
Claude Code v2.1.305〜v2.1.306 の主要アップデート - allowedMcpServers の挙動変更と tool search 回帰修正
クラウド事業統括本部の石川です。Claude Code の v2.1.305 〜 v2.1.306(2026年10月20日 〜 2026年10月21日 公開)のアップデートをまとめてご紹介します。v2.1.306 は 2 件の不具合修正のみで、変更の大半は v2.1.305 に含まれています。
前回のアップデート記事はこちらです。
アップデートサマリー
対象は 2 バージョン(v2.1.305 〜 v2.1.306、2026年10月20日 〜 2026年10月21日)で、変更は合計 40 件(v2.1.305 が 38 件、v2.1.306 が 2 件)です。本記事の分類では、修正 24 件、改善 8 件、新機能 3 件、破壊的変更 3 件、セキュリティ 2 件です。
修正には v2.1.304 と v2.1.300 で生じた回帰の修正が含まれます。破壊的変更の 3 件は、いずれも既存の設定やキー操作の挙動が変わるものです。VS Code 拡張、Cloud sessions、Claude Tag、Code Review、Self-hosted runner の変更もあります。
注目のアップデート
Bedrock・Vertex などで全リクエストが失敗する回帰を修正(v2.1.305)
Vertex・Bedrock などのプロバイダーで、エンドポイントやゲートウェイが tool search を拒否する場合に、すべてのリクエストが失敗する問題が修正されました。ToolSearch が許可されていない、または --tools から外されているゲートウェイの配下でも同じ問題が起きていました。この問題は v2.1.304 で生じた回帰で、v2.1.305 では tool search なしで再試行します。
Bedrock や Vertex、社内ゲートウェイ経由で Claude Code を使っていて、v2.1.304 でリクエストが通らなくなっていた方は、まず v2.1.305 以降への更新を優先するのがよいと考えます。
多数の MCP ツールを使うセッションで API エラーが「prompt is too long」に置き換わる問題を修正(v2.1.306)
多数の MCP ツールを使うセッションで、API エラーが「prompt is too long」に置き換えられて表示される問題と、不要なコンパクションが実行される問題が修正されました。
多数の MCP ツールを使うセッションで「prompt is too long」が表示されたり、不要なコンパクションが実行されたりしていた方は、v2.1.306 に更新したうえで、表示されるエラーの内容を確認し直すとよいと考えます。
allowedMcpServers が managed-mcp.json の一部の stdio サーバーをフィルタしなくなった(v2.1.305)
env の中だけで ${VAR} を使う managed-mcp.json の stdio サーバーは、allowedMcpServers でフィルタされなくなりました。許可リストから外していた該当サーバーはアップグレード時に読み込まれるようになるため、引き続き無効にするには deniedMcpServers を使います。設定例は後述の「破壊的変更・非推奨」で示します。
managed-mcp.json と allowedMcpServers を組み合わせてサーバーを絞り込んでいる管理者の方は、利用者の端末が更新される前に該当するサーバーがないかを確認し、必要なら deniedMcpServers を追加しておくべきだと考えます。
Linux のサンドボックスに sandbox.allowNestedUserNamespaces を追加(v2.1.305)
Linux のサンドボックス内のコマンドがユーザー名前空間(user namespace)を作成できるようにする設定 sandbox.allowNestedUserNamespaces が追加されました。CHANGELOG では対象として Chromium と rootless podman が挙げられており、この設定によってそれらのコマンドがサンドボックスのファイル保護を回避できるようになることも明記されています。
Linux のサンドボックス内で Chromium や rootless podman を動かしたい方には選択肢が増えますが、ファイル保護を回避できるようになる点が明記されているため、有効にするのはそのリスクを受け入れられる環境に限るのが無難だと感じます。
/usage の警告が修正案として表示されるように(v2.1.305)
/usage の各警告が、発生源を示す 1 行の修正案として表示されるようになり、f キーで修正を適用できます。同じ修正案は VS Code と /doctor にも表示されます。
警告ごとに発生源と 1 行の修正案が示され、f キーでそのまま適用できるため、警告の原因を調べる手間が減ると感じます。
対象バージョンと期間
| バージョン | 公開日 |
|---|---|
| v2.1.305 | 2026年10月20日 |
| v2.1.306 | 2026年10月21日 |
