
金融リファレンスアーキテクチャ日本版 v2のSkillsをKiroに読み込ませたら、回答はどう変わるのか試してみた
はじめに
おはようございます〜
クラウド事業統括本部/プロフェッショナルサービス事業本部/運用イノベーション部の三ツ口寛太です(╹◡╹)
今回は、金融リファレンスアーキテクチャ日本版 v2のSkillsを、Kiroに読み込ませると、設計の回答がどう変わるのかを試してみます🧑💻
金融機関のシステムをAWSで設計するとき、FISC安全対策基準への対応が気になるシーンがあると思います。今回のv2は、FISC対応の設計知識を「Agent Skills」という形式で提供しています。「AIにこれを読ませたら、実際どのくらい使えるの?」を、同じ質問をスキルなし→スキルありで比べて確かめました。
先に断っておくと、リポジトリのREADMEにはサンプルコードは検証用であり、本番利用時はセキュリティ・法務の確認が必要と書かれています。この記事は、あくまで「AIの回答がどう変わったか」の検証で、FISCへの準拠を保証するものではありません。
この記事で分かること
- Agent Skillsを読み込ませた状態と、そうでない状態で、同じ質問への回答がどう変わるか
- スキルが自動で読み込まれる条件と、承認ダイアログの出方
- 回答に出てきたFISCの番号・IDが、リポジトリの定義と合っていたか
- スキルを入れても気をつけるべき点(断定の強さ、根拠不明の数字など)
こだわりポイント
- 同じ質問を、スキルをインストールする前と後で聞いて、回答を比較
- 質問ごとに新しいセッションを使い、モデルはClaude Sonnet 4.5に固定、AutopilotはOFF
- 回答に出てきたFISCの実務基準番号とIDを、リポジトリ内の対応表と1つずつ突き合わせ
先に結論
- スキルを入れると、質問に合ったスキルが自動で読み込まれた(承認ダイアログつき)。Q4では3つのスキルが同時に読み込まれた
- 回答にFISCREL1-BP01のようなIDと実74・実104などの実務基準番号が付き、リポジトリの定義と突き合わせて矛盾はなかった
- スキルなしは、FISCの要件として「99.95%以上」「RTO 4時間以内」「100km以上」などの数値を挙げたが、出典は示されなかった。スキルありは、ID・番号で根拠を示す形に変わった
- 一方で、「準拠しています」「不合格・本番稼働不可」といった断定や、根拠が示されない「カバレッジ約15%」も出た
- クレジット消費は、スキルなしの1.5〜2倍程度
- 結論:調査の叩き台としては有効。ただし、準拠の判断や顧客への提示には、人の確認が必須
今回の検証環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AIエージェント | Kiro IDE 1.4.13(Apple Silicon版) |
| モデル | Claude Sonnet 4.5 |
| プラン | Kiro Free |
| Autopilot | OFF |
| 対象スキル | 31個のうち3個:FSI Lens for FISC、FSI Cyber Resilience、FSI Foundation Governance Base |
| 質問 | 4問(信頼性・DR/サイバー対策/ログ集約とIAM/構成レビュー) |
金融リファレンスアーキテクチャ日本版 v2とは
AWS公式ブログで紹介されている、金融機関向けの設計リファレンスです。設計知識がAgent Skills形式で提供され、AIエージェントに読み込ませて使えます。
確認したリポジトリでは、スキルは31個、ライセンスはMIT-0です。
今回使ったのは、FISCの実務基準とWell-Architectedの対応表のFSI Lens for FISC、隔離アカウントや自動隔離を扱うFSI Cyber Resilience、Control Towerでのログ集約やIAMを扱うFSI Foundation Governance Baseの3つです。
検証の流れ
- KiroとGitをセットアップし、リポジトリをクローンする
- スキルを入れる前に、4問を聞いて、ベースラインを取る
- 3つのスキルを、ワークスペースの
.kiro/skills/にコピーする - 同じ4問を、スキルが入った状態で聞く
- 回答のFISC番号・IDを、リポジトリの対応表と突き合わせる
- クレジットの消費を比べる
準備
リポジトリをクローンして、3つのスキルをワークスペースの.kiro/skills/にコピーします(~/.kiro/skills/に置くと、全ワークスペースで使えます)。
git clone <リポジトリURL>
REPO="<クローン先のパス>"
WS="<検証用ワークスペースのパス>"
mkdir -p "$WS/.kiro/skills"
cp -R "$REPO/skills/fsi-lens-for-fisc" \
"$REPO/skills/fsi-cyber-resilience" \
"$REPO/skills/fsi-foundation-governance-base" \
"$WS/.kiro/skills/"
各スキルのフォルダには、SKILL.mdとSKILL_ja.mdがあります。Kiroが読むのはSKILL.mdですが、説明文には日本語のトリガーキーワードが入っています。
Kiroの左側の「AGENT STEERING & SKILLS」に、Workspaceとして3つのスキルが表示されれば、認識されています。

Globalには、Kiro標準のarchitecture-selection、quick-spec、bug-fixもありました。ベースラインの質問のときにも、このGlobalスキルは存在していました(今回の3スキルは、まだ入っていない状態)。
ベースライン:スキルを入れる前に聞く
質問は、次の4つです。スキルを入れる前に、質問ごとに新しいセッションで聞きました。
| No | 質問 |
|---|---|
| Q1 | 金融機関のシステムをAWSで設計します。FISC安全対策基準を踏まえて、信頼性(可用性・DR)の設計で押さえるべき点を教えてください。 |
| Q2 | サイバー攻撃でワークロードが侵害された場合に備え、AWSでバックアップと復旧をどう設計すべきですか。 |
| Q3 | 複数アカウントで金融ワークロードを運用します。ログ集約とIAMのベースラインは、どう設計すべきですか。 |
| Q4 | 次の構成を、FISCの観点とAWSのガバナンスの観点でレビューしてください。(+架空の構成) |
Q4の構成は、あえて弱点を7つ入れた架空のものです。
# サンプル構成(架空):オンライン口座照会システム
- リージョン:東京(ap-northeast-1)のみ
- ALB → EC2(Auto Scaling、2台、同一AZ) → RDS for MySQL(Single-AZ)
- バックアップ:RDSの自動バックアップ(保持7日)、同一アカウント・同一リージョン
- ログ:EC2のローカルディスクに保存(CloudWatch Logs連携なし)
- 管理者アクセス:共有IAMユーザー1つ(MFAなし)
- 暗号化:RDSは未暗号化、S3バケットなし
- 監視:EC2のCPU使用率アラームのみ
ベースラインの回答(スキルなし)
スキルを入れる前の回答をQ1〜Q4それぞれ見ていきましょう〜〜🧑💻
