
Claude Code v2.1.300 の主要アップデート - OpenTelemetry の GenAI 属性追加 と Claude Platform on AWS の /advisor 対応
クラウド事業統括本部の石川です。Claude Code の v2.1.300(2026 年 10 月 14 日公開)のアップデートをご紹介します。AWS 上で Claude Code を使っている方や、フックやテレメトリーを設定して運用している方に関係する変更が多いリリースだと感じます。
前回のアップデート記事はこちらです。
アップデートサマリー
v2.1.300 では 88 件の変更が入りました。公式ドキュメントの changelog では Added 12 件、Changed 13 件、Improved 4 件、Bug fixes 59 件に分かれています。本記事では内容に応じて分類し直し、修正 57 件、新機能 11 件、改善 9 件、セキュリティ 6 件、破壊的変更 5 件として紹介します。
新機能は mod 向けの API とフック、OpenTelemetry の属性、Claude Tag(Claude in Slack)の追加が中心です。hooks の入力の扱いや claude remote-control のフラグなど、既存の設定やスクリプトに影響する変更も含まれます。修正には、クラウドセッション、Remote Control、VS Code 拡張機能、--worktree に関するものが多く含まれます。
また、公式のXによると Claude Code デスクトップアプリが多数のセッションを並行して実行するのに最適されセッションの開始が高速化、数個に作業を分割するのが簡単になり、それぞれが何をしているのか常に確認できできるようになったそうです。
注目のアップデート
OpenTelemetry の GenAI 属性とキャッシュ書き込みの内訳(新機能)
トレースのスパンに、OpenTelemetry の GenAI セマンティック規約の属性が追加されました。CHANGELOG では例として gen_ai.provider.name、gen_ai.conversation.id、gen_ai.tool.name、error.type が挙げられています。
あわせて、api_request イベントに cache_creation_5m_tokens と cache_creation_1h_tokens が追加され、キャッシュ書き込みのトークン数を有効期間(5 分 / 1 時間)別に確認できるようになりました。
トレースはベータ機能で、CLAUDE_CODE_ENABLE_TELEMETRY=1 と CLAUDE_CODE_ENHANCED_TELEMETRY_BETA=1 を設定し、OTEL_TRACES_EXPORTER で出力先を指定すると有効になります。
OpenTelemetry Collector 経由でトレースを既存の監視基盤に送っている方は、GenAI 規約に沿ったクエリやダッシュボードを流用しやすくなると見ています。
関連して現在パブリックベータ版として、Claude PlatformはMessages API、Claude Managed Agents、およびClaude SDKからOpenTelemetryトレースをオブザーバビリティスタックに送信できるようになりました。
Claude Platform on AWS での /advisor(新機能)
Claude Platform on AWS で /advisor が使えるようになりました。/advisor コマンド、advisorModel 設定、--advisor フラグのいずれかで advisor のモデルを選ぶまで advisor は動きません。CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1 を設定すると無効になります。
advisor は、メインのモデルが作業の途中で、通常はより能力の高い別のモデルに相談するサーバー側のツールです。Claude Platform on AWS は、Anthropic が運用する Claude API を AWS の認証(SigV4 または workspace の API キー)、IAM、AWS Marketplace の課金で使うサービスで、Amazon Bedrock とは別のサービスです。advisor のドキュメントでは、Amazon Bedrock は非対応と記載されています。
なお、2026 年 10 月 15 日時点では、advisor のドキュメントと Claude Code の Claude Platform on AWS のドキュメントに「Claude Platform on AWS では advisor を使えない」という記載が残っています。本記事は CHANGELOG の記載に基づいています。
Claude Platform on AWS で Claude Code を運用していて長い作業を任せている方は、Sonnet をメインにして要所だけ Opus に相談させる構成を試す価値があると感じます。
hooks の updatedInput の検証(セキュリティ・破壊的変更)
PreToolUse フックと PermissionRequest フックが返す updatedInput が、Claude 自身の入力と同じように検証されるようになりました。ツールの入力に無いキーは削除され、ツールが受け付けない入力の場合はツールの呼び出しが拒否されます。具体例は後述の「破壊的変更・非推奨」で紹介します。
