
入社まもない私がSnowflake World Tour Tokyo 2026に参加して感じたこと
はじめに
本記事は、製造業の現場でデータ活用の課題を感じてきた方、
あるいはデータ基盤やAI活用の提案に関わる営業・企画職の方に向けて書いています。
技術的な詳細ではなく、営業の視点からイベントで感じたことを共有する内容です。
はじめまして。2026年9月にクラスメソッドへ入社し、産業支援グループ MDSチームで営業を担当している栂野(togano)です。
入社してまだ日が浅い私ですが、9月10日・11日に開催された「Snowflake World Tour Tokyo 2026」に参加する機会をいただきました。登録者12,000名以上、144セッション、202名のスピーカーという大規模なイベントで、Snowflakeは今これほど盛り上がっているのかと圧倒されました。
(イベント公式ページより)

キャリアの中で感じていた「データが届かない」もどかしさ
クラスメソッドに入る前、私はFA(Factory Automation)の専門商社〜SIerでの製造業アカウント営業というキャリアを通じて製造業の現場を見てきました。その中で、データはあるのに現場ではうまく活用しきれていないと感じる場面が多くありました。
私が見てきた現場では、部門ごとにデータがバラバラに管理されていて、隣の部門が何の数字を持っているのかすら把握できない。いわゆるサイロ化です。
たとえば、あるとき情報システム部門からBIツールが導入されましたが、いまいちそれを使う必然性も伝わり切らず、現場ではほとんど使われないということがありました。
結局、必要な数字がほしいときは、情シスや開発部門の担当者にメールで依頼して、数日後にExcelが返ってくる。その頃にはもう意思決定のタイミングを逃している、私が見てきた現場ではそんなことが日常的に起きていました。
データ分析はSQLを書ける人の仕事であり、ビジネスの現場にいる人間がデータに直接触れる手段はない。それが当たり前だと私は思っていました。
CoWorkを見て「構造が変わる」と感じた瞬間
私の中でその前提が覆されたのが、SnowflakeのSnowflake CoWork(以下CoWork)に関するセッションでした。
CoWorkは、企業のデータに対してビジネスユーザーが自然言語で質問できるエージェント機能です。適切な権限設定やデータ定義が整っていれば、SQLを書かずに「先月の売上を地域別に見せて」と質問し、分析結果を得ることができます。
デモを見ながら、これまでのキャリアで経験したことを思い出していました。
あのとき足りなかったのは、BIツールの機能ではなく、現場が必要なときに自分の言葉で数字を確かめられる手段だったのではないか。 データ分析がSQLを書ける人に閉じていた時代から、経営層や営業部門をはじめとしたビジネスユーザーに開かれる時代への転換が、もう実際に動き始めている。製造業に限らず、多くの業界で意思決定のスピードを高める可能性があると感じました。
CEOの講演から持ち帰った3つのこと
Day2のキーノートでは、Snowflake CEOのスリダール・ラマスワミ氏が登壇しました。講演全体を通じて、特に3つのメッセージが印象に残っています。

「日本こそAgentic AIに取り組むべきだ」
CEOは、日本は人口増による経済成長が見込みにくい以上、今いる人の能力をAIで拡張することの価値がどの国よりも大きい、といった内容を述べていました。
これは私にとっても経験と直接つながる話でした。人手が足りない現場で、一人ひとりがもっと速く・正確に判断できる環境を作ることが、AIの最も実践的な価値なのだと腹落ちしました。「AIで人が要らなくなる」のではなく「AIで一人ひとりがもっとできるようになる」。 お客様への提案でも、この順序を間違えてはいけないと感じています。
「企業のデータとノウハウこそが真のIP」
CEOの講演から私が受け取ったメッセージを要約すると、以下のような内容です。
AIモデル自体は多くの企業が利用できる時代になっていく。しかし、自社が長年蓄積してきた顧客情報、業務データ、判断基準、仕事の進め方は簡単にはコピーできない。CEOはこうした企業固有の資産が、AI時代の本当の競争優位になると強調していました。
この内容を聞いて私自身が感じたことは 裏を返せば、データ基盤の重要性はAIの普及によってむしろ高まるということです。 AIがどれだけ賢くなっても、そこに流し込む自社データの質と整備度合いが成果を左右する。データ基盤への投資は「AI活用の前提条件」であるという整理は、お客様にデータ基盤を提案する立場として、大きな軸になると感じました。
「ガバナンスはブレーキではなく、全員が安心してアクセルを踏むためのもの」
CEOの講演に限らず、この日のキーノートを通じて繰り返されたのが、このメッセージです。AIにはハルシネーションや知財侵害、コスト増大などのリスクがある。だからといって使わないのではなく、先回りしてガードレールを設計し、全社で安全に活用できる状態を作ることが重要だという考え方です。
Day1のキーノートに登壇された富士フイルム様は、無統制なAI導入を「ブレーキのない車を各自が公道で乗り回す状態」という趣旨の喩えで表現されていました(※筆者が講演内容をもとに要約しています)。
安全なサーキットと、燃費がよくブレーキの効くマシンを用意してこそ、全員がアクセルを踏める。
個人的にはこの整理はとてもわかりやすく、お客様がAI導入に慎重になっている場面でも、前向きな対話のきっかけになると感じています。
2日間のキーノートの詳細は以下の記事から確認できます。
おわりに
入社まもない自分がこの規模のイベントに参加できたことは、率直にありがたいことでした。
そして、これまでのキャリアの中で感じていた「データが現場に届かない」という課題感が、このイベントを通じてはっきりと言語化されたように思います。
データをビジネスの現場に届けること。その基盤を整え、ガバナンスを設計し、AIの力で一人ひとりの能力を拡張すること。それがお客様のビジネス成果 「売上を増やす、コストを減らす、リスクを減らす」 につながるかどうかを常に問うこと。
MDS営業として、この視点を忘れずにお客様と向き合っていきたいと思います。
もし本記事を読んで「うちの現場もそうだ」と感じた方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。クラスメソッドでは、Snowflake導入のご提案から、それらを活用したデータ基盤の構築、現場でデータが活用される状態を作るところまで、一気通貫でご支援しています。