Q1

Q1(スキルなし)の回答全文
金融機関のシステムをAWSで設計する際の、FISC安全対策基準に基づく信頼性(可用性・DR)設計のポイントをまとめます。
1. 可用性の確保
マルチAZ構成
- 必須要件: 本番環境は必ず複数のアベイラビリティゾーン(AZ)に配置
- EC2/RDS: マルチAZ配置により単一障害点を排除
- ELB: Application Load BalancerやNetwork Load Balancerでトラフィックを複数AZに分散
- 目標: 99.95%以上の可用性(FISCでは重要システムで要求される水準)
冗長化戦略
- アプリケーション層: Auto Scalingグループで最小2インスタンス以上
- データベース層: RDS Multi-AZまたはAurora(自動フェイルオーバー)
- ストレージ層: S3(99.999999999%の耐久性)、EFS(マルチAZ)
2. DR(災害復旧)対策
リージョン間DR
- マルチリージョン構成: 東京リージョンと大阪リージョンの組み合わせが一般的
- データレプリケーション:
- RDSクロスリージョンリードレプリカ
- S3クロスリージョンレプリケーション
- DynamoDB Global Tables
RTO/RPO目標
- RTO(目標復旧時間):
- 基幹系: 4時間以内(FISC基準)
- 情報系: 1営業日以内
- RPO(目標復旧時点):
- 基幹系: データ損失ほぼゼロ(同期レプリケーション)
- 情報系: 数時間程度
バックアップ戦略
日次バックアップ: 35日保存
週次バックアップ: 13週保存
月次バックアップ: 7年保存(法定要件)
3. FISC特有の要件
遠隔地バックアップ
- 物理的距離: 100km以上離れた別リージョンにバックアップ
- AWS対応: 東京-大阪リージョン間(約400km)で要件クリア
システム分離
- 勘定系と情報系の分離: 別VPC、別アカウント構成も検討
- セグメント分離: サブネット、セキュリティグループによる厳密な制御
運用監視
- CloudWatch: メトリクス監視、ログ集約
- AWS Health Dashboard: AWSインフラの健全性監視
- 24時間365日監視体制: アラート設定と対応手順の整備
4. 具体的なアーキテクチャパターン
アクティブ-スタンバイ(コスト重視)
本番環境(東京リージョン): フル稼働
DR環境(大阪リージョン): 最小構成で待機、有事に拡張
アクティブ-アクティブ(可用性重視)
両リージョンで同時稼働
Route 53ヘルスチェックとフェイルオーバールーティング
リージョン間レイテンシー考慮が必要
5. テストと訓練
DR訓練
- 年2回以上の本番切り替え訓練: FISC基準で推奨
- 自動化: AWS Backup、CloudFormation、Systems Managerで復旧手順を自動化
- 訓練環境: 本番同等の環境で実施
フェイルオーバーテスト
# RDSフェイルオーバーのテスト例
aws rds reboot-db-instance \
--db-instance-identifier mydb \
--force-failover
6. コンプライアンス文書化
必要なドキュメント
- システム構成図(論理・物理)
- DR手順書(自動・手動両方)
- RTO/RPO達成根拠
- バックアップ・リストア手順
- 障害対応フロー
これらの設計ポイントを具体的なアーキテクチャ図やCloudFormationテンプレートとして作成することも可能です。ご要望があればお知らせください。
Q2

Q2(スキルなし)の回答全文
サイバー攻撃によるワークロード侵害に備えたAWSでのバックアップと復旧設計についてご説明します。
主要な設計原則
1. 多層防御とイミュータブルバックアップ
- AWS Backup Vault Lockを使用してバックアップを不変化し、削除や変更を防止
- S3 Object Lock (Compliance/Governance Mode) でバックアップデータの改ざんを防止
- MFA Deleteを有効化して、削除操作に多要素認証を要求
2. 隔離されたバックアップアカウント
- バックアップ専用のAWSアカウントを分離
- AWS OrganizationsのSCPでクロスアカウントアクセスを制限
- 本番環境の認証情報が侵害されてもバックアップへのアクセスを防止
3. 自動化されたバックアップ戦略
# バックアップポリシーの例
バックアップ頻度:
重要データ:
- 連続的なポイントインタイムリカバリ (RDS, DynamoDB)
- 日次スナップショット
- 週次フルバックアップ
標準データ:
- 日次バックアップ
- 月次アーカイブ
保持期間:
日次: 30日
週次: 90日
月次: 7年 (コンプライアンス要件に応じて)
4. 推奨されるAWSサービス構成
AWS Backup
- 中央集約的なバックアップ管理
- クロスリージョン・クロスアカウントのバックアップコピー
- タグベースのバックアップポリシー
重要なデータストア別の対策
Amazon EC2/EBS:
- AWS Backup + AMI自動作成
- EBSスナップショットの自動リージョン間コピー
- スナップショットの暗号化(KMS)
Amazon RDS:
- 自動バックアップ + ポイントインタイムリカバリ
- クロスリージョンのリードレプリカ
- スナップショットの定期的なテスト復元
Amazon S3:
- バージョニング有効化
- レプリケーション (CRR: Cross-Region Replication)
- S3 Object Lock (WORM: Write Once Read Many)
- S3 Intelligent-Tiering で古いバージョンを自動アーカイブ
Amazon DynamoDB:
- ポイントインタイムリカバリ (PITR)
- On-Demand バックアップ
- AWS Backupとの統合
5. 復旧計画 (Disaster Recovery)
RTO/RPOの定義:
├─ ミッションクリティカル: RTO < 1時間, RPO < 15分
├─ ビジネスクリティカル: RTO < 4時間, RPO < 1時間
└─ 標準: RTO < 24時間, RPO < 24時間
復旧戦略:
1. Pilot Light (最小限の環境を常時稼働)
2. Warm Standby (スケールダウンした環境を常時稼働)
3. Multi-Site Active/Active (複数リージョンで完全稼働)
6. セキュリティ強化策
# 侵害検知と自動対応の例
監視項目:
- CloudTrail異常アクセスログ
- GuardDuty脅威検知アラート
- SecurityHub コンプライアンス違反
- IAM認証情報の異常使用
自動対応:
- Lambda関数による自動隔離
- Systems Managerでの自動パッチ適用
- EventBridgeルールによるアラート通知
7. 定期的なテストと検証
- 月次: バックアップからの部分復元テスト
- 四半期: 完全なDR訓練 (別リージョンへのフェイルオーバー)
- 年次: 全社的なサイバー攻撃シミュレーション演習
- 継続的: 自動化された復元可能性検証
8. 実装のベストプラクティス
