世界最大級のコンシューマ・エレクトロニクス見本市 IFA Berlin 2019 に行ってきた

ベルリンの「のび田」です。ベルリンは8月の終わりと共に一気に涼しくかつ肌寒くなり、早くも秋冬の訪れを感じている頃合いです。

さて今年もIFA Berlinの時期がやって参りました。ベルリンに拠点を置くIT企業としてはもっとも注目度の高いイベントの一つではないでしょうか。日本ではIFAの知名度は高くないと思われますので、改めてIFAがなんであるのかおさらいしていきます。今年のIFA 2019では日本が「IFA Next」という大学機関やスタートアップ企業などの最新技術に特化したコーナーでパートナー国に選ばれるなどで日本企業の出展もかなり目立ちました。実はクラメソもヨーロッパ進出直後にIFAに出展していた経緯があります。

IFA Berlin とは?

そもそもIFA Berlinとはなんぞやということですが、「IFA」はドイツ語の「Internationale Funkausstellung」の略で「Internationale(国際的)」「Funk(ラジオ)」と「Ausstellung(展示会)」となり、「国際ラジオ展示会」と直訳されます。実は1924年より開催されており、当時はドイツのラジオなどの放送技術を世界に知らしめる目的で始まったそうです。1930年にはかの有名なアインシュタインがIFAのオープニングに招かれるほどの盛況ぶりだったようです。

大戦の影響で1940年代には中断されたものの、1970年代以降は放送技術に限らず良い広義のテクノロジーに関する展示会に代わり、現在に至っては北米のCESと並び、世界を代表するコンシューマ・エレクトロニクスの見本市として毎年ベルリンで開かれています。

IFA 2019の見どころは?

今年のIFAについて特に何もリサーチせずに行き、ほぼ全てのパビリオンを見て歩いてきた印象です。

LG の巨大曲面ディスプレイと「巻けるテレビ」の存在感

まずなんと言っても一番目玉だった展示はLGの巨大湾曲ディスプレイの展示「Massive Curve of Nature」でした。

日本でいうとTeamlabの展示のように両側を鏡で囲み、巨大な波や宇宙の様子を映し出すことで、かなりImmersiveな感覚を湧き起こす展示でした。波の真ん中の下が通路になっており、波の下に飲まれ混むようにLGのメインのパビリオンに入場することが想定されているあたりさすがマーケティングやブランディングが上手いなという感じです。Life's Goodです。

曲面ディスプレイもここまで曲がるようになったんだなと関心していると「巻けるテレビ」がお出迎えしてくれました。

まあ巻けるのであればあれだけ湾曲するのも余裕ですねと納得です。

また、スマホのコーナーでは「2画面スマホ」が初お披露目されていました。 壊れやすすぎて話題になったSamsungの折り畳みのスマホと違い頑丈さは抜群でしたが、如何せん重かったです。192gだそうです。

各社がこぞって競う「8K」テレビ

ほぼ各社目玉商品としてこぞって展示していたのは「8K」テレビでした。

LGやシャープなどの老舗メーカーからChangHongという中国からの新興メーカーまで各社こぞって8Kテレビを宣伝しています。 皆同じじゃないかと思って画面を見てみると、一部のメーカーのテレビは8Kにしては画像荒すぎないかなと思うようなふしがありました。そんな心理を感じてかLGは他社の8Kディスプレイのなかに8Kの国際的な基準に満たしていないものがあることをデモンストレーションしたりもしてました。

IoTやスマート家電の出展も目立つ

左下のNukiはオーストリアの企業で、シンプルかつ洗練されたデザインのスマートドアロックをアピールしていました。Alexa等に連携し、鍵なしでかつセキュアなドアロックを提供しています。右下は中国深センに本拠地を置き、家電のIoT化サービスであるTuya Smartで、様々なIoTやスマート家電をサポートすることをアピールした展示でした。ちなみに筆者はTuyaのスマート電球をAlexa連携で使用しております。

台湾にヘッドクオーターを置くSynologyはSmart Home向けにData Storageサービスの展示をしており、IoTやスマート家電が増えていく中でデータやファイルの一元的管理を容易にできることから注目を集めていました。

また最近日本でも試験的導入が進んでいる電動式キックボードも各所で散見され、実際に試乗できるスペース等も設けられていました。Xiaomiはスマホだけじゃなく電動式キックボードも作ってるのですね〜。

Sharp、Sony、Panasonic等日本企業がかなりの注力

シャープは8Kのテレビで人だかりを作っていましたが、SonyやPanasonic等の日本企業もIFAにかなり注力している様子でした。 まずはSonyから。

木をベースにした清潔感と温かみのある空間を演出してユーザーとして試用機を触りやすいような雰囲気。 日本企業のパビリオンはどこも人が存分に配置されており、質問や対応がスムーズでかなり好印象。

写真左は完全ワイヤレスイヤホンの試着エリア。使い捨てのEarbudを自分で装着し、机奥の穴からは飛行機内の音を模したノイズが流れ出ており、飛行機内でのノイズキャンセリングの効果を体感できる仕組み。

写真右は一眼レフのフォーカスのデモンストレーション。プロっぽいカメラマンがプロっぽいモデルを被写体にいかに動的な対象に対していかに早くそして正確にオートフォーカスが定まるかを実演。

 

 

 

 

 

 

Panasonicのパビリオンは黒を基調にシックな雰囲気に仕上げ、スマート家電などの実演や試食などかなりインタラクティブな展示会となっていました。写真右下はカミソリの刃と日本刀を比較しての展示は外国人ウケ良さげ。

また冒頭で紹介した「IFA Next」という日本が今年初のパートナー国として選ばれた、大学機関やスタートアップ企業などの最新技術に特化したコーナーでは、日本ならではのユニークな製品やアイディアが来場者の好奇心をくすぐっていました。

例えば以下の「Qoobo | 心を癒やす、しっぽクッション。」の展示は、日本ならではの発想じゃないかなと感心しまいた。 来場者からも「What's this?」というような質問が多く、展示者が「It's Qoobo!」と答えるやり取りが聞こえ思わず微笑んでしまいました(「It's Qoobo!」と答えられても質問者は余計に「???」と言った感じだったので)。猫の感触を再現したクッションで撫でると尻尾を振ってくれます。猫が好きだけど猫を飼えない人(アレルギーや賃貸住宅の居住者等)をターゲットにしているそうです。

感想

やはり全体として東アジア企業の力がすごい強いと感じられるIFA 2019でした。数としては中国企業の出展が目立ち、かつ中国国外では知名度の低い企業が大きめのブースを設け宣伝している点などは、IFAの世界最大級のコンシューマ・エレクトロニクス見本市としての宣伝舞台の価値を裏付けるもののように感じされました。

日本企業としてはSharp、Sony、Panasonicが、韓国企業としてはSamsungとLGが、大規模な展示を展開しており、ブランド力のある企業の中でもまだまだIFAは重要な場であることも見て取れました。

ただ、さすがにPhilippsやBoschなどのヨーロッパの企業も力を入れた展示をしており、1924年に主役としてIFAを主催したドイツが2019年においてもテクノロジーの分野でリードしている点は目を見張るものがあるとしみじみ感じましたね。