【レポート】クラウド環境で動画編集をする(DEM113) #reinvent 2019

re:Invent 2019 のセッション Video editing in the cloud(DEM113)のセッションスライドから読み取った内容についてご紹介します。
2019.12.30

こんにちは、札幌在住 AWS 事業本部 オペレーション部(通称オペ部)の池田です。
今回は re:Invent 2019 のセッション Video editing in the cloud(DEM113)のセッションスライドから読み取った内容についてご紹介します。

セッションについて

  • タイトル
    • Video editing in the cloud(DEM113)
  • 発表者
    • Mark Stephens, Partner Solutions Architect, Amazon Web Services

概要

Customers’ movement of content to the cloud provides more opportunity for remote collaboration because organizations no longer have to transfer large video files for that collaboration. Secure video editing on AWS is possible now, and we discuss this along with partner solutions, workflow, and visions for the future.

公開資料はこちらにあります。残念ながらセッション動画は公開されていないようです。

アジェンダ

  • What do customers want?
  • Tech stack and options
  • Recipe for success
  • Partners and use cases

What do customers want?

クラウド環境を利用したビデオ編集において望まれているもの

  • AWS の仮想ワークステーション
  • Linux および Windows
  • デュアル HD モニター
  • 高精度な色と解像度
  • 低遅延

なぜ望まれるのか

  • 編集者が急遽見つかる(原文では Burst editors と表現)
  • 必要に応じたオンデマンドでの拡張性
  • オンプレミスで問題となっていたデータの同期を解消できる
  • 外部記録媒体を使わずストリームピクセルのみで完結する、MPAA / TPN 準拠のセキュアな環境
    • MPAA(Motion Picture Association of America) : アメリカ映画協会のコンテンツセキュリティ基準に則った TPN(Trusted Partner Network)のセキュリティ審査
  • 各地に分散した従業員、フリーランサー、彼らが住む場所で働けるリモート環境
  • イベント動画の編集者が世界中にいない実情
  • 職場のオーバーヘッド、物理マシンの用意が不要となり、職場環境の削減が可能

Tech stack and options

PCoIP Ultra : teradici 社製 PC over IP プロトコルを使用したリモート映像 / 音声編集ソフトウェア

Amazon WorkSpaces は、リモート映像 / 音声編集作業用途にも適している

Amazon EC2 では NVIDIA GPU インスタンスも提供されている

Recipe for success

遅延対策と通信帯域におけるベストプラクティス

  • AWS と Teradici (社製品)の連携
  • 高帯域幅インターネット回線を利用した低遅延通信環境の確保
    • 最大 200mbps のバーストでワークステーションごとに最大 10mbps を想定
  • AWS Direct Connect を使用する
  • Teradici ゼロクライアントと最新の CAS(同じ略称が色々とあり、適切な正式名称を特定できませんでした...) を使用する
  • 低遅延なペンタブレット、キーボードとマウス

30FPS での推定ピーク帯域幅

用途、目的に応じた適切なツールを選びましょう

  • Amazon AppStream 2.0 : ユーザーが即座にデスクトップアプリケーションを利用できるフルマネージドなアプリケーションストリーミングサービス
  • Amazon WorkSpaces : 管理が簡単なワークステーション環境な。ニュース、プロモーション、スポーツなどの映像配信におすすめ
  • Teradici + Amazon EC2 : マルチモニターやペンタブレットの利用もできる強力なワークステーション環境
  • 独自のワークステーション環境を構築したいなら AWS マーケットプレイスから teradici 製品の導入も可能

Partners and use cases

IPV(Internet Pro Video)社1の事例

映像データからの文字起こしやデータの変換に複数の AWS サービスを組み合わせて利用している構成図と、文字起こしされた字幕の一覧、編集ソフトウェアの紹介。curator の利用事例については 2019年5月の AWS Blog でも取り上げられていました。

EditShare 社2の事例

ヨーロッパで開催されているテニスの世界大会の映像編集の裏側について、映像データの流れや遠くアメリカ国内の編集エンジニアによって作業が行われていた様子などが紹介されています。

まとめ

セッションは、事例紹介として grass valley 社の映像編集ソフトウェア EDIUS と grabyo社の SNS 向けライブビデオ作成プラットフォーム grabyo の紹介が続いて、締めくくられています。
スマートフォンが一般化したことで特に複雑な技術や仕組みを意識することなく、映像や音声の配信、写真やビデオの共有が日常的に行えるようになって久しいですが、このセッションを通じて、ニュースやスポーツ大会など迅速な伝搬とより高画質を求められる場面の裏側、ユニバーサル放送や多言語対応としての字幕作成などを素早く、かつ効率的に行う仕組みについて知ることができました。たしかに、複数人が作業を行うためにいくつもの PC 間で動画データを共有するのであればクラウド環境を活用するのが効率的ですね。そして、動画編集などマシンスペックを要求される作業であっても物理 PC を用意するのではなく、クラウドの仮想マシンならば迅速に安価で必要な台数を確保することが可能です。こういった利用方法は他の用途でも応用できるものと思います。上手に活用して業務の効率化やコスト削減に繋げたいですね。


  1. NAB2000(2000年に開催された米国放送業界団体のコンベンション)で発表されたプログレッシプ映像配信を可能とする映像圧縮技術を発表した企業(日経CG2000年5月号より) 
  2. 映像配信業界向けのネットワーク共有ストレージおよびスマートワークフローソリューションを提供する企業(About EditShareより)