[iOS][OS X] 「Network Link Conditioner」を使って iOS 端末または Mac の通信速度をシミュレートする

2016.05.16

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

はじめに

こんにちは。モバイルアプリサービス部の平屋です。

本記事では「Network Link Conditioner」の使用方法を紹介します。このツールを使えば iOS 端末や Mac の通信速度を遅くしたり、通信が繋がらない状況を試したりすることができます。

環境

  • OS X El Capitan 10.11.4
  • Xcode 7.3.1
  • iPhone 5s iOS 9.3.1

iOS 実機の場合

開発用デバイスであれば、「設定アプリ」に「デベロッパ」項目があるのでこれを選択します。

network-link-conditioner-001

「NETWORK LINK CONDITIONER」セクションの「Status」セルを選択します。

network-link-conditioner-002

テーブルの1つ目のセクションの「Enable」セルのスイッチで、回線速度のシミュレーションの有効/無効を切り替えられます。2 つ目のセクション内の任意のセルをタップすると、シミュレーションで使用するプロファイルを選択できます。以下の画像では、「100% Loss」というプロファイルが有効になってます。

network-link-conditioner-003

一番下のセクションの「Add a profile...」をタップすると、プロファイルを追加できます。

network-link-conditioner-007

各プロファイルのセルの右端のインフォボタンをタップすると、選択したプロファイルの詳細を確認できます。

network-link-conditioner-004

詳細画面の一番下の「Duplicate Profile...」ボタンをタップすると、プロファイルを複製できます。

network-link-conditioner-005

新規追加または複製したプロファイルの各項目の数値は自由に編集できます。

network-link-conditioner-006

「3G」プロファイル (bandwidth = 780 Kbps) を選択した場合の通信速度は以下のようになりました。

network-link-conditioner-008

iOS シミュレータ/Mac の場合

iOS シミュレータの場合「設定アプリ」の「デベロッパ」の中に「NETWORK LINK CONDITIONER」セクションはありません。また Mac の場合も「Network Link Conditioner」は標準で入ってません。

Mac に「Network Link Conditioner」を入れれば、Mac 上の iOS シミュレータやブラウザで iOS 実機と同様のことを試すことができます。

Network Link Conditioner を入れる

Developer Tool のダウンロードページを開きます。Xcode のメニューから開くこともできます。

network-link-conditioner-009

デベロッパーアカウントでログインします。

network-link-conditioner-010

「Network Link Conditioner」は「Hardware IO Tools for Xcode x.x」に入ってます。

今回は「Hardware IO Tools for Xcode 7.3」をダウンロードします。

network-link-conditioner-011

ダウンロードした .dmg ファイルをダブルクリックし、その中の「Network Link Conditioner.prefPane」をダブルクリックします。

network-link-conditioner-012

Mac の設定によっては、以下のようなダイアログが表示されるので、「システム環境設定」の「セキュリティとプライバシー」を開いて、インストールできるようにします。

network-link-conditioner-013

インストールが終わると「システム環境設定」のトップ画面に「Network Link Conditioner」が追加されているのを確認できます。

network-link-conditioner-016

機能は iOS 版と同様です。

network-link-conditioner-017

Profile 項目のプルダウンをクリックすると、プロファイルを選択できます。

network-link-conditioner-018

右下の「Manage Profiles...」をクリックすると各プロファイルの複製やプロファイルの新規追加を行うことができます。

network-link-conditioner-020

動作結果

「3G」プロファイル (bandwidth = 780 Kbps) を選択した場合の、シミュレータの Safari の通信速度は以下のようになりました。

network-link-conditioner-021

Mac のブラウザの通信速度も同様の値になりました。

network-link-conditioner-022

まとめ

本記事では「Network Link Conditioner」を使って通信速度をシミュレートする方法を紹介しました。アプリの動作をテストする時などに役に立ててみてください!

参考