新機能
- 無人リトライモード(
CLAUDE_CODE_RETRY_WATCHDOG)向けに環境変数CLAUDE_CODE_RETRY_WATCHDOG_USAGE_LIMIT_RECHECK_MSが追加され、リセット時刻より前に解除された利用上限(usage limit)を検知できるようになりました(v2.1.305)。 - [VS Code] SessionStart / Setup フックの実行中に「Running start-up hooks」のスピナー表示が追加されました。スクリーンリーダーでの読み上げにも対応しています(v2.1.305)。
- [Claude Tag] Claude が参加していない公開 Slack チャンネルが Claude Tag 管理画面の Add place 検索に表示されるようになり、管理者がそこから設定できるようになりました(v2.1.305)。
改善
/usageの警告が発生源付きの 1 行の修正案として表示され、fキーで適用できるようになりました(注目のアップデートを参照)(v2.1.305)。- [Code Review] 以前のブロッキング指摘が未解決のまま残っている場合、再レビューが LGTM から始まらないようになりました(v2.1.305)。
- [VS Code] セッションが時間内に開始せず、フックも実行されていない場合のメッセージが、サインインとネットワークを先に案内する形から、出力ログを先頭に示して原因を列挙する形に変わりました(v2.1.305)。
- このほか、mod の表示(iTerm2 3.5 以降のフルスクリーン描画での
Imageの描画、ドッキングされたペインの幅)、Remote Control の spawn モードのメッセージ、Cloud sessions の self-hosted 環境の削除ダイアログ、Claude Tag の管理画面が改善されています(v2.1.305)。
セキュリティ
- Linux のサンドボックスに
sandbox.allowNestedUserNamespacesが追加されました(注目のアップデートを参照)(v2.1.305)。 - MCP の同意ダイアログで、プロンプト入力のつもりで押した Enter が Accept として扱われにくくなりました(v2.1.305)。
修正(主要なもの)
安定性・操作性に関わる修正を中心に抜粋します。
- Bedrock・Vertex などで全リクエストが失敗する回帰を修正: エンドポイントやゲートウェイが tool search を拒否する場合に、tool search なしで再試行するようになりました(注目のアップデートを参照)(v2.1.305)。
- 多数の MCP ツールを使うセッションで API エラーが「prompt is too long」に置き換わる問題を修正: 不要なコンパクションが実行される問題もあわせて修正されました(注目のアップデートを参照)(v2.1.306)。
- クラウドセッション内の
claude -pが「Not logged in」と報告する問題を修正: セッションの環境変数なしで起動された場合に発生していました(v2.1.306)。 /effortと/autocompactの設定が適用されない問題を修正: モデル名がmodelOverridesの値と大文字・小文字の違いや[1m]タグの有無で異なる場合に発生していました(v2.1.305)。- bare リポジトリでの worktree の作成元とクリーンアップの問題を修正: 新しい worktree がデフォルトブランチではなくローカルの HEAD から作られることがある問題と、変更のないサブエージェントの worktree がクリーンアップされないことがある問題が修正されました(v2.1.305)。
- クラウドセッションや SDK で渡した MCP サーバーが置き換えられる問題を修正: クラウドセッションや SDK の
setMcpServersで渡した MCP サーバーが、セッションの途中で自分の設定にある同名のサーバーに置き換えられていました(v2.1.305)。 - Workflow の再開で完了済みのエージェントが再実行される問題を修正: 完了済みの
pipeline()/parallel()のエージェントが、実行ジャーナルから返されずに再実行されていました(v2.1.305)。 - 起動時の警告がロゴの上に表示される問題を修正: ロゴの上に生のテキストで表示されていた起動時の警告は、デバッグログに出力されるようになりました。何も制限しない権限ルールは、バナーの下に警告行として表示されます(v2.1.305)。
- Self-hosted runner のリポジトリアクセスが失敗する問題を修正: git の credential helper や askpass プログラムが
GIT_CONFIG経由で設定を読む場合に、v2.1.296 以降リポジトリへのアクセスが失敗していました(v2.1.305)。 - Code Review が最新のコミットをレビューしない問題を修正: レビュー中にプルリクエストへ複数のプッシュがあった場合に発生していました(v2.1.305)。
- 地味に嬉しい修正: ディスクが満杯のときに Bash コマンドが
