[アップデート] Amazon Redshift Serverless の最大ベースキャパシティが512RPUから1024RPUに増加、その考慮点
AWS事業本部コンサルティング部の石川です。Amazon Redshift Serverless の最大ベースキャパシティが512RPUから1024RPUに増加されたことをお知らせします。(東京リージョンではまだ利用できませんが、某社の大きなイベントで発表されると念じてます。)
Redshift Serverless の RPUとは
RPUは、Redshift Processing Unitの略です。Amazon Redshift Serverlessは、データウェアハウスのコンピューティング容量をRPUという数値で指定します。そして、RPU時間で実行するワークロードの期間に対して1秒ごとに料金を支払います。
ベースキャパシティが1024RPUの利点
Amazon Redshift Serverlessの最大処理能力が、従来の512RPUから1024RPUに倍増しました。この拡張により、ユーザーはより大規模なワークロードを処理できるようになり、データウェアハウスの性能が大幅に向上します。
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処理能力の向上
- 最大処理能力が倍増したことで、より複雑で大規模なクエリやワークロードを効率的に処理できるようになる
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スケーラビリティの向上
- ユーザーは必要に応じて、より多くの処理ユニットを利用できるようになり、ビジネスニーズに合わせて柔軟にスケールアップが可能になる
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コスト効率
- 使用した処理ユニットに対してのみ課金されるため、必要な時に必要なだけリソースを使用できる
技術的詳細
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RPUのスペック
- 4 vCPUのコンピューティング能力と32 GiBのメモリに相当する
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最小容量
- 最小容量の8RPUは、合計で32 vCPUと1 TiBのメモリに相当する(ブログ)
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最大容量
- 新しい最大容量である1024RPUは、合計で4096 vCPUと32 TiBのメモリに相当する
※ 参考: Amazon Redshift Provisionedの最大容量は、ra3.16xlarge(48 vCPUと384 GiB)が最大128ノードとなり、合計で6144 vCPUと48 TiBのメモリに相当する。
どのように指定するのか?
Base RPU capacityを「1024」に設定するだけです。(下図は、バージニアリージョン(us-east-1)の画面です)
でも、今回は違うぞ。Amazon Redshift Serverless ワークグループで指定した RPU によって配置可能なサブネットのサイズが変わるんです。RPUを大きくする場合は、サブネットのサイズが十分であるかを確認する必要があります。
考慮点: サブネットのサイズが十分であるか
Amazon Redshift Serverless はRPUの数に応じて ENI を生成します。RPU を MAX の 1024 割り当てる場合、少なくとも261のIPアドレスと /23 以上のサブネットが 3 つ必要です。
引用: Considerations when using Amazon Redshift Serverless
最後に
先日のブログで、Amazon Redshift Serverless の新機能 AI駆動の最適化技術 RAIS(Resource Allocation and Index Selection)の技術論文を紹介しました。Redshift Serverless の1024RPUは、Amazon Redshift Provisionedの最大スペックに近づき、Redshift Serverlessへの移行も現実に近づいてきたと言えるでしょう。
一方、考慮点にも挙げた通り、ネットワーク構成が必要な場合もあることから注意が必要です。ネットワークに変更ができない場合は、Amazon Redshift Serverless 用のVPC/Subnetを用意して、既存のRedshiftのVPC/SubnetへプライベートリンクやVPC-Perringを検討するという選択肢も検討できます。
Amazon Redshift Serverlessの処理能力拡張により、ユーザーはより大規模なデータ分析ワークロードを効率的に処理できるようになりました。この改善は、データドリブンな意思決定を行う企業にとって、より迅速かつ効果的なデータ分析を可能にし、ビジネスの競争力向上に貢献することが期待されます。
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