フックで updatedInput を返している方は、存在しないキーを含めていないか、書き換え後の入力をツールが受け付けるかを確認しておくのがよいと考えます。
forceLoginOrgUUID と agent フックの model の修正(セキュリティ)
forceLoginOrgUUID によってログインが拒否された組織のトークンが、保存されたまま残る、または /login の後も有効なまま残る問題が修正されました。
また、agent フックが model の指定を無視していた問題も修正されました。haiku などのエイリアスが解決されるようになり、サブエージェントのモデルで上書きされなくなりました。指定したモデルを利用できない場合は、操作を許可するのではなく、呼び出し元のモデルにフォールバックします。
forceLoginOrgUUID で組織を制限している管理者や、agent フックに model を指定している方は、早めにアップデートしておきたい修正だと感じます。
MCP ツールの入力スキーマで 400 エラーが続く問題の修正(不具合解消)
API が MCP ツールの入力スキーマを拒否すると、その会話が毎ターン 400 エラーで失敗し続ける問題が修正されました。以降その会話では、Claude Code は該当のツールをパラメーターなしで送信します。
API が受け付けない入力スキーマの MCP ツールをつないでいる方は、会話を続けられるようになる一方で、そのツールは以後パラメーターなしで送られるため、期待どおりに動くとは限らない点に注意が必要だと感じます。
アップデート内容
新機能
- Claude Platform on AWS で
/advisorが使えるようになりました(注目のアップデートを参照)。 - トレースのスパンに OpenTelemetry の GenAI セマンティック規約の属性が追加され、
api_requestイベントにcache_creation_5m_tokensとcache_creation_1h_tokensが追加されました(注目のアップデートを参照)。 - mod 向けに次の API とフックが追加されました。
- プロンプトの装飾に
virtualTextを追加。プロンプト欄に表示されますが、下書きにも送信するプロンプトにも入りません。 $.ui.view({ agentId })を追加。指定したエージェントのトランスクリプトをメインビューに表示し、$.ui.view({})で元に戻ります。Textに右から左へ書く言語向けのdirプロパティを追加。Windows と VS Code のターミナルでは、行がその向きで表示され右寄せになります。agent.spawnフックで、ワークフローエージェントのpromptとmodelを書き換えられるようになりました。従来はワークフローエージェントの起動を拒否することしかできませんでした。prompt.changeフックを追加。履歴の呼び出し、クリア、取り消し、プラグインによる入力など、文字の入力による編集を伴わずにプロンプト欄のテキストが変わったときに呼ばれます。
- プロンプトの装飾に
- [VSCode] エディターで選択したテキストをメッセージに追加しないための
claudeCode.attachSelection設定が追加されました。 - [Claude Tag] Slack Connect チャンネルに対応しました。Owner または Claude Tag の管理者が、他の組織と共有しているチャンネルで Claude in Slack が回答できるよう設定できます(既定はオフ)。
- [Claude Tag] Slack のボイスクリップに対応しました。Slack がクリップの文字起こしを持っている場合、Claude はそれを読みます。
改善
- Artifact の更新で、小さな変更は 1 回の呼び出しで適用して再公開し、大きな編集は 1 回の応答の中で編集と再公開を行うようになりました。
- 終了時、停止を求めてから 1.5 秒後も動いているバックグラウンドコマンドを強制終了するようになりました。従来はフルスクリーンモードで動いたまま残ることがありました。
- テレメトリーを無効にしていても、api.anthropic.com への大きなリクエストを gzip で圧縮するようになりました。
CLAUDE_CODE_GZIP_REQUEST_BODIES=0で無効にできます。 - ローカルのセッショントランスクリプトに、各 API リクエストのシステムプロンプト、ツール、パラメーターも記録するようになりました。共有したトランスクリプトでリクエストを正確に再現できます。
- Cowork のクラウドセッションで、直前に取得に失敗したページを WebFetch が再取得せず、失敗したことを Claude に伝えるようになりました。
- @ でメンションした PDF について Claude 3 モデルに渡すメモを改善し、PDF を読まずに回答することが減りました。
claude-apiスキルは、アーカイブや削除を依頼しない限り、Managed Agents のセッションを残すようになりました。/sandboxのモードの選択肢の表記が「Sandbox BashTool」から「Sandbox commands」に変わりました。- [Claude Tag] 管理者が Slack チャンネルに付けたアクセスバンドルが、そのチャンネルが Slack Connect チャンネルになった後も、付け直さずに適用され続けるようになりました。
セキュリティ