ENOSPCとファイルパスだけを出して失敗していた問題が修正され、エラーにディスクが満杯であることと、コマンドが実行されなかったことが示されるようになりました(v2.1.305)。コマンドが実行されなかったことをエラーから確認できるため、原因を切り分けやすくなると感じます。 - このほか、スクリーンリーダーモード、
/usageの表示、Remote Control、Claude Tag のルーティン、VS Code のスピナーなど、多数の細かな不具合が修正されています(v2.1.305)。
破壊的変更・非推奨
CHANGELOG で「Changed」として記載されている v2.1.305 の変更のうち、既存の設定やキー操作に影響する 3 件を扱います。非推奨の記載はありません。
allowedMcpServers が env の中だけで ${VAR} を使う managed-mcp.json の stdio サーバーをフィルタしなくなった(v2.1.305)
注目のアップデートで紹介した変更です。許可リストから外していた該当サーバーはアップグレード時に読み込まれるため、引き続き無効にするには deniedMcpServers を使います。
なお、執筆時点(2026年10月21日)の公式ドキュメント(How a server is evaluated)では、command・引数・env・URL・ヘッダーのいずれかで ${VAR} を使う managed-mcp.json のサーバーは許可リストの確認対象と記載されており、CHANGELOG の記述と異なります。本記事は CHANGELOG の記述に従っています。
以下は公式ドキュメントの記法に沿った設定例です。managed-mcp.json には、env の中だけで ${COMPANY_API_TOKEN} を使う stdio サーバー company-internal を次のように定義している想定です。
{
"mcpServers": {
"company-internal": {
"type": "stdio",
"command": "/usr/local/bin/company-mcp-server",
"env": {
"COMPANY_API_TOKEN": "${COMPANY_API_TOKEN}"
}
}
}
}
変更前(〜v2.1.304): 次の managed-settings.json で、company-internal は読み込まれませんでした。
{
"allowedMcpServers": [
{ "serverCommand": ["npx", "-y", "approved-package"] }
]
}
変更後(v2.1.305〜): 上記の設定のままでは company-internal が読み込まれます。引き続き止めるには deniedMcpServers に追加します。
{
"allowedMcpServers": [
{ "serverCommand": ["npx", "-y", "approved-package"] }
],
"deniedMcpServers": [
{ "serverCommand": ["/usr/local/bin/company-mcp-server"] }
]
}
Claude Desktop がパス指定でマウントするプラグインの allowed-tools が保持されなくなった(v2.1.305)
組織の managed settings で allowManagedPermissionRulesOnly が設定されている場合、Claude Desktop がパス指定でマウントするプラグインの allowed-tools が保持されなくなりました。
以下は設定例です。
{
"allowManagedPermissionRulesOnly": true
}
変更前(〜v2.1.304): 上記の設定の下でも、Claude Desktop がパス指定でマウントしたプラグインの allowed-tools は保持されていました。
変更後(v2.1.305〜): 上記の設定の下では、そのプラグインの allowed-tools は保持されません。
/artifacts の削除確認で y / n が使えなくなった(v2.1.305)
/artifacts の削除確認は、1 または Enter で保持、2 で削除、Esc でキャンセルになり、y と n では応答できなくなりました。
変更前(〜v2.1.304):
y / n でも削除確認に応答できる
変更後(v2.1.305〜):
1 または Enter : 保持
2 : 削除
Esc : キャンセル
y / n : 応答に使えない
最後に
v2.1.304 の回帰の修正、多数の MCP ツールを使うセッションで API エラーが「prompt is too long」に置き換わる問題の修正、/usage の修正案表示と、エラーや警告に関わる変更が続いた 2 バージョンだと感じます。特に、tool search を拒否するエンドポイントやゲートウェイの配下で Bedrock・Vertex などを使っている方や、多数の MCP ツールを使っている方ほど、恩恵が大きいのではないでしょうか。
組織で MCP サーバーを管理している方は破壊的変更の節を確認したうえで、アップデートして試してみてはいかがでしょうか。
参考文献









