[速報] EC2インスタンス向けに 5つの新しいネットワーク性能メトリクスが登場しました! #reinvent
Amazon EC2 のネットワーク性能監視メトリクスが5つ追加されました!
Amazon EC2は、顧客がインスタンスのネットワークパフォーマンスをより深く把握できるように、ネットワークパフォーマンスのメトリクスを追加提供するようになりました。5つの新しいメトリクスは、インスタンスがAWSによって定義されたネットワーク許容量を超えた場合を可視化します。これにより、アプリケーションパフォーマンスの問題を積極的に解決し、望ましいネットワークパフォーマンスに基づいてインスタンスを適切なサイズにすることができます。
冒頭の部分をDeepL翻訳(一部加筆修正)したのがこちらですが、EC2インスタンスの設計上限に達したかどうかが可視化され、インスタンスサイズを適切に選択する助けになるものとうたわれています。
追加されたメトリクス
具体的には、下記の5つとなります(こちらのドキュメントより):
メトリクス名 | 説明 |
---|---|
bw_in_allowance_exceeded |
インバウンドの上限を超えたパケットの数 |
bw_out_allowance_exceeded |
アウトバウンドの上限を超えたパケットの数 |
conntrack_allowance_exceeded |
コネクション数の上限を超えたパケットの数 |
linklocal_allowance_exceeded |
Link Localアドレス(169.254.x.x)への通信(PPS : packets-per-seconds)の上限を超えたパケット数 |
pps_allowance_exceeded |
In-Out双方向のPPSの上限を超えたパケット数 |
linklocal_allowance_exceeded
は分かりにくいかもしれませんが、具体例として「DNSサービス、インスタンスメタデータの参照、時刻同期(Amazon Time Sync Service)」が該当するとのことです。
正直なところ浅学ながら、上の二つ(bw_in〜
とbw_out〜
)はともかく、コネクション数などに上限が設定されていることはこれまで明言されてなかったように思います。これからは、よく分からないかたちでEC2の性能がでない・パケットがロスするなどの事象を調べやすくなることでしょう。
条件
これらのメトリクスは本日から全てのリージョン(中国の2リージョンを除く)で利用可能ですが、これを参照するためには、該当EC2インスタンスが下記の条件を満たす必要があります。
- Linux:最新のENA(Elastic Network Adapter)ドライバ
- 明言されてませんが、記事執筆時点で 2.4.0
- Windows:バージョン 2.2.2.0 以降のENAドライバ
- 記事執筆時点で、間もなくリリース予定とのこと)
ENAが必要と言うことは、おのずとそれ以外にも条件が発生します。利用したい場合は下記を満たすようにしましょう。
ざくっと言ってしまえば、新しめのインスタンスタイプでENAドライバを正しく動作させてあればok、となります。
- 現世代のインスタンスタイプであること、ただし以下は除く
- C4
- D2
- m4.16xlarge より小さい M4
- T2
- Linux:サポートしているカーネルバージョンとディストリビューション
- Windows:Windows Server 2008 R2 SP1の場合はSHA-2 code signing support updateを行ってあること
効果
上でも書きましたが、これらのメトリクスによりネットワーク系のトラブルの根本原因の把握・切り分けが行いやすくなると期待されます。
これらのメトリクスは動作中のOSでリアルタイムに計測することが可能で、最新のCloudWatch Agentはこれを参照してアラートを上げるようなことが可能となってます。
CloudWatch Agentを使わなくても、ethtool
を下記のように使うことで取得は可能のようなので、例えばMackerelなどの別監視ツールを使っている場合でも活用が可能でしょう。
[ec2-user ~]$ ethtool -S eth0 bandwidth_in_allowance_exceeded: 0 bandwidth_out_allowance_exceeded: 0 pps_allowance_exceeded: 0 conntrack_allowance_exceeded: 0 linklocal_allowance_exceeded: 0
同日別途発表された VPC Reachability Analyzer とあわせて使えば、さらにネットワーク系のトラブルシューティングがはかどりそうですね!
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