- Infrastructure as Codeでバックアップ設定を管理
- AWS CDK/CloudFormation/Terraform
- 最小権限の原則
- バックアップ操作用の専用IAMロール
- 時限的な特権アクセス (AWS IAM Identity Center)
- 監査とログ
- CloudTrailでバックアップ/復元操作を記録
- Config Rulesでコンプライアンス監視
- 暗号化
- 転送中/保管中の暗号化 (KMS)
- カスタマーマネージドキーの使用
- キーローテーション自動化
9. コスト最適化
- AWS Backup Storage Classes: Cold/Warm storage階層の活用
- S3 Lifecycle policies: 自動アーカイブ (Glacier/Deep Archive)
- スナップショットの重複排除: 増分バックアップの活用
このようなアーキテクチャを実装することで、ランサムウェアや侵害から効果的に保護し、迅速な復旧が可能になります。
具体的な実装サンプル(Terraform、CloudFormation、CDKなど)や、特定のユースケースについて詳しく知りたい場合はお知らせください。
Q3

Q3(スキルなし)の回答全文
複数アカウントで金融ワークロードを運用する際の、ログ集約とIAMベースラインの設計についてご説明します。
ログ集約の設計
アーキテクチャパターン
-
集中ログアカウント戦略
- 専用のログアーカイブアカウントを設置
- 全ての本番・非本番アカウントからログを集約
- AWS OrganizationsのOrganization CloudTrailを活用
-
ログの種類と収集方法
各アカウント ログアーカウント
├─ CloudTrail ────────→ S3 (Organization Trail)
├─ VPC Flow Logs ────────→ S3 + CloudWatch Logs
├─ GuardDuty ────────→ 集約マスター
├─ Config ────────→ 集約アカウント
├─ ALB/NLB Logs ────────→ S3
└─ App Logs ────────→ CloudWatch Logs → Kinesis → S3
- ストレージ設計
- S3ライフサイクル: 即座の分析用(30日) → IA(90日) → Glacier(7年+)
- 金融業界の監査要件(通常5-7年)を考慮
- オブジェクトロック(WORM)で改ざん防止
- レプリケーションでDR対策
実装例
# Organization CloudTrail設定
OrganizationTrail:
Type: AWS::CloudTrail::Trail
Properties:
IsOrganizationTrail: true
S3BucketName: !Ref CentralLogBucket
EnableLogFileValidation: true
IncludeGlobalServiceEvents: true
IsMultiRegionTrail: true
EventSelectors:
- IncludeManagementEvents: true
ReadWriteType: All
DataResources:
- Type: AWS::S3::Object
Values: ["arn:aws:s3:::*/sensitive-data/*"]
IAMベースライン設計
- アカウント構造とIAM戦略
Management Account (Organizations管理)
├─ Security Account (IAM Identity Center, GuardDuty)
├─ Log Archive Account (ログ集約)
├─ Audit Account (監査・コンプライアンス)
├─ Network Account (Transit Gateway, Firewall)
└─ Workload Accounts
├─ Production
├─ Staging
└─ Development
- IAM Identity Center (AWS SSO)
Permission Setsの設計例:
// 最小権限の原則に基づくロール
{
"PermissionSets": [
{
"Name": "SecurityAuditor",
"SessionDuration": "PT4H",
"ManagedPolicies": [
"arn:aws:iam::aws:policy/SecurityAudit",
"arn:aws:iam::aws:policy/ReadOnlyAccess"
],
"InlinePolicy": {
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Deny",
"Action": ["iam:*", "organizations:*"],
"Resource": "*"
}
]
}
},
{
"Name": "DeveloperReadOnly",
"SessionDuration": "PT8H",
"ManagedPolicies": ["arn:aws:iam::aws:policy/ReadOnlyAccess"],
"CustomerManagedPolicies": ["AllowAssumeDevRole"]
}
]
}
- サービスコントロールポリシー (SCP)
基盤的な保護策:
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "DenyLeavingOrganization",
"Effect": "Deny",
"Action": ["organizations:LeaveOrganization"],
"Resource": "*"
},
{
"Sid": "DenyDisablingSecurityServices",
"Effect": "Deny",
"Action": [
"guardduty:DeleteDetector",
"guardduty:DisassociateFromMasterAccount",
"config:DeleteConfigurationRecorder",
"config:DeleteDeliveryChannel",
"config:StopConfigurationRecorder"
],
"Resource": "*"
},
{
"Sid": "RequireMFAForSensitiveOperations",
"Effect": "Deny",
"Action": [
"iam:DeleteRole",
"iam:DeleteUser",
"s3:DeleteBucket"
],
"Resource": "*",
"Condition": {
"BoolIfExists": {
"aws:MultiFactorAuthPresent": "false"
}
}
},
{
"Sid": "RestrictRegions",
"Effect": "Deny",
"NotAction": [
"cloudfront:*",
"iam:*",
"route53:*",
"support:*"
],
"Resource": "*",
