含めてその地域地域の経済活動を衰退させないような働きができたらいいな、と思います。
      ブランディングとしては個々の商品のブランディングではなく「ノベルズがやってるからいいものだろう」という信頼の元にブランディングが出来るようにしたいです。結局お客様との信頼があってこそ商品を認めてもらうわけですから。
  • 小林氏
    • では最後に私の方でまとめを。ブランディング以前に話を聞いていて気づいたところなんですが、ここに集まってらっしゃる皆さん、ベンチャーですよね。農業の既成概念を広げていっている、という印象を受けました。ひとつ違う所に踏み出す、という方は自然とブランディングを結果的にやってた、という印象を受けました。
      皆さんベースは違うところにあって。例えば帯広から出て戻ってきてます。大阪からまったく異業種で。東京から上士幌町に帰ってきて。私も東京ですし。
      結局ここには農業と関わってなかった人しか集まってないんですよね。でも他分野から農業へと視野を広げることが重要で、その武器がブランディングなんだろうな、と思いました。 これからみなさんも自分の価値を見つける際にブランディングは重要なキーになると思います。
      自分たちはブランディングしないと勝てない、と思っていまして。私達ファームノートも30名弱の会社なんですが、普通のITなら飲まれます。 実は僕のプレゼン資料は必ず右上にロゴが入っています。これはこだわりがありまして。結局ビジネスにおいては 顧客接触頻度が大事だと思うんです。いい質のブランディングのものを何回も顧客に見せる、信頼してもらうというのが営業的にはとても重要。
      だから何回もロゴマークを出す。それだけロゴマークに接する時間が増える。信頼してもらわないとものも買ってもらえないし人も集まってこない。そういう意味でブランディングはとても重要だ、ということを再確認することができました。今日はどうもありがとうございました。

まとめ

いかがだったでしょうか。とても中身の濃い、本音を語り合った時間帯に感じました。この情熱とそれを支える技術が組み合わされば、日本の一次産業の未来もとても面白いものになると思えた、とても清々しいセッションでした。