forceLoginOrgUUIDで拒否された組織のトークンが残る問題と、agent フックがmodelを無視していた問題が修正されました(注目のアップデートを参照)。- 組み込みの
plugin-authoringスキルで mod を共有するとき、Claude が mod のファイルを開く前にキーが含まれていないかをスキャンし、プロジェクト外のフォルダーをスキャンする前に確認を求めるようになりました。 forceLoginGatewayUrlが、セッションのホスト名を提供する Anthropic 運営のゲートウェイを指す場合、Claude Desktop の Code タブが管理設定(managed settings)を適用するようになりました。そのゲートウェイには起動時に到達できる必要があります。- バックグラウンドセッションで引き継いだワークフローを再開するとき、引き継ぎファイルから直接実行せず、Workflow ツールの承認を経るようになりました。
- [Claude Tag] 承認が必要なコネクターの操作について、Slack のスレッドに本人だけに見える Allow once / Deny カードを表示するようになりました。Claude は拒否する代わりに確認を求め、他の参加者には承認待ちであることだけが表示されます。
修正(主要なもの)
- MCP ツールの入力スキーマで毎ターン 400 エラーになる問題を修正: API が入力スキーマを拒否した MCP ツールは、以降その会話ではパラメーターなしで送信されます。
- headless / Agent SDK セッションの再開でコンパクションの内容が失われる問題を修正: 出力トークンの上限で途切れた返信の後のコンパクションで、残したはずの直近のメッセージが失われる問題(このバージョン以降のコンパクションが対象)と、同じターン内で再試行や未完了の返信の後に行われたコンパクションで、要約が失われる、またはコンパクション前の履歴が戻る問題が修正されました。
- コンパクション後に接続した MCP サーバーのツールが Claude に伝わらない問題を修正: コンパクションの後に MCP サーバーの接続が完了した場合、次のツール呼び出しまでそのサーバーのツールと指示が Claude に伝わっていませんでした。
- 自動ツール検索が会話の途中で無効になる問題を修正:
ENABLE_TOOL_SEARCH=autoが、再開後に MCP サーバーが再接続している間などに無効になっていました。 - SessionEnd フックが実行されない問題を修正: バックグラウンドコマンドの実行中に終了すると、SessionEnd フックが実行されないことがありました。
- prompt.submit フックで書き換えたプロンプトが入力どおりに記録される問題を修正: mod の
prompt.submitフックが書き換えた、または破棄したプロンプトが、OpenTelemetry のuser_promptイベントと interaction スパン、セッションタイトルのリクエストに、入力したとおりに記録されていました。 - --worktree の開始コミットとフックの問題を修正: タグやブランチがコミット ID のような名前のときに
--worktreeのセッションが誤ったコミットから始まることがある問題と、プラグインのWorktreeCreate/WorktreeRemoveフックが--worktreeでの起動時に実行されない問題(--tmux併用時は未対応)が修正されました。 - TLS インスペクションプロキシの配下でフィーチャーフラグが更新されない問題を修正: OS の証明書ストアでのみ信頼されている証明書を使うプロキシの配下で、フィーチャーフラグと段階的なロールアウトが古いままになっていました。
- Cowork のクラウドセッションでローカルのパスへの書き込みを成功と報告する問題を修正: Write、Edit、NotebookEdit が、ユーザーのコンピューター上のパスについて成功を報告していましたが、ファイルは届いていませんでした。
- クラウドセッションがターンごとに 5 分止まる問題を修正: 組織のポリシーを読み取れない場合に止まっていたターンが、すぐに終了して理由を表示するようになりました。
- VS Code 拡張機能で利用クレジットが尽きた後も fast mode が続く問題を修正: 各リクエストが拒否されては再送されていました。オンに戻すまで fast mode はオフになり、エラーの通知が表示されます。
- このほか、Remote Control とクラウドセッション、mod のフック、reftable の ref ストレージを使うリポジトリでの git 連携、VS Code 拡張機能、Claude Tag と Code Review など、多数の細かな不具合が修正されています。
破壊的変更・非推奨
PreToolUse / PermissionRequest フックの updatedInput が検証されるように
フックが返す updatedInput は、Claude 自身の入力と同じように検証されるようになりました。ツールの入力に無いキーは削除され、ツールが受け付けない入力の場合は呼び出しが拒否されます。updatedInput は入力オブジェクト全体を置き換えるため、変更しない項目も含めて返す必要があります(公式ドキュメントの記載)。
以下は、公式ドキュメントの PermissionRequest フックの出力例に、Bash ツールの入力に無いキー note を加えた構築例です。
見直し前の書き方(例):
{
"hookSpecificOutput": {
"hookEventName": "PermissionRequest",
"decision": {
"behavior": "allow",
"updatedInput": {
"command": "npm run lint",
"note": "rewritten by hook"
}
}
}
}
v2.1.300 では、note は削除されて command だけがツールに渡ります。変更前に note がどう扱われていたかは CHANGELOG に記載がないため、ここではツールの入力に含まれるキーだけを返す形に揃える例を示します。
見直し後の書き方(例):
{
"hookSpecificOutput": {
"hookEventName": "PermissionRequest",
"decision": {
"behavior": "allow",
"updatedInput": {
"command": "npm run lint"
}
}
}
}
claude remote-control の --sandbox / --no-sandbox を削除
claude remote-control の --sandbox と --no-sandbox フラグが削除されました。これらのフラグには効果がありませんでした。v2.1.300 からは、どちらかを指定するとエラーで終了します。セッションをサンドボックス化するには、設定の sandbox.enabled を使います。
変更前(〜v2.1.299):
# フラグは受け付けられるが、効果はなかった
claude remote-control --sandbox
変更後(v2.1.300〜):
# --sandbox / --no-sandbox を付けるとエラーで終了するため、フラグを外す
claude remote-control
以下は設定ファイルでサンドボックスを有効にする例です。
{
"sandbox": {
"enabled": true
}
}
Cowork のクラウドセッションで PermissionRequest フックの setMode が無視されるように
Cowork のクラウドセッションでは、PermissionRequest フックの allow に含めた setMode の更新が無視されるようになりました。それ以外の承認内容は適用されます。以下は updatedPermissions に setMode を含めた構築例です。
{
"hookSpecificOutput": {
"hookEventName": "PermissionRequest",
"decision": {
"behavior": "allow",
"updatedPermissions": [
{ "type": "setMode", "mode": "acceptEdits", "destination": "session" }
]
}
}
}
| Cowork のクラウドセッション | 〜v2.1.299 | v2.1.300〜 |
|---|---|---|
behavior: "allow" による許可 |
適用される | 適用される |
setMode によるモードの変更 |
適用される | 無視される |
そのほかの挙動の変更
claude gateway は、Claude Desktop がゲートウェイ経由では使えない desktop: のポリシーキーがある場合、そのキー名を示して起動時に停止するようになりました。
claude gateway
desktop: のポリシーキーがある場合 |
〜v2.1.299 | v2.1.300〜 |
|---|---|---|
claude gateway の動作 |
警告を出して起動する | キー名を示して起動時に停止する |
CLAUDE_CODE_PROVIDER_MANAGED_BY_HOST のセッションでは、設定ファイル内の CA バンドル、ツールプロキシ、git の TLS、git config 関連の変数(SSL_CERT_FILE など)が無視されるようになりました。Claude Desktop の配下では、プロジェクト設定に書いたものだけが無視の対象です。以下は設定ファイルの env で SSL_CERT_FILE を指定する例です。
{
"env": {
"SSL_CERT_FILE": "/path/to/ca-bundle.pem"
}
}
| 上記の設定 | 〜v2.1.299 | v2.1.300〜 |
|---|---|---|
CLAUDE_CODE_PROVIDER_MANAGED_BY_HOST のセッション |
無視されない | 無視される |
| 同上(Claude Desktop 配下) | 無視されない | プロジェクト設定に書いた場合のみ無視される |
最後に
OpenTelemetry の GenAI 属性とキャッシュ書き込みの内訳が加わり、Claude Code の利用状況を既存の監視基盤で分析しやすくなったと感じます。Claude Platform on AWS の advisor 対応とあわせて、AWS 上で Claude Code を運用しているチームには確認しておきたい内容が多いリリースではないでしょうか。
Claude Platform on AWS で Claude Code を使っている方、OpenTelemetry で Claude Code を監視している方、PreToolUse / PermissionRequest フックを設定している方は、アップデートして試してみてはいかがでしょうか。
参考文献