"Condition": {
"StringNotEquals": {
"aws:RequestedRegion": ["ap-northeast-1", "us-east-1"]
}
}
}
]
}
- クロスアカウントアクセス
信頼関係の設計:
// LogアカウントからのS3アクセスを許可
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "AllowLogArchiveAccount",
"Effect": "Allow",
"Principal": {
"AWS": "arn:aws:iam::LOG-ACCOUNT-ID:root"
},
"Action": "sts:AssumeRole",
"Condition": {
"StringEquals": {
"sts:ExternalId": "unique-external-id"
}
}
}
]
}
- 境界ポリシー (Permissions Boundary)
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "ServicesPermissionsBoundary",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"ec2:*",
"s3:*",
"dynamodb:*",
"lambda:*",
"logs:*"
],
"Resource": "*"
},
{
"Sid": "DenyPermissionBoundaryDeletion",
"Effect": "Deny",
"Action": [
"iam:DeleteUserPermissionsBoundary",
"iam:DeleteRolePermissionsBoundary"
],
"Resource": "*"
}
]
}
金融規制対応のチェックリスト
コンプライアンス要件
- ✅ 監査証跡: すべてのAPI呼び出しを記録(CloudTrail)
- ✅ ログ保持: 規制要件に応じた期間(5-7年+)
- ✅ 職務分離: 本番環境への適切なアクセス制御
- ✅ 最小権限: Just-in-time accessの実装
- ✅ 暗号化: 転送中・保管中のデータ暗号化
- ✅ 変更管理: AWS Configによる構成変更追跡
モニタリングとアラート
# GuardDuty findings を Security Hub へ統合
SecurityHub:
Standards:
- CIS AWS Foundations Benchmark
- PCI DSS
- AWS Foundational Security Best Practices
# 重要イベントのアラート
CloudWatch Alarms:
- RootAccountUsage
- UnauthorizedAPICall
- IAMPolicyChange
- S3BucketPolicyChange
- SecurityGroupChange
- NetworkACLChange
実装の優先順位
- フェーズ1: 基盤構築(1-2週間)
- AWS Organizations設定
- IAM Identity Center導入
- CloudTrail Organization Trail設定
- フェーズ2: セキュリティ強化(2-3週間)
- SCP適用
- GuardDuty/Config有効化
- VPC Flow Logs設定
- フェーズ3: 運用整備(2-4週間)
- ログ分析パイプライン構築
- アラート・ダッシュボード整備
- インシデント対応プロセス確立
具体的な実装コードやTerraform/CloudFormationテンプレートが必要でしたら、お申し付けください。作成いたします。
Q4

Q4(スキルなし)の回答全文
このサンプル構成について、FISC安全対策基準とAWSガバナンスの観点からレビューします。
重大な問題点
1. 可用性・事業継続性の欠如
問題:
- EC2が同一AZ内に集中(2台とも同じAZ)
- RDSがSingle-AZ構成
- バックアップが同一リージョン内のみ
FISC観点:
- 基準項目「設備基準」違反: データセンター障害時の継続性が確保されていない
- 基準項目「可用性対策」違反: AZ障害で全サービス停止のリスク
- 基準項目「災害対策」違反: リージョン障害時の復旧手段がない
AWSガバナンス観点:
- Well-Architected Framework「信頼性の柱」に反する
- RPO/RTOが金融システムとして不適切
推奨対策:
- EC2を複数AZに分散配置(最低2AZ)
- RDS Multi-AZ構成への変更
- 別リージョンへのクロスリージョンバックアップ(S3 + RDSスナップショット)
2. セキュリティ基準の重大な欠陥
問題:
- RDSが暗号化されていない(個人情報・口座情報が平文保存)
- 管理者アカウントが共有IAMユーザー
- MFA未設定
FISC観点:
- 基準項目「暗号化対策」違反: 預金者情報の暗号化義務に抵触
- 基準項目「アクセス管理」重大違反: 個人識別性のない共有アカウント使用
- 基準項目「多要素認証」違反: 特権アカウントにMFA未適用
AWSガバナンス観点:
- セキュリティの基本原則「最小権限の原則」違反
- 監査証跡の追跡不可能性(誰が何をしたか特定できない)
推奨対策:
- RDS暗号化の有効化(KMS使用、注:既存RDSは暗号化できないため、スナップショット→暗号化コピー→復元が必要)
- 共有IAMユーザーの廃止、個人別IAMユーザーまたはIAM Identity Centerの導入
- 全管理者アカウントへのMFA必須化
- IAMポリシーで最小権限の原則を適用
3. 監査・ログ管理の不備
問題:
- ログがEC2ローカルディスクのみ(改ざんリスク・消失リスク)
- CloudWatch Logs連携なし
- API操作ログ(CloudTrail)への言及なし
FISC観点:
- 基準項目「ログ管理」違反: 改ざん防止策なし、長期保存不可
- 基準項目「証跡管理」違反: 監査証跡の一元管理がない
- 保存期間要件: 金融機関は通常7年以上の保存が必要だが、7日のみ
AWSガバナンス観点:
- セキュリティインシデント発生時の調査が困難
- コンプライアンス要件を満たさない
推奨対策:
- CloudWatch Logsへのログ集約(改ざん防止)
- CloudTrailの有効化(全API操作の記録)
- S3へのログアーカイブ(長期保存、ライフサイクル設定)
- S3バケットのオブジェクトロック設定(WORM)
- ログ保存期間を最低7年に延長
4. バックアップ・復旧計画の不足
問題:
- バックアップ保持期間7日のみ
- 同一アカウント・同一リージョンのみ
FISC観点:
- 基準項目「バックアップ管理」: 保存期間が短すぎる
- 基準項目「災害復旧」: 地域災害時の復旧不可
推奨対策:
- バックアップ保持期間を35日以上に延長
- AWS Backupによる一元管理
- クロスリージョンバックアップ(最低1つの別リージョン)
- クロスアカウントバックアップ(改ざん・誤削除対策)
5. 監視・検知の不足
問題:
- CPU使用率アラームのみ
- セキュリティ監視なし
FISC観点:
- 基準項目「監視体制」: 異常検知の仕組みが不十分
- 基準項目「不正アクセス対策」: 検知機能なし
AWSガバナンス観点:
- 運用の可視性が著しく低い
推奨対策:
- CloudWatch Alarmsの拡充(メモリ、ディスク、ネットワーク、RDSメトリクス)
- AWS GuardDuty有効化(脅威検知)
- AWS Security Hub有効化(セキュリティ態勢の統合管理)
- VPC Flow Logsの有効化
その他の推奨事項
ネットワークセキュリティ
- WAF(AWS WAF)の導入検討
- セキュリティグループの最小権限設定確認
- NACLの適切な設定
アクセス管理
- AWS Configによる構成変更の記録
- AWS Organizations + SCPによる組織全体のガバナンス
- IAM Access Analyzerの有効化
データ保護
- S3バケット作成時の暗号化必須化
- EBSボリュームの暗号化
リスク評価サマリー
| 項目 | リスクレベル | FISC準拠 | 対応優先度 |
|---|---|---|---|
| 可用性 | 🔴 高 | ❌ 不適合 | 最優先 |
| データ暗号化 | 🔴 高 | ❌ 不適合 | 最優先 |
| アクセス管理 | 🔴 高 | ❌ 不適合 | 最優先 |
| ログ管理 | 🔴 高 | ❌ 不適合 | 最優先 |
| バックアップ | 🟡 中 | ⚠️ 部分的 | 高 |
| 監視 | 🟡 中 | ⚠️ 部分的 | 高 |
結論: この構成は金融機関のオンライン口座照会システムとして本番運用に適さない状態です。最低でも上記「最優先」項目の是正が必須です。
詳細な改善計画書やAWS構成図の作成が必要であれば、お手伝いできます。
やってみた:スキルを入れて聞く
Q1:信頼性・DR
ベースラインと同じ文言で聞いたところ、Kiroが「スキルを活用します」と言って、Load skill: fsi-lens-for-fiscを実行しました。実行前に、承認ダイアログ(Allow / Always allow / Deny / Always deny)が出ます。

それでは実際にスキルを使用した場合の回答の変化を見ていきましょう〜〜🧑💻
Q1

Q1(スキルあり)の回答全文
金融機関のAWSシステムにおけるFISC安全対策基準を踏まえた信頼性(可用性・DR)設計について、専門的な知識を提供するためにスキルを活用します。金融機関のAWSシステムにおけるFISC安全対策基準を踏まえた信頼性(可用性・DR)設計について、以下の重要なポイントを押さえる必要があります。
1. ビジネス重要度に基づく復旧要件の設定(FISCREL1-BP01)
- FISC実務基準 実74に対応
- システムの重要度に応じてRTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)を定義
- 全てのシステムを最も厳しい要件で設計するのではなく、コンポーネント単位で詳細な復旧要件を適用(FISCREL1-BP02)
2. 災害復旧戦略の選定(FISCREL1-BP03)
RTO/RPOに応じて以下の戦略から選択:
- Backup & Restore - 最も低コストだが復旧時間は長い
- Pilot Light - 最小限の環境を常時稼働
- Warm Standby - スケールダウンした環境を常時稼働
- Multi-Region Active/Active - 最も高い可用性、低いRTO/RPO
3. マルチロケーション展開(FISCREL3-BP01)
- 複数のアベイラビリティゾーン(AZ)への展開が必須
- 重要システムは複数リージョンの検討(東京・大阪リージョンの活用)
- 自動フェイルオーバーの実装
4. バックアップ戦略(FISCOPS3関連)
- RPOを満たす頻度での継続的または定期的なバックアップ(FISCOPS3-BP04、実39)
- ポイントインタイム復旧のサポート
- データだけでなくインフラ構成もバックアップ(FISCOPS3-BP05、実43)
- ランサムウェア対策として短期保持バックアップの実装(FISCOPS3-BP02)
- AWS Backup Vault Lockの活用を推奨
- バックアップのライフサイクル管理(FISCOPS3-BP03)
5. バックアップとリカバリのテスト(FISCREL3-BP03)
- 定期的なデータ復旧テストが必須(実106)
- バックアップの整合性とRTO/RPOに対するプロセスの検証
- ポイントインタイム復旧が利用可能な場合は活用
6. 構成ドリフトの管理(FISCREL1-BP04)
- DRサイト/リージョンでの構成ドリフトを防止
- 全ロケーションへのデリバリーパイプライン
- AWS Configによるドリフト検出
- CloudFormationの活用
7. 自動復旧の実装(FISCREL1-BP05、実74)
- あらゆる条件下でシステムが自動的に復旧
- AWS Elastic Disaster Recoveryなどの活用
8. Infrastructure as Code(FISCREL3-BP02、実106)
- 環境を数分で復旧できる自動化の実装
- CloudFormation、CDKなどの活用
9. SDLC環境の分離(FISCREL2関連、実76)
- 開発/テスト/本番環境のマルチアカウント戦略
- BLEA for FSI(金融向けセキュアベースライン)の活用を推奨
- AWS OrganizationsとSCPによるIAM分離
- 本番と非本番間のネットワーク分離
10. 監視とアラート
- 想定トラフィックのベースライン確立(FISCREL2-BP04)
- 異常負荷時の運用対応トリガー
- CloudWatchによる監視
推奨AWSサービス
- DR関連: AWS Resilience Hub, AWS Elastic Disaster Recovery, Route 53, Global Accelerator
- バックアップ: AWS Backup (Vault Lock含む), Amazon RDS (自動バックアップ), DynamoDB (PITR)
- 高可用性: Elastic Load Balancing, Auto Scaling, Multi-AZ構成
- IaC: CloudFormation, CDK
- 監視: CloudWatch, AWS Config
これらは全てFISC安全対策基準の実務基準に紐づいており、金融機関のシステムとして求められる信頼性要件を満たすための必須要素です。
ベースラインとの比較
- ベースライン:マルチAZ、東京・大阪のDR、定期的なDR訓練など、一般的な設計論としては筋が通っている。ただし、「99.95%以上の可用性」「基幹系はRTO 4時間以内(FISC基準)」「100km以上離れた別リージョン」「年2回以上の訓練」といった数値を挙げながら、出典は示していない
- スキルあり:これらの数値は出さず、FISCREL1-BP01(実74)のように、ID・番号で根拠を示す形になった
今回、FISC本文は参照していないため本文との照合まではできていませんが、FISC安全対策基準の実務基準に基づくIDや番号で示すようになりました。
説得力が増しましたね!
Q2:サイバー攻撃を想定したバックアップと復旧
Q2も同様にスキルありの回答を見ていきます!

Q2(スキルあり)の回答全文
サイバー攻撃からのバックアップと復旧の設計について、金融機関向けのベストプラクティスをまとめた情報を確認します。サイバー攻撃に対するAWSでのバックアップと復旧設計について、金融機関向けのベストプラクティスをご説明します。
基本設計の考え方
従来の「予防重視」から「攻撃されても事業継続し、迅速に復旧する」へという思想転換が必要です。特にランサムウェアやDDoSなど可用性に影響するサイバー攻撃への対策が重要です。
3つの主要な対策
1. 論理的エアギャップバックアップ
設計原則:
- 本番アカウント(Workload Account)で AWS Backup を使用してバックアップを取得
- バックアップをData Bunker アカウント(隔離された専用アカウント)にレプリケート
- AWS Backup Logically Air-gapped Vaultを使用し、保持期間中は管理者権限でも読み取り・変更・削除が不可能な状態を維持
なぜ必要か:
- ランサムウェアに感染したデータが気付かずバックアップにコピーされる可能性があるため
- 攻撃者がバックアップを改ざん・削除することを防ぐため
重要な制約:
- Workload アカウントと Data Bunker アカウントは同じ AWS Organizations 内に配置する必要がある
2. 新規環境へのクロスアカウントリストア
設計原則:
- 本番環境が侵害されている前提で、完全に新しいRestore アカウントに復旧する
- Data Bunker アカウントに直接アクセスせず、AWS Resource Access Manager (RAM) 経由でバックアップボールトを共有
- アプリケーションとインフラは CDK で自動的に再構築
- データベース復元は AWS Step Functions で自動化
- 復旧したデータベースへの再接続は手動で実施(ビジネス影響評価とリスク判断が必要)
手順の流れ:
- バックアップデータの整合性を評価
- Restore アカウントにインフラを再構築
- RAM でバックアップを共有
- Step Functions でデータベースを復元
- 手動でアプリケーションを復旧データベースに接続(ECS タスク定義の環境変数を更新し、ECS タスクを再起動)
3. 自動ネットワーク隔離
設計原則:
- Amazon GuardDuty の重大度 9.0 以上(Critical)の検知のみに反応
- EventBridge ルールが Lambda 関数をトリガー
- Lambda が Network ACL を動的に作成し、ワークロードのサブネットに適用
- アベイラビリティゾーン間の通信のみを許可し、その他の全てのインバウンド/アウトバウンドトラフィックをブロック
- 隔離完了時に Amazon SNS 経由で管理者に通知
推奨事項:
- ビジネス影響が大きい場合は、Critical 通知と隔離アクションの間に人間の判断ステップを挿入することを検討
アカウント構成
AWS Organizations
├── Workload Account(本番環境)
│ └── AWS Backup → バックアップ作成
├── Data Bunker Account(隔離されたバックアップ保管)
│ └── Logically Air-gapped Vault
├── Restore Account(復旧先の新環境)
│ └── RAM 経由でバックアップを受け取り復元
└── (Forensic Account)(フォレンジック調査用 - オプション)
規制との関係
この設計は以下に準拠しています:
- 金融庁「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」 第2.3.3項(データ保護)
- FISC 安全対策基準のサイバーレジリエンス強化基準
ベストプラクティスまとめ
必須事項(MUST):
- バックアップは必ず隔離された Data Bunker アカウントにレプリケート
- Logically Air-gapped Vault を使用
- 同じ AWS Organizations 内に全アカウントを配置
- 復旧は新規 Restore アカウントへ実施(本番環境へ戻さない)
- Data Bunker への直接アクセスは禁止(RAM 経由のみ)
- 復旧前にバックアップデータの整合性を評価
- インシデント発生時は速やかに隔離し、証拠を保全
推奨事項(SHOULD):
- 自動隔離は重大度 9.0 以上の Critical 検知のみに限定
- インフラ再構築とデータベース復元を自動化
- ビジネス影響が大きい場合は隔離前に人間の判断を挿入
詳細な手順やCDKサンプルについて知りたい場合は、お知らせください。
ベースラインとの比較
| 観点 | ベースライン | スキルあり |
|---|---|---|
| 隔離アカウント | 「バックアップ専用アカウントを分離」と記載(一般論) | あり(Data Bunkerアカウント) |
| Logically Air-gapped Vault | なし(Vault LockとS3 Object Lockを提案) | あり |
| 復旧先 | 復旧戦略の列挙が中心。侵害を前提とした新規アカウントへの復旧はなし | あり(Restoreアカウントへ復旧、本番へは戻さない) |
| RAM経由のクロスアカウント復旧 | なし | あり |
| GuardDuty連動のNACL自動隔離 | 「Lambda関数による自動隔離」と一言のみ | あり(Severity 9.0以上に限定) |
| DB復旧後の再接続を手動にする判断 | なし | あり |
ベースラインも、イミュータブルバックアップの一般的な考え方まではカバーしていました。スキルありでは、これが具体的なアカウント構成と手順(Data Bunker → RAM → Restoreアカウント)に落ちています。
スキルの説明文にある3要素(エアギャップ、Data Bunker+RAM、GuardDuty連動の自動隔離)が、すべて回答に出ていました。
Q3:ログ集約とIAMベースライン
fsi-foundation-governance-baseが自動で読み込まれ、回答は「BLEA for FSIの知見を参照して」という書き出しになりました。
回答も見ていきましょう〜。

Q3(スキルあり)の回答全文
複数アカウントで金融ワークロードを運用する際のログ集約とIAMベースラインの設計について、BLEA for FSIの知見を参照してお答えします。複数アカウントで金融ワークロードを運用する際のログ集約とIAMベースラインの設計について、BLEA for FSIのガバナンスベースに基づいて説明します。
ログ集約の設計
基本アーキテクチャ
- Log Archiveアカウントへの集約
- AWS Control Towerの標準構成で、専用のLog Archiveアカウントを設置
- すべてのアカウントのログを集中管理
- CloudTrail管理イベントログとAWS Config履歴をLog Archiveアカウントに自動集約
- 集約対象のログ
- CloudTrail管理イベント: Control Towerが自動で有効化
- AWS Config設定履歴: Control Towerが自動で有効化
- CloudTrail S3データイベント: オプション(金融機関では推奨)
- 個人情報などを扱うS3バケットのアクセスログ
- FISC実務基準の要件に対応
- Session Managerログ: ゲストアカウント内に保管(集約未サポート)
- 集約用S3バケット
バケット名: bleafsi-logbase-shared-log-<account>
保管期間: 1825日(5年)
セキュリティ対策:
- s3:DeleteObject を拒否するバケットポリシー
- 暗号化(KMS CMK)
- パブリックアクセスブロック
- ライフサイクルポリシー
- アラート・通知
- 各ゲストアカウントにCloudWatch Logsログ群を配置
- メトリクスフィルターとEventBridgeルールでセキュリティイベントを検知
- SNSトピック経由でメール通知(SSL必須)
検知すべきセキュリティイベント
CloudWatch Logsメトリクスフィルター:
- IAMポリシー変更
- 複数回の認証失敗・未認可アクセス
- 新規アクセスキー作成
- ルートユーザーアクティビティ
EventBridgeルール:
- Configルールのコンプライアンス変更
- AWS Healthイベント
- セキュリティグループ変更
- ネットワークACL変更
- CloudTrail設定変更
- Security Hub CRITICAL/HIGH検出結果
- GuardDuty検出結果(重要度4以上)
IAMベースラインの設計
管理者ロールの分離
BLEA for FSIでは、職務分離の観点から4種類の管理者ロールを定義します:
- SysAdmin(システム管理者)
- システム全体の管理権限
- ただし、IAM・課金・CloudTrail・KMS破壊操作は制限
- IamAdmin(IAM管理者)
- IAM専用の管理者
- ユーザー・ロール・ポリシーの管理に特化
- ReadOnlyAdmin(読み取り専用管理者)
- 監査・確認用
- すべてのリソースの閲覧のみ
- InstanceOps(EC2運用管理者)
- EC2インスタンスの起動停止など運用作業に特化
IAMベストプラクティス
// すべての特権ロールにMFA必須
Condition: {
Bool: { "aws:MultiFactorAuthPresent": "true" }
}
// 拒否すべき操作
- 課金情報へのアクセス
- CloudTrail設定の変更・削除
- KMS暗号化キーの破壊的操作
認証方式
- 推奨: AWS IAM Identity Center(旧AWS SSO)
- Control Tower環境での標準
- 長期認証情報を避ける
- すべてのサインインでMFA必須
デプロイ順序
- Control Towerのセットアップ
- 組織レベルでのセキュリティサービス有効化
- Security Hub
- GuardDuty
- IAM Access Analyzer
- 管理アカウントは監査アカウントに委任
- Log Archiveアカウントに
base-ct-loggingをデプロイ - 各ゲストアカウントに
base-ct-guestをデプロイ- 手動、またはControl Tower AFC(自動プロビジョニング)で
マルチリージョン対応
- プライマリリージョン: 東京(ap-northeast-1)
- セカンダリリージョン: 大阪(ap-northeast-3)オプション
- 大阪リージョンではConfig自動修復の一部機能が未対応
- 大阪リージョンのConfigデータもLog Archiveバケットに集約
FISC対応のポイント
- 5年間のログ保管: FISC実務基準に準拠
- 削除不可設定: バケットポリシーでDeleteObjectを拒否
- 暗号化: KMS CMKによる暗号化
- 監査証跡: ファイル検証を有効化したCloudTrail
- ガードレール: Control Towerコントロールを224個分析し、FISC実務基準にマッピング
この設計により、複数アカウント環境でも一元的なログ管理と統制されたIAM権限管理が実現できます。特に金融ワークロードでは、FISC安全対策基準への準拠が求められるため、このガバナンスベースを基盤として各ワークロード(勘定系、チャネル系など)を展開することが推奨されます。
ベースラインとの比較
| 観点 | ベースライン | スキルあり |
|---|---|---|
| 設計の前提 | Organizations+Identity Center+SCPを自前で組む設計 | Control Tower+BLEA for FSIに沿った設計 |
| 具体名・制約 | 汎用的な構成 | bleafsi-logbase-shared-log-<account>、base-ct-logging/base-ct-guest、管理者ロール4種、保管1825日。「Session Managerログは集約未サポート」などの制約も明記 |
| コード例 | CloudFormation、SCP、Permission Setsまで出してくれた | ほぼ出なかった |
ベースラインのコードには、次の誤りがありました。
- CloudTrailのCloudFormation例で、必須プロパティの
IsLoggingが指定されていない - SecurityAuditorに
SecurityAuditを付けながらiam:*をDenyしており、IAMの監査ができなくなる矛盾 - 「LogアカウントからのS3アクセスを許可」というコメントなのに、中身は
sts:AssumeRoleの信頼ポリシー
スキルありは、コードをほとんど出さなかったので、「コードの誤りが減ったか」は比較できませんでした。実装寄りの情報は、ベースラインのほうが豊富です。
(今回はベースラインとの比較検証のため、この辺りは追加のプロンプトを投げることで解消できる可能性は高いと思います。)
なお、スキルありのIAM例にある"aws:MultiFactorAuthPresent": "true"の条件は、MFAなしのセッションでは条件キーが存在せず、意図どおり動かない場合があります。実装するときは、DenyでBoolIfExistsを使う形などを検討してください。
Q4:構成レビュー
上で紹介した架空の構成を貼って、「FISCの観点とAWSのガバナンスの観点でレビューしてください」と頼みました。
この質問では、3つのスキルが同時に読み込まれ、承認ダイアログも3回出ました。質問に「サイバー」の語は入っていないのに、サイバー関連のスキルまで読み込まれています。

さらに、Kiroはレビュー結果をArtifactとして生成し、チャットには要約だけを出しました。

チャットの要約には、総合評価「不合格・本番稼働不可」、重大な問題4件(実74・104・13・30・69・10・38・63・1・26・27の違反)、「現状のFISCカバレッジ:わずか約15%」が示されました。
Q4のArtifact(抜粋)
エグゼクティブサマリー
総合評価:不合格 - 本番稼働不可。本構成は金融機関の口座照会システムとして複数の重大な欠陥を含んでおり、FISC安全対策基準の最低限の要求事項を満たしていません。特に、単一障害点の存在、暗号化の欠如、IAMセキュリティの不備、監査証跡の不足により、可用性、機密性、完全性の3つすべてが脅かされています。
重大な問題(Critical)
- 【可用性】単一障害点による広範囲障害リスク(RDSのSingle-AZ、EC2が同一AZ、東京のみ)…実104(複数拠点配置)、実74(災害対策)
- 【機密性】暗号化の完全欠如(RDS未暗号化)…実13(暗号化)、実30(鍵管理)、実69(データ分類)
- 【完全性・監査】ログの不十分性(ローカルディスクのみ、CloudWatch Logs連携なし)…実63(操作記録)、実10(証跡管理)、実38(記録の保全)
- 【セキュリティ】IAM管理の重大な欠陥(共有IAMユーザー、MFAなし)…実1・26(アクセス管理)、実27(権限管理)、実11(アクセス履歴)
高リスクの問題(High)
- 【可用性】バックアップ戦略の不備(RDS自動バックアップのみ・保持7日・同一アカウント/同一リージョン)…実39、実106
- 【セキュリティ】セキュリティ監視の欠如(CPUアラームのみ)…実16、実18、実46
- 【ガバナンス】マルチアカウント戦略の欠如…実76、FISCREL2-BP01/BP02
FISC実務基準カバレッジ分析
| カテゴリ | 現状 | 目標 |
|---|---|---|
| アクセス制御(実1, 5, 26, 27) | 0% | 100% |
| 暗号化(実13, 30, 69) | 0% | 100% |
| ログ・証跡(実10, 38, 63) | 10% | 100% |
| バックアップ(実39, 43) | 40% | 100% |
| 可用性(実74, 104, 106) | 20% | 90% |
| 監視・検知(実16, 18, 46) | 5% | 95% |
| 環境分離(実76) | 不明 | 100% |
現状総合カバレッジ:約15%
アクションプランは、フェーズ1(1週間以内:共有IAMユーザーの無効化+MFA、CloudTrail、RDS暗号化、Security Hub/GuardDuty)、フェーズ2(1〜3か月:RDS Multi-AZ、EC2の2AZ分散、ログ集約、AWS Backup、WAF)、フェーズ3(3〜12か月:Control Tower、大阪DR、IaC化、Vault Lock、DR訓練)の3段階で示されました。
ベースラインとの比較
| 観点 | ベースライン | スキルあり |
|---|---|---|
| 弱点の検出 | 7個中7個 | 7個中7個 |
| FISCの基準項目 | 「基準項目『暗号化対策』違反」のように名称で指し、番号は示されなかった | 実務基準番号とIDつき |
| 「保持7日」の読み取り | RDSバックアップの保持7日を、ログの保存期間の問題として混同した | RDS自動バックアップの保持として正しく読めた |
| RDS暗号化の是正 | 既存RDSは暗号化できないため、スナップショット→暗号化コピー→復元が必要と具体的に指摘 | 「保存時暗号化を有効化(要ダウンタイム)」まで。復元手順は書かれていない |
| 出力 | チャットのみ(「FISC準拠:不適合」と判定) | チャット要約+Artifact(段階的アクションプランつき) |
弱点の検出数は同じですが、根拠の示し方と、読み違いの減少に違いが出ました。一方で、既存RDSの暗号化手順のように、ベースラインのほうが具体的で親切だった点もあります。
回答の検証:番号とIDは合っていたのか
スキルを入れると、回答に番号とIDが付く。ではその番号とIDは正しいのか。リポジトリのfisc-mapping.mdと、reliability.mdなどのBP定義を、1つずつ突き合わせてみました。
Q1・Q4に出たBP IDは、FISCREL1〜3とFISCOPS3の定義(復旧目標、復旧戦略、設定ドリフト管理、マルチアカウント、IaC、バックアップ要件など)と、すべて一致していました。
実務基準番号と、対応表の紐づけ
| 番号 | 対応表の紐づけ(FISC第13版の列) | 回答での使われ方 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 実1・26・27 | SEC 2/FISCSEC 5・1 | アクセス・権限管理 | 一致 |
| 実10・11・63 | SEC 4/FISCSEC 2・7 | ログ・操作記録・アクセス履歴 | 一致 |
| 実38 | FISCOPS 1(BP01:オペレーションを記録する) | 記録の保全 | 整合 |
| 実13・30・69 | SEC 8/FISCSEC 8・4 | 暗号化・鍵管理・データ分類 | 一致 |
| 実39・43 | REL 9/FISCOPS 3 | バックアップ | 一致 |
| 実74・76 | FISCREL 1・2 | 復旧要件・環境分離 | 一致 |
| 実104・106 | FISCREL 3/REL 10・11・9 | マルチAZ・復旧テスト | 一致 |
さらに、スキル外の記述かと思っていた「金融庁ガイドライン 2.3.3」「Control Towerコントロール224個」「1825日(5年)」「GuardDuty Severity 9.0以上」も、スキル内に記述がありました。
突き合わせた範囲では、IDや番号をモデルが勝手に作った形跡はなく、スキルの記述に沿って出力されていました。
この辺りはさすが、素晴らしい精度ですね〜⭐️
それでも、注意が必要だった点
- 「準拠しています」は言い過ぎ?:Q2は「金融庁ガイドライン2.3.3項に準拠しています」と書きましたが、リポジトリでは、2.3.3は分離や別環境での復旧の動機として引用されているだけです
- カバレッジ約15%は、根拠が示されていない:何を分母にした数字か、回答のどこにも書かれていません(追加のプロンプトで聞けた可能性はあります。)
- 少し断定が強い:ベースラインも「FISC準拠:不適合」と判定していましたが、スキルありは「到底容認できない」「民事・刑事上の責任追及」などでさらに強い表現になりました。検証用の架空構成に対する出力としては過剰な言い回しのようにも感じます
クレジット消費
| 区間 | 消費 | 内容 |
|---|---|---|
| ベースライン | 0.07 → 1.78(+1.71) | 5回 |
| スキルあり | 1.78 → 5.05(+3.27) | 5〜6回 |
1回あたりでは、ベースラインが約0.34、スキルありが約0.5〜0.65で、1.5〜2倍程度でした。回数はメーターの更新遅れで確定できず、Q4はスキル3つの読み込みとArtifact生成があるため、他より重いはずです。Freeプランで、Sonnet 4.5固定の、各1回の計測なので、傾向として見てください。
実務で使うなら
今回の検証から、実務で使うときのポイントを整理します!
向いていること:設計の論点出しや、チェックリストづくりの叩き台、FISCの実務基準とWell-Architectedの対応の当たりをつけること、弱点を入れた構成レビューでの見落とし防止
気をつけること
- 断定的な表現や根拠不明の数字は、別途内容の精査をする必要がある
- 実番号の項目名はFISC本文で確認し、サンプルコードは検証用として扱う
- 顧客の構成図や社外秘情報をAIに入力するときは、利用ルールを確認する
まとめ
- Agent Skillsを読み込ませると、FISCのIDや実務基準番号が付き、リポジトリ固有の設計要素が回答に反映されるようになった
- 突き合わせた範囲では、番号・IDはリポジトリの定義と一致しており、モデルが勝手に作ったものは見つからなかった
- 一方で、断定の強さ、根拠不明の数字など、人の確認が要る点は残った
- スキルは、読み込み時に承認ダイアログが出る
- 「調査の叩き台」としては、十分に価値がある。一方で、準拠の判断や顧客への提示には、人のレビューが必要
少し出力の断定が強かったり癖があるなと感じたので、その辺りは注意が必要かもですね😕
最後に
最後まで見てくださりありがとうございました〜〜
本日の写真はこちらです!(ででん)

こちらは過去に西伊豆スカイラインに行った時の写真です
晴れてて富士山見えたので気持ちよかったです⛰️
是非行ってみてください!
参考
- AWSブログ:金融リファレンスアーキテクチャ日本版 v2リリース(https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/fsi-reference-architecture-jp-v2-release/)
- GitHub:sample-fsi-reference-architecture-jp(aws-samples)
- Kiro Docs:Agent Skills
- Agent Skills(agentskills